2024年9月26日~29日の4日間、東京ゲームショウが幕張メッセにて開催。『Path of Exile 2』(パス オブ ザ エグザイル 2/以下、『PoE2』)が出展され、アジア太平洋初となる試遊台が用意されている。
対応機種はプレイステーション5、Xbox Series X|S、PCで、ジャンルはハック&スラッシュ・アクションRPG。暗黒大陸“レイクラスト”を舞台にしたダークファンタジーな世界観が特徴で、前作ではその遊びごたえと自由度が人気を博した。
2024年11月15日にアーリーアクセス開始を控えるなか、開発を率いるディレクターのジョナサン・ロジャース氏に本作の魅力について伺った。
※本記事は、『Path of Exile 2』の提供でお送りします。![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/19315/ade303d6336083ccf56b812c9ad133fa1.jpg?x=767)
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Jonathan Rogers(ジョナサン・ロジャース)
Grinding Gear Games共同創業者
『Path of Exile 2』ディレクター
100体のボスが待ち受ける戦闘体験に自信
――改めて、前作から『PoE2』での変化をお聞かせください。
ロジャース
戦闘システムがいちばん大きな変更ですね。前作『Path of Exile』(以下、『PoE』)よりも戦闘部分をずっと進化したものにしたいという想いで今作を開発しています。
実際にテストをした限りでは、前作をプレイせずに『PoE2』からプレイし始めたユーザーからは、遊びやすいというフィードバックをもらいました。
逆に、前作をやり込んでいたかたは「よくわからない。難しい」と感じる傾向があります。これは単純に、慣れていないからだと思います。むしろ、難しい方に慣れているから、逆に難しいという感じですね。
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――「Windows 10から11にアップデートしたら使いにくくなった!」と同じイメージでしょうか?
ロジャース
そうですね(笑)。
――前作と比べるとアクション性が高さがグッと上がりました。『PoE』のシステムと上手く融合させるには、相当な苦労があったのではないかと思いますが、いかがでしょう。
ロジャース
それはもう、想像以上の難しさがありました。とくに、新しいクラスの制作は困難でしたね。クラスごとに十分な差別化をしなければいけないので。実際、いいクオリティにならず、新しいクラスのアナウンスを遅らせざるを得なかったこともありました。しかし、それだけしっかりとクラスを作り込むことも、やはり価値があるものだと考えています。こうした苦労が、つぎのクラスを作っていく上で、つながっていくと思っています。
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――では、アクションが進化した『PoE2』の魅力は何でしょうか。
ロジャース
ボスとの戦い、コンボを使ったゲームプレイ、そしてキャラカスタマイズの深さですね。ボスとの戦いは、この業界における、ベストの戦闘体験になっていると思います。これを私たちは非常に価値が高いものとして重視しています。
『PoE2』のキャンペーン(ストーリー)はAct(チャプター)1~6まで展開され、100のエリアと最後に待ち受ける100のボスが存在します。エリアによっては、古代マヤ文明を思わせる建造物が並んでいたり、人工の太陽が身を焦がすギミックが仕掛けられていたりと、ロケーションによってさまざまです。
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太陽が身を焦がすエリア
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インタビューではAct 3のボスとの戦闘を実演。エリアのクライマックスにふさわしいリッチな演出で、そうしたユニークな敵が100体も用意されているようだ。
――キャンペーンををクリアするまで何時間ぐらいかかりますか。
ロジャース
クローズドベータテストの結果では、前作をプレイしていなかったユーザーはAct 1~2をクリアするのにだいたい18時間ほど掛かっていました。Act6までとなると、約40~50時間くらいになると思います。とはいえ、エンドコンテンツもたくさんありますので、もっと時間を使う、遊ぶことはできますね。
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――なるほど。アクションの比重が高まったことで、映像的には「もっさりしているのではないか」と懸念する人もいるように見受けられます。そういった声はどのように受け止めているのでしょう。
ロジャース
たしかに、ぱっと見ではスローに見えることがあるかもしれません。ただ、実際には動きながら攻撃したり、攻撃をキャンセルして避けたりと、同時にこなすアクションが多く、むしろ忙しいくらいだと思っています。長いモーションの攻撃中にドッジロール(回避)でキャンセルできたり、動作の途中でターゲットを変えることもできます。何もできない時間が生まれないようになっているので、見た目より機動力があるアクションに仕上がっています。
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また、一般的なイメージのハクスラと比較して、非常にたくさんのアビリティがあるのも特徴です。これらを組み合わせて、コンボを作って戦うのもゲームのプレイポイントでもあります。
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クラス“モンク”の実演では、アビリティで呼び出したオブジェクトに別のアビリティを当てることで複数の効果を誘発。止めどなくアビリティを発動することで自己強化を重ねられるなど、クラスごとの個性的な戦い方の一例が確認できた。
そして、キャラのカスタマイズに関しては、序盤の段階ではそこまで重要ではないと思うかもしれませんが、プレイしていくうちに、新しい発見をしていくなかでキャラクタービルドの深みも魅力になると思います。
たとえば、スキルツリーを見ていただくと、小さなノードと大きなノードがあって、それぞれにパッシブ効果があります(約1500種)。キャラクタークラスごとにスタートする地点が違うのですが、別のツリーのところにもどんどん移動して回っていくこともできます。
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ほかにも重要なシステムとして、サポートジェムというものがあります。持っているアビリティに変化をつけることができます。
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サポートジェム
こうしたアビリティは大量にあるのですが、システム側でおすすめを提示する機能も用意しています。『PoE2』から新しく始めるユーザーは、まずはこのおすすめ機能から中心に試してもらうのがいいと思います。
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“お勧めを表示”を押すことで、項目をしぼることができる。
初心者が参入しやすい仕組みを導入
――アビリティのおすすめ機能しかり、初心者向けの動線がしっかりしているように感じました。
ロジャース
前作は非常にタフでハードなゲームでしたよね。新しく参入するユーザーにとっては、やはり障壁になってしまうので、改善したいところでした。とはいえ、既存ユーザーがアンハッピーになってはいけない。決して劣化させてはいけないと思っていますので、その深さは維持しつつ、どうやって新規ユーザーを受け入れるか考えました。その結果、用語を解説するヘルプの機能を充実させて、前述のおすすめ機能を実装、ジェムに関しても、もう少しシンプルで分かりやすいものにしています。
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組み合わせでDPSがどのように変化するのかを数字で示す画面もあり、視覚的にわかりやすくなっている。
ロジャース
今回、新しいユーザー向けに、非常に長い時間を使ってテストを行い、たくさん学んだことがあります。
たとえば、初心者の方はフラスコ(回復アイテム)に気づかなかったり、攻撃を避けなかったり。それを受けて、体力が減ったときには、ヘルプで回復するように促したり、回避するようにヘルプを出したりと、細かい部分でのサポートも行っています。
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――サポート部分を手厚くしたと。ほかにもうれしい機能はありますか。
ロジャース
前作のクラフトシステムは、外部サイト等で情報を集めなければいけなかったと思います。今作は、出来る限りゲーム情報はゲーム内で得られることを目指しています。もちろん、サードパーティ製の役立つサイトはたくさんあると思いますが。
『1』と『2』の共存体制
――課金要素についてもお聞かせください。
ロジャース
前作同様に、スキンを重視しています。購入したスキンは一部の例外を除いて、『1』と『2』で共通して使えるようにしています。『1』で買ったものを『2』に持ち込んだり、逆に『2』で買ったものを『1』に持ち込んだりできます。基本的にPay to Win(ペイトゥウィン)のような、お金を払って勝つような仕組みにはしません。
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――『1』と『2』はどちらも運営を続けていくのですよね。
ロジャース
『1』と『2』で交互に拡張を続けていきます。『PoE』のコミュニティが『1』派と『2』派で分かれてしまうというのは非常によくないと思っています。そのため、マネタイズの形も同じにして分断が起きないように気を付けています。私たちも『1』を諦めるわけでもないですし、ユーザーにも諦めてもらいたくないので、両立させたい気持ちがあります。
――運営型のタイトルで、次回作を展開するうえで前作を畳まないというのはレアケースですよね。
ロジャース
作品として差別化できているのが理由として大きいですね。そして、ユーザーのなかには当然『1』をやりたい人もいます。そういう人たちに、「自分たちは開発に捨てられたんだな」と感じさせたくないです。
また、アクティブユーザー数の増減を見ても、拡張のタイミングで一気に増加することが多いですから、(交互に拡張を続けることで)ユーザーが両方プレイするということも可能なのではないかと考えています。
同時に、『1』は最新拡張(3.25アップデート“カルグールの開拓者たち”)の人気がいちばん高く、同時接続者数も35万人と伸びています。まだまだ前作も成長途中なので、クローズする理由はありません。それから、『2』はもともと『1』の拡張版として制作が始まったという経緯もありますから、それが両方のサポートを続ける理由のひとつでもあります。
――アーリーアクセスが始まる11月に向けて、改善したいところはありますか。
ロジャース
リリースするまで、具体的にどのように変えていくかを申し上げることはできないです。ただ、長年『PoE』を運営した経験もあり、システムを根本的に変えていくことに関して、恐れを抱いていません。私たちは、必要であると感じたときには大胆に変更を加えていく、ということは続けていきたいです。
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――アーリーアクセス後のスケジュールやアップデートの予定はどうなるのでしょうか。
ロジャース
正式リリースについては未定ですが、ユーザーを呼び戻すことを考慮すると、拡張の頻度は3ヶ月に1回が良いと考えています。
――最後に、日本のユーザーに向けてメッセージをお願いします。
ロジャース
日本には素晴らしいアクションゲームと、それを制作する素晴らしい会社がたくさんあります。そのなかでも、なんとか競争に勝っていきたい所存です。
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余談だが、インタビューの最後に“いちばん好きな日本のアクションゲーム”を訊いたところ、回答は「『エルデンリング』!」とのことだった。