いまでも口ずさめる最高のBGM
1984年(昭和59年)11月14日は、ファミリーコンピュータ用『マッピー』が発売された日。本日で発売から40周年を迎えたことになる。
『マッピー』は、ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)から発売されたアクションゲーム。アーケード版が1983年5月から稼動して人気を博していたし、MSXやX1といったPCで先行移植されていたこともあって、満を持してのファミコン版登場に当時のゲームキッズは大はしゃぎだったんじゃないかな。少なくとも筆者はそうだった記憶がある。最初のアーケード版が開発された経緯については以下の動画をチェックしてほしい。
“マッピー”はもともと自律制御で迷路を突破するまでの時間を競うロボット競技“マイクロマウス”用にナムコが開発したロボットの名称。ネズミの警察官という意匠がおもしろく印象的で、商品化しておもちゃ“それゆけ!MAPPY”としても販売されていたので筆者のようなオールドゲーマーは覚えているかもしれない。
そんなマッピーを主人公に据えたのが本作。ネズミの警察官の主人公マッピーを操って、泥棒猫“ニャームコ”に盗まれたさまざまな盗品を取り返していくのが目的となっている。ちなみに、ニャームコももともとは“マイクロキャット大会”のデモンストレーション用に作られたロボットだったとのこと。
本作に初めてプレイしたとき、ゲーム中に流れる軽快なBGMが本当にすばらしく、当時大好きだった覚えがある。いまでも容易に口ずさめてしまうのは自分だけではないはずだ。作曲したのは作曲家の大野木宣幸氏で、ほかに『ニューラリーX』や『リブルラブル』なども手掛けていたというから得心がいく。
舞台となるのはニャームコとその手下“ミューキーズ”たちのアジトである“ニャームコ屋敷”。真横から見たの断面図のような5階層のステージになっていて(アーケード版は6階層)、フロアのそこかしこにラジカセ、テレビ、絵画、金庫などの盗品が落ちているのでこれを拾ってスコアを稼いでいく。すべての盗品を回収するとステージクリアー。敵は執拗にマッピーを追い回してきて、彼らに接触してしまうとミスになる。
ユニークだったのは上や下へフロア移動する際に、エレベーター代わりのトランポリンを利用するところ。トランポリンで跳ねている最中はニャームコたちと接触してもミスにならないため、逃げ場として利用するのがセオリーだった。
しかし、行きたい階に着地したとき、よりにもよって敵も同じタイミングで同じ場所へ着地するなんてケースも“よくある光景”で、思わぬミスに悲鳴を上げたプレイヤーも多かったんじゃないかな。
同じトランポリンで跳ね続けていると、トランポリンの色が緑、青、黄、赤と変化し、さらに跳ねるとトランポリンが破けてしまう。場所が1階層だった場合はミスになるが、ほかの階層だと破れるだけなのでショートカットのためにわざと破くなんてテクニックもあった。
フロアのところどころにはドアが設置されていて、マッピーが同じ階層にいれば開閉が可能。敵を開閉に巻き込めば一時的に気絶させられたし、マッピーならば一時的な加速移動をすることができた。通常よりも厚みのある色違いの“パワードア”も存在し、これを開けるとマイクロウェーブが放出。『パックマン』のパワークッキー(※)よろしく、敵をまとめて倒して高スコアを稼げたので気持ちがよかった。
※当時の呼称はパワーエサ。 いくつかのステージをクリアーすると、ボーナスステージに突入。床のないトランポリンだらけのステージをうまく進んで風船を割っていくのが目的となる。ここもノリのいいBGMが楽しげでよかった。
いま『マッピー』で遊びたいのならハムスターから配信されているNintendo Switchおよびプレイステーション4(PS4)用『アーケードアーカイブス マッピー』がおすすめだ。ファミコン版に思い入れがある方は、『ナムコットコレクション』をぜひ。
シリーズ作品の『アーケードアーカイブス ホッピングマッピー』もあるので、懐かしいこちらを遊ぶのもアリ。また、Nintendo Switch Onlineの加入者向け配信タイトルとしてファミコン版『マッピーランド』も楽しめる。
※画面は『ナムコットコレクション』版のものです。