かわいい女の子と賭博がしたい。
そんなことを考えていたら、いつの間にか生き血を賭けたゲームに参加することになっていた。
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『メンヘラリウム』は、2025年3月8日、9日に開催された“TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2025”にて出展されていたタイトルのひとつ。誘蛾灯に群がる虫のように、かわいい女の子のポスターに吸い寄せられた筆者を待っていたのは“チンチロリン×デッキ構築ローグライト”な本作であった。
しかもただのチンチロリンではない。“超かわいい女の子とやるチンチロリン”である。
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ほーらかわいい。寝転んだポーズもステキ。
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ん? なんか雲行きが。
……ただし、その女の子は“死ぬほど愛が重い女”であった。
使う賭け金は己の生き血。時間制限は無論死ぬまで。デスゲームと化した楽しい“愛重い系女子”による賭博が、ここ吉祥寺の地で始まろうとしていた。
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ブースには手錠もあった。拘束する気まんまんですやん。
イカサマで大量得点を稼げ。愛が重い美少女とのチンチロ勝負
『メンヘラリウム』はチンチロリンをベースにしたデッキ構築ローグライト。「ダイスゲームであるチンチロリンのデッキとは」と思うかもしれないが、簡単に言えばダイス自体をカスタマイズできるゲームだと思ってほしい。たとえばダイスの出目を塗り替えて、ゾロ目の確率を上げる……といったような感じだ。
わかる人に言うならば、このゲームは『Balatro』ライク。ポーカーではなくチンチロリンが主題の『Balatro』だと考えてほしい。
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チンチロリンは3つのダイスを振り、その出目で役が決まるシンプルなゲーム。基本的にふたつ以上同じ出目がないと役が成り立たない。
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じゃあそんなゲームで、出目の半数以上が6のダイスを使えばどうなるか。答えは明白である。
先に相手の女の子…… “メンヘラちゃん”がターンの始めにダイスを振り、役を決定。それを上回る役を作ればプレイヤーの勝利となる。勝利した際は出目に応じてポイントを獲得。そのポイントが相手の設定した数を上回ればステージクリアー、という流れになる。
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彼女のダイスは2、4、2。この場合、役は4となる。
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手前のダイスが筆者の出目。この場合は役がないので負け。まあでも笑顔がかわいいからいいか……血ぃ抜かれるけど。
ステージクリアー時の戦績によって、MPが付与される。ステージ間のショップで使える通貨のようなものだ。
で、そのショップで何が買えるかというと……それこそが本作のキモ、“出目”と“お守り”である。
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出目を買えば、指定したサイコロの出目を1面塗り替えられる。塗り替える面は好きに選べるので、たとえば、1、2、3などの比較的弱い面を潰せば単純に勝率が上がる。外れ役である“一二三”の確率も下げられて一石二鳥。加えて特定の面が出る確率も変えられるため、狙った役を作りやすくなる。
ショップで買う出目の中には“その出目が含む役の得点を直接上げる”効果も持っているものも。そのあたりを入れつつ、高得点を狙えるようなデッキ(ダイス目)をビルドするわけである。
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出目を貼り付けてどんどんカスタムしていく。
そしてお守りは、デッキの方向性を決める重要なアイテム。それぞれ“ゾロ目の役なら倍率1.5倍”とか“4の出目が出たらポイント上昇”などの効果を持っており、そこに合わせてダイス目を調整していく。
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お守りの独自性がすごい。最終防衛機構て。
筆者が使っていたデッキはゾロ目役特化。ゾロ目の場合にのみ倍率が上がるがそれ以外の役では倍率が下がるお守り“カッターナイフ”を筆頭に、5の出目が出やすいようダイスを調節。最終的には……。
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平均的な点数はこんな感じなのだが。
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ゾロ目を出すとこうなる。このステージの目標は4ケタ台なので、軽くオーバーフローである。
正直に言おう。最高に気持ちがよかった。自分の考えたデッキの強みがキレイに刺さる瞬間。それこそがデッキ構築系をやっていていちばん楽しい瞬間である。チンチロリンなので運要素は大きいが、ゆえにこそ脳汁がほかのゲームよりも噴出するような気がする。
さらにさらに、このゲームは直接的なイカサマも可能。ショップで買える消費アイテムには、“ダイスひとつを任意の出目に変えられる”というとんでもないものがある。
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266なので本来は2の通常役。
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しかし謎ドリンクを飲めば……。
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はい、6のゾロ目ができあがり。
これでゾロ目なんざ作り放題である。最高。イカサマって楽しい。
しかし敵(の愛の重さ)もさるもの。続くステージでは、どうにかしてこちらの生き血を抜こうとシゴロ(四五六)賽……その名のとおり4、5、6の出目しか存在しないダイスを使ってくる。ズルはよくない。
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ズルして勝って楽しいか? と言いたい。
しかし筆者の手もとにはイカサマドリンクが2本あったので、それを使ってゾロ目を錬成。無事勝利を収めたのであった。ズルじゃなくてイカサマなのでセーフである。勝てば官軍って素敵な言葉だと心の底から思う。
しかし、まだまだ勝負は続く模様。ご褒美であるMPを受け取りショップへ行き、さあつぎの戦いへ……と思ったところで急に画面が途切れる。
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こんなメッセージが出ていました。芸が細かい。
彼女の重い愛もブルースクリーンの前には勝てなかったようだ。……というところで試遊版は終了。デカいポイントも稼いだし、思う存分イカサマしたし、目の前にいる子は超かわいかったし、筆者個人としては非常に満足のいく試遊となった。
個人的に、チンチロリンという非常にシンプルが題材なのがおもしろい点だと感じる。基本的な行動は出目を入れ替えるだけなので、ほかのデッキ構築系のように「カードの枚数を減らして圧縮!」みたいなことを考えずシンプルに行動できたのが新鮮で楽しかった。そのぶん運の要素は強めだが、だからこそ、こういうジャンルのゲームに慣れていない人でも楽しめるのではないだろうか。
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デッキの枚数は(一部ルールを除き)変わらない。このあたりのシンプルさがいい。
反面、題材のシンプルさゆえに拡張性には乏しそうなのが気になるところ。試遊版は(わかりやすさ優先という面はあると思うが)比較的シンプルかつ傾向の似通ったお守りが多く感じた。今後のバージョンで増えていくであろうお守りや各種アイテムによって、どれぐらいチンチロリンというゲームを壊せるのかに期待したい。
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超かわいい女の子とチンチロリンができるだけで十分では? という声(おもに筆者)もある。正直それを理由に遊びたくなるぐらいにはかわいい。表情がすげーいいんすよ。
『メンヘラリウム』は、Steamにて配信予定。現在細かい日付は決まっていないので、配信日時を知りたい方はウィッシュリストに登録しておくといいだろう。各種イベントでの出展は、制作チームであるテスカトリポカのX(旧Twitter)にて告知されているようなので、一度遊んでみたい方はそちらも併せてフォローしておくことをオススメする。