ロゴジャック広告

【DbD】『デッドバイデイライト』×『東京喰種』“金木 研(カネキ)”はサバイバーとしての実装も検討されていた。開発陣に聞くコラボの経緯や日本作品への想い

by平田特異点

【DbD】『デッドバイデイライト』×『東京喰種』“金木 研(カネキ)”はサバイバーとしての実装も検討されていた。開発陣に聞くコラボの経緯や日本作品への想い
 非対称対戦型サバイバルホラーゲーム『Dead by Daylight』(デッドバイデイライト)と『東京喰種トーキョーグール』のコラボが2025年4月3日よりスタート。プレイアブルキャラクターとして新キラー“金木 研”が登場するほか、神代利世、トーカ、ヒデ、エトもコーディネイトとして実装される。

 これまで『リング』や『バイオハザード』など多くの日本作品とコラボしてきたが、話題の『東京喰種』とのコラボ、そして金木が“キラー”として登場するということで大きく話題を呼んだ。キラーとしてコラボキャラが登場するのは初で、「固有の能力を持ったアニメのキャラを操れるのはこれまでなかった」という。

 そんな折、『Dead by Daylight』のコミュニティイベント“Dead by Daylight TADAIMA JAPAN”が開催されるのにともないBehaviour Interactiveのスタッフが来日。それに合わせて、シニアクリエイティブディレクターであるデイブ・リチャード氏とパートナーシップ責任者であるマシュー・コート氏へのインタビューを実施した。『東京喰種』とのコラボにいたった経緯や日本作品とのコラボへの想い、日本コミュニティの印象やこれからの展望を聞いた。
広告
[IMAGE]

デイブ・リチャード氏写真右

Behaviour Interactive シニアクリエイティブディレクター

マシュー・コート氏写真左

Behaviour Interactive パートナーシップ責任者

『東京喰種』はビジュアル的にインパクトが強いキャラが多いので、『DbD』の世界で表現したいと思った

[IMAGE]
――今回『東京喰種』とのコラボレーションにいたった経緯についてお聞きしたいです。開発サイドにファンがいたのですか?

マシュー
 『東京喰種』、『Dead by Daylight』の両サイドにお互いのコンテンツが好きな方がいまして、両サイドともよいアイデアだと思っていたのは確かです。そして『東京喰種』はビジュアル的にインパクトが強いキャラクターが多いので、『Dead by Daylight』の世界の中で表現をしたいと思いコラボを決断しました。

――『Dead by Daylight』の世界観と相性がよいですよね。

デイブ
 まさにそうですね。また、いままでアニメやマンガとのコラボがあまりなかったので、新鮮な試みだと思っています。私個人的にも『東京喰種』のマスクや眼帯などのスタイルが好きなのですが、プレイヤーにとっても非常によいコラボを体験していただけるのではないかと思っています。

――今回新キラーとして登場する金木の性能や特徴について教えてください。

デイブ
 金木は常時赫子(かぐね)が出ている状態になっていまして、壁を使って自身を引っ張ることで広範囲を移動してサバイバーをチェイスしていきます。サバイバーを捕食することができた場合、底なる力がリリースされるという設定になっています。

――資料には“ゲーム史上最も躍動的なキラー”とありましたが、どうしてそのような性能に?

デイブ
 プレイヤーに喰種の感覚を味わってほしいという気持ちがありました。ですので、非常に躍動的な高いモビリティ(機動性)に注力しています。

――喰種の立体感のある動きを再現したということですね。個人的にはサバイバーとしてのカネキも見てみたいと思っていたのですが、そういったアイデアはなかったのですか?

デイブ
 もちろんサバイバー版の金木を用意することも検討していました。ですが、やはり“赫子”が非常にアイコニックな部分であると思うので、キラーとして登場してもらうことにしました。

マシュー
 『東京喰種』のストーリーの中で非常に興味深いのが、主人公の金木が人なのか喰種なのか自分で葛藤する点だと思います。そういった設定もある中で、今回の『Dead by Daylight』の金木研というキャラクターは、喰種に完全に屈してしまったキャラクターです。プレイヤーの方々にはもう完全に、自分の欲望のままに喰種化した金木を楽しんでいただきたいといった思いもあります。

――なるほど。原作の金木とは違う世界線の金木ということですか?

デイブ
 そこはプレイヤー自身の解釈に委ねていますね。原作のストーリーの世界線から分岐した金木と捉えていただいてもいいと思います。
[IMAGE]
――先ほど、ご自身も『東京喰種』のスタイルが好きだというお話がありましたが、お気に入りのキャラクターはいますか?

デイブ
 『東京喰種』は欧米でも非常に人気のある作品で、我々のスタジオにもファンがいるのですが、私個人としてはトーカがいいですね。イかしているキャラだと思うし、戦闘シーンが好きです。あとはグルメ(月山)も好きで、赫子が螺旋状の形くるくる回っていてかっこいいのと、金木のストーカーで彼のパンツを履いたりして……おかしいキャラですよね(笑)。

――お話にあったトーカや、神代利世、ヒデ、エトはコーディネイトとして登場しますよね。月山は登場しないようですが……。

デイブ
 そうですね。こちらは『東京喰種』のファンベースで考え、人気の順位を見て実装しました。あとは、キャラの見た目を『Dead by Daylight』に落とし込んだときにどういう見た目なのか、体格や声がちゃんとフィットするのかという理由もあります。月山がいないのはすこし歯がゆいですが(笑)。

――今回のコラボレーションにおいて、注目してほしいポイントをお聞かせください。

デイブ
 我々がコラボコンテンツを作るときに、非常にプライドを持っているのが“ディテール付け”になります。ありがたいことに今回のコラボにおいては、金木の声優の花江夏樹さんや神代利世の声優の花澤香菜さんにボイスをお願いすることができました。また、捕食をするときに人差し指をクラッキングするおなじみのポーズも見ることができるため、そういった細かなディテールをお楽しみいただきたいです。
[IMAGE]

数々のコラボを打ち出してきた日本作品への想い

――『東京喰種』を含め、『リング』や『サイレントヒル』、『バイオハザード』などの日本作品とコラボしてきましたが、とくに思い出深い作品は何ですか?

マシュー
 『リング』とのコラボで“浅川陽一”を、作品のクリエイターといっしょに作ったのは光栄でした。というのも、『リング』では登場人物が貞子に殺されてしまうので、サバイバーは幼児(浅川陽一)しかいなかったんです。ですが幼児を登場させて殺すわけにもいかないですよね……。ですので、成人まで成長した浅川陽一をクリエイターと話し合って作り上げました。
[IMAGE]
マシュー
 これまでコラボしたどの作品のクリエイターも、私自身が目指していた、インスピレーションとさせていただいていた方々でした。子どものころに夢中になってプレイしていたのは、その多くが日本のゲームでした。ですので、そのような方々と直接取り組む機会を与えられたのはとても光栄なことでした。

――多くの作品とコラボしてきた中で、重視しているポイントがあれば教えていただきたいです。

デイブ
 すべてのコラボで作品を深くリサーチして、ファンサービスをできるようにしています。細かなヒントをマップやキャラ、ストーリーの中に忍ばせておいて、実際にプレイしたファンの方が気づいて笑っていただけることが、我々にとっても大事な経験になっています。こういうふうにお話しすると、ホラーゲームを作っている開発者とは思えないかもしれないですが(笑)。
[IMAGE]
『Dead by Daylight』の顔とも言うべきマシュー・コート氏。

6年ぶりの来日で感じた日本コミュニティの情熱

――『Dead by Daylight』は日本でも根強い人気を誇っています。本作の日本コミュニティにはどのような印象をお持ちですか?

マシュー
 来日をしてこのようなインタビューを受けているというのが証明にもなっていると思いますが、日本のコミュニティというのは、本当に素晴らしいサポートをしてくださっています。先日のイベントでも、実際にお会いして直接日本のプレイヤーの情熱の波を感じることができました。

――来日は6年ぶりでしたよね。今回のコラボに合わせて来日されたのでしょうか。

マシュー
 何度も来日するタイミングを探していたのですが、折からのコロナ禍もあり、それが叶わないという状態が続いていました。今回のコラボが非常にタイムリーだったので、来日するいい理由になったと思います。

――私たちとしても実際にお会いできてうれしいです。6年ぶりの日本はどうでしょう?

マシュー
 「帰ってきたな」というふうに思います。前回の来日のときも美しい記憶がたくさんあったのですが、それがさらに昇華されました。

デイブ
 ゲームを提供しているすべての地域のプレイヤーをハッピーにできるように努力をしてきたのですが、日本のコンテンツは非常にリッチなものですので、とくに掘り下げてきたと思います。そういった中で来日することができてたいへんうれしく思っています。
[IMAGE]
デイブ・リチャード氏は今回が初来日になるとのこと。

アニバーサリーイベントを楽しみにしてほしい。9周年を迎える今後の展望

――もうすぐ9周年を迎える『Dead by Daylight』ですが、今後どのような展開をしていくのか、お話しいただける範囲で今後の展望を教えてください。

デイブ
 アニバーサリーイベントに関しては、たいへん楽しみにしていただけるのではないかと思っています。新しいチャプターが素晴らしいものになると自信を深めていまして、プレイしていて楽しいですし、とても怖いチャプターとなっていますので、期待していてください。

 また、9年間の中でさまざまなコンテンツが追加されて、新しい方がプレイするとなると複雑になっている要素もあるかと思います。ですので、つぎの取り組みとしては、新規のプレイヤーの方々にもわかりやすい形で、ゲームを改善していく予定でいます。

マシュー
 『東京喰種』コラボで、多方面の方々に驚いていただけたようでたいへんうれしく思っています。ハードルも期待値も上がっていると思いますので、今後皆さんをさらに驚かせるようなクリエイティブや、印象深いコラボレーションなどに取り組んでいかなければいけないと感じています。

――9周年に向けてQoLアップデート(ゲームの全般的な改善)に力を入れるとも発表されていました。リリースから数年経ったいま、その方針にいたった理由はどのようなところにあるのでしょうか?

デイブ
 次年度に向けて新時代を切り開いていくということで、QoLはその第一のステップとも言えると思います。バグなどの修正やバランス調整というのは、メンテナンスとして定期的に行わなければいけないものですが、最近はとくに注力しています。

マシュー
 『Dead by Daylight』もまもなく10周年ということで、長年プレイしているプレイヤーの方にとってもさまざまなご意見があると思うのですが、QoLの改善というのは継続的に行っていかなければならないと思っています。

――最後に日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

デイブ
 私自身は初来日となったのですが、日本のファンにお会いできて、温かく迎えてくださったことに感謝しております。モントリオールの本社にいる何100人のチームメイトを代表して、ゲームをプレイしてくださることに対しても感謝を伝えたいです。

マシュー
 先日行われたイベントで、数年前にクラウン(キラー)のスキンのコンセプトを作ってくれた方に会うことができました。その方は現在、さまざまなゲームやプロジェクトでコンセプトを担当しているとのことで、「チャンスを与えてくれてありがとう」と言っていただけて、私にとっても極めて印象的な出来事でした。今後もさらに成長していって、素晴らしいクリエイターと刺激的な取り組みができるように、がんばっていきたいと思います。
[IMAGE]
クラウンのスキンのコンセプトを作ったという観虐氏と撮影。当時は会社員のかたわらイラストを描いていたが、いまはイラストレーターとして活躍しているとのこと。
[IMAGE]
観虐氏がデザインした、ゾウさんスキンこと“ミスター・パドルズ”。
[IMAGE][IMAGE]
2025年3月12日に行われた“Dead by Daylight TADAIMA JAPAN”の模様から。『Dead by Daylight』ファンが詰めかけ、イベントは大いに盛り上がった。
この記事を共有

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

集計期間: 2025年04月25日11時〜2025年04月25日12時