カプコンより2025年5月16日にNintendo Switch、プレイステーション4(PS4)、Xbox One、PC(Steam)で発売予定の『カプコン ファイティング コレクション2』。
本作はカプコンの対戦ゲームを移植したコレクションタイトルだ。プロデューサーを務める松本脩平氏に、気になる質問を投げかけてみた。『ファイコレ』1作目に関する質問にもお答えいただいたので、格ゲー好きならぜひご一読を。
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松本脩平 氏(まつもと しゅうへい)
『カプコン ファイティング コレクション』シリーズプロデューサー。『ストリートファイター』シリーズのプロデューサーも務めている。
「自分たちが遊びたい」が大前提
――まず1作目である、『カプコン ファイティング コレクション』を発売することになった経緯を教えてください。
松本
カプコンは過去に、本当に多くのおもしろい対戦格闘ゲームをリリースしてきました。だからこそ、やはり現行機で遊べて、オンライン対戦もしたいですよね? と、我々は思っています。ずっとそう思っていた想いを、いよいよ実現させようと動き出したのが前作の経緯です。
――1作目はとくに『ヴァンパイア』シリーズがメインだったように感じましたが、どのような選定でタイトルを選んだのでしょうか。
松本
まさに「『ヴァンパイア』シリーズをメインに、現行機へ移植したいよね」というところからスタートしました。あとは、『ポケットファイター』と『スーパーパズルファイターIIX』を、どうしても移植したくて……(笑)。それと『ウォーザード』は、開発メンバーたちから「今回、初移植しようぜ!」と提案をもらい、移植することにしました。
――そこから今回の『カプコン ファイティング コレクション2』につながった経緯・理由などを教えてください。
松本
いっぱい現行機へ移植したいタイトルがありますから「そりゃ『2』もやらないとアカンよな」って思っていましたね。
――とくに『CAPCOM vs SNK』シリーズの移植には驚きました。もちろんSNKが絡んでいるからです。実現は難しかったですか? それとも、『ストリートファイター6』で『餓狼伝説』シリーズとのコラボコンテンツのおかげ、スムーズに進んだのでしょうか?
松本
『ストリートファイター6』で、テリーや舞が登場しているように、『CAPCOM vs SNK』シリーズの移植についても、スムーズなやりとりができました。こういったコレクションタイトルで、クロスオーバータイトルに含められる機会をいただけたことをたいへん感謝しています。
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『CAPCOM vs. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001』
――ラインアップを見て、今回は“NAOMIコレクション”(※)とも言える内容になっているな、と感じました。
※NAOMI……セガの開発したアーケードゲーム用システム・NAOMI基板のこと。ドリームキャストと互換性があり、当時カプコンのタイトルも多くリリースされた。松本
また、今回は1990年代後半から2000年代前半のタイトルを収録しています。まさに、今回はNAOMI基板を使用したゲームの移植を中心に、ラインアップしています。『CAPCOM vs SNK』シリーズや、『パワーストーン』シリーズ、そして『燃えろ!ジャスティス学園』など、いまでも根強い人気があるタイトルが気軽に遊べるようにしたかったためです。
――こちらの収録タイトルは、どのように選定したのでしょうか?
松本
まず「自分たちが現行機で遊びたい!」と思うタイトルをラインアップするのが大前提でした。そして、当時のアーケードゲームがそのまま遊べることと、マーケットを意識した時にどういったタイトルが求められているかを考慮してタイトルを採用しています。
『燃えろ!ジャスティス学園』や『スターグラディエイター2 ナイトメア オブ ビルシュタイン』は日本を含めたアジア圏のファンから、強い要望がありました。『パワーストーン』、『パワーストーン2』は、とくに北米や欧州で多くのリクエストがあった作品のため選定しています。
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『燃えろ!ジャスティス学園』
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『スターグラディエイター2 ナイトメア オブ ビルシュタイン』
――収録タイトルすべてに、3Dが使われていますよね。2Dタイトルの移植は比較的楽そうに見えますが、3Dを含んだタイトルとなると移植が難しそうに感じますが、いかがでしたか?
松本
当時のゲームの雰囲気を可能な限り再現することには、やはり注力しています。そして、当時はユーザビリティに優れていなかったところをどうやって補強するのかも、とても重視しています。レトロなゲームがいまなお遊んでも「おもしろい」と言ってもらえるように、当時のユーザーと同じ手触りで届けられるように調整しています。
――ブラウン管風にできるフィルタ機能やトレーニングモードなどが今回も導入されていますね。やはり前作でも好評な要素でしたか?
松本
コレクションタイトルで当時の状況を再現するためには、モニターのフィルタ機能は必須だと考えています。トレーニングモードも同様で、対戦格闘ゲームにはなくてはならない機能なので、入れること前提で制作しています。また、前作のアップデートで追加された“ヒットボックス(当たり判定)の表示”は、とくに評価が高かったので、対応タイトルでは今回最初から導入しています。
――『カプコン ファイティング コレクション』シリーズは対戦格闘ゲームをメインとしつつも、パズルゲーム、アクションゲームなどの作品も含まれているのがうれしいです。『カプコン ファイティング コレクション2』の場合、『パワーストーン』シリーズがそれに当たりますよね。
松本
前述の通り、マーケットを意識したことと、ファンからの要望に応えて今回収録しました。とくに『パワーストーン2』は、当時ではまだ珍しかったバトルロイヤルが楽しめるゲームです。いまであれば、オンライン対戦も含めて、さらに受けられるのではと思い選びました。
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『パワーストーン2』
――オンライン対戦をとても重視していると感じました。特別な設定を持ち込んでの対戦(強力すぎる隠しキャラクターの有無など)や、遊びたいタイトルを同時マッチングという、格ゲー5種競技のような遊びかたもできますが、オンラインプレイでの遊びの幅をなぜ持たせようと思ったのでしょうか。
松本
各タイトルはいまなお根強い人気があり、現在もゲームセンターなどで遊ばれていることはたいへんうれしいと思います。ただ、気軽に大会を開催するですとか、友だちどうしで遊ぶとなった場合、どうしても遊びにくいですよね。ゲームセンターに集まったり、過去のハードを揃える必要があったりと……。
現在はオンラインで対戦することが当たり前の時代になりました。今後も末永く遊んでもらうためにオンライン環境を整えることが、本シリーズの最優先事項だったんです。また、『ストリートファイター6』以降、ストリーマーの方々やライバーの皆さんが遊んでくれる機会も増えましたよね。オンライン対戦機能の充実はとても重要だと考えています。
――ここまでくると「すべてのタイトルで基板のバージョンも選びたい!」と思ってしまいましたが、さすがに技術・またはコスト的に難しでしょうか。
松本
『CAPCOM vs. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001』では、バージョンにより遊びかたが変わりますので、アーケード版と家庭用版である“EO版”に、バージョンを変更できる機能を入れています。
ただ、すべてのゲームでとなると、当時の基板が残っていなかったり、細かくバージョンアップが行われていて差分を調べるのが難しいものもあり、実現しにくいのが正直なところです。ですので、基本は多くのユーザーが遊んでくれていたバージョンを採用しています。
――『マーベル vs カプコン ファイティングコレクション』も含めて、ある程度目玉となるタイトルも出し尽くしたようにも感じますが、今後もアーケード系のコレクションタイトルを出したいと考えているのでしょうか?
松本
カプコンにはまだまだ対戦格闘ゲームがあり、現行機でも遊べないタイトルがいくつもあります。遊んでくれるプレイヤー皆さんの声を聞きながら、可能な限り、遊べる環境を提供していきたいと考えています。