2025年9月5日に発売予定のNintendo Switch、PC(Steam、DMM GAMES)向けゲーム『終天教団』は、DMM GAMESと『ダンガンロンパ』シリーズや『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』を手掛けた小高和剛氏率いるTookyo Gamesがタッグを組んだアドベンチャー。
4日後には再び死んでしまう主人公・下辺 零を操作して、自身を殺害した犯人を見つけ出すというミステリアスな物語に加え、ステルスアクションホラーやマルチ視点ザッピングノベルなど、本作1本で異なる5つのゲームシステムを楽しめる作品。現在は、主人公やふたりの天使などについての新たな情報も公開され、発売への期待がより一層高まっている。
本稿では、小高氏をはじめディレクターとシナリオを担当した中澤工(なかざわたくみ)氏、キャラクターデザインのしまどりる氏に加え、楽曲を手掛けたコンポーザー/アレンジャーの高田雅史(たかだまさふみ)氏、推理小説家の北山猛邦(きたやまたけくに)氏に実施したインタビューをお届け。
教祖殺害事件のトリックや、ゲームを彩る楽曲制作についてのお話をうかがった。
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小高和剛氏(コダカカズタカ)
トゥーキョーゲームスのディレクター/シナリオライター。ゲームの企画やシナリオ、小説やマンガの原作、アニメの監修など多岐にわたって活躍。代表作は『ダンガンロンパ』シリーズ、『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』など。(文中は小高)
中澤工氏(ナカザワタクミ)
トゥーキョーゲームスのディレクター/シナリオライター。代表作は『Ever17』、『ルートダブル』、『ワールズエンドクラブ』など。『終天教団』ではディレクターを担当し、シナリオも手掛けている。(文中は中澤)
しまどりる氏(シマドリル)
トゥーキョーゲームスのイラストレーター。TRPGの『レッドドラゴン』でデビューし、『トライブナイン』や『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』などの制作に携わる。(文中はしまどりる)
高田雅史氏(タカダマサフミ)
トゥーキョーゲームスのコンポーザー/アレンジャー。『ダンガンロンパ』シリーズや『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』など、小高氏の作品の楽曲を手掛ける。(文中は高田)
北山猛邦氏(キタヤマタケクニ)
推理小説家。2002年に『「クロック城」殺人事件』で、第24回メフィスト賞を授賞して作家デビュー。物理トリックに強いこだわりを見せることから、“物理の北山”のふたつ名で呼ばれる。『ダンガンロンパ霧切』も手掛ける。(文中は北山)
※本稿は、週刊ファミ通2025年9月11日号(No.1912/2025年8月28日発売)で掲載されたインタビューになります。法務省ルートを中心に核となる教祖殺害事件のトリックも考案
──北山さんが開発に参加した時期や、担当したパートを教えてください。
北山
初期プロットの段階から関わっています。小高さんたちが考えた世界観の設定をベースに、教祖殺人事件の構想、つまり「どういう事件が起きて、どう解決されるのか」という部分を組み込み、初期プロットを完成させました。そこからしばらく時間が空いて、「あの件はどうなったかな」と思っていたころに、「そろそろ形にしよう」という話になりました。
その段階ではすでに各ルートのパート分けが始まっていて、プロット制作にもある程度関わっています。とくに法務省のルートは、もともとミステリー調のパートにしたいということで、私がプロットを丸ごと考えてシナリオを執筆しました。さらに言えば、プロローグやエピローグなど、全体のシナリオもある程度は私が書いています。
逆に保健省と文部省については、全体に関わる部分は知っていますが、ゲームとしてどのようなシステムになっているのかはまったくわからないのでプレイするのが楽しみです。
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法務省のルートでは北山氏らしいトリックが展開される。
──各ルートに入れる情報の振り分けは、小高さんや中澤さんが決められたのですか?
中澤
小高が仕込んでいましたね。
小高
物語の軸となる教祖殺人事件の大元には、オムニバス形式でやりたいトリックがありました。そのために教祖の事件をバラバラ殺人にしたい。では、どうやってその事件を解決させるのか、という大事なパートを北山さんにお願いすることにしました。そして、「このルートでこの手がかりを出す」というのを散りばめたうえで、各ルートの担当者に「この要素は絶対に入れてくれ」という課題として出し、教団全体の謎もそれぞれに散りばめる、というやりかたで進めています。
北山
小高さんに「死体をバラバラにしたい」というオーダーをいただいたので、バラバラのパーツに何かしらの意味を持たせる形で、各ルートに振り分けました。
中澤
すべての死体に教祖殺人事件の手がかりが隠されています。教団幹部に会いに行くと、死体を調査して手がかりを入手したり、教団幹部しか知らない供述を聞けたりして、それらを組み合わせることで事件の全貌が明らかになる、という構成になっています。
──トリックの考えかたを教えてください。
北山
まずふだんのトリックの作りかたをお話しすると、日常的にいろいろなものを見てトリックに使えないかなと考えています。そして、いざバラバラ殺人のトリックを作ろうとなったら、ああでもないこうでもないと、ノートに死体の図を描きながら一生懸命トリックのアイデアやネタをまとめていきます。
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ノートには絵でトリックが描かれている。
──北山さんは、ノートに書くというアナログな方法でトリックを考えているのですね。
北山
そのほうがわかりやすいですし、実際に描いて確認しないといろいろと齟齬が出てしまうので。決して絵はうまくないですが、図を描いて整理しています。以前は自分さえわかればよかったのですが、小高さんたちと仕事をするようになってからは、誰が見てもわかるように描くようになりました。
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小高
北山さんのトリックは物理的なものが多いので、ゲームにしやすいです。物理トリックがメインだとキャラクターはどうとでも作れるというか、無茶な言い訳もキャラクター性で押し通すことができるので。
北山
ゲームだと作品の世界観が無茶をしても許される前提にあることが多いですしね。とくに本作は、ほかの作品ではやらないことをやるという趣旨だったので、リミッターを外してかなり派手なトリックを考えました。
──バラバラ殺人のトリックを考えるにあたって、とくに苦労したことはありましたか?
小高
それで言うとバラバラ殺人は、そもそもゲームで扱うのが難しい。『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』でもバラバラ殺人をやりたかったのですが、できなかったので犠牲となるキャラクターをロボットにした、という経緯があって。本作は、当初インディーゲームの企画としてプロットを作っていたので、深く考えずに宗教をテーマにバラバラ殺人事件が起きるくらいのノリでスタートしました。
中澤
たしかに、コンシューマーを意識していなくて、何でもありという感じでしたね。
小高
バラバラ殺人は基本的にゲームではできないから、「だからこそやろう」って。
中澤
たいていは、プラットフォーム側からダメ出しを食らうんですよ。
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──でも、本作では実現できていますよね?
小高
DMM GAMESなら、バラバラ殺人を扱っても許してくれるかなって(笑)。
一同 (笑)。
小高
それにバラバラ殺人でも、大丈夫そうな言い訳を考えることができたので。もう少しごまかさないといけないかなと思っていましたが、大丈夫だったのは意外でした。
中澤
でも、プラットフォーム側からダメ出しがきたらしいです。それをDMM GAMESさんがゴリ押ししてくれたみたいです。
──ギリギリのところで実現できたと。
小高
本作はバラバラ殺人を扱った、かなり珍しいコンシューマーゲームだと思います。
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横溝正史の『犬神家の一族』をオマージュした法務省ルート
──北山さんが各省のプロットにある程度関わっていたときは、5つのルートのジャンルは決まっていたのですか?
北山
ジャンルは決まっていて、シナリオとシステムがお互いに干渉し合うように開発を進めていましたが、途中で違うジャンルになるという話が持ち上がりましたよね?
中澤
5つのルートで全部違うアドベンチャーをやるここと、ジャンルがふんわりと決まっていて、具体的な内容は徐々に詰めていきました。ただ、科学省だけは大きく変わりましたね。当初は“脱出ゲーム”で考えていたのですが、保健省のデスゲームとやることがほぼ同じになってしまう。どうしようかといろいろ案を出した結果、ほかのルートでやっていなかったサウンドノベルに決まりました。
──北山さんが担当された法務省ルートは、どのようなシナリオが展開されるのですか?
北山
最初からオーソドックスなミステリーをやろうという考えはありました。そこに和風にしたいというアイデアが出たのですが、私が言ったのか、それとも別の誰かが言ったのかは記憶が定かではなくて……。
中澤
北山さんが「横溝正史っぽくしたい」とおっしゃって、「たしかにそういう和風のミステリーって、ゲームにはあまりないね」という話になったのを覚えています。
北山
ああ、そうでした。今回はわかりやすく、横溝正史作品のオマージュとして、遺産相続を巡る殺人事件にしました。
中澤
展開はオーソドックスです。島に閉じ込められて、事件を解決しないと出られない。
──なるほど。横溝正史っぽくしたい、というのは、何か意図があったのでしょうか?
北山
私がいちばんやりたかったのは、まさに遺産相続です。遺産を巡る面々がずらっと並んでいる。まさに『犬神家の一族』のワンシーンを本作でやりたいというのがいちばん大きかったかなと。なぜやろうとしたのかは、自分でもよくわかりませんが(苦笑)。
──法務省ルートに登場する幹部の名字は“犬神”ですが、由来は『犬神家の一族』?
北山
はい。当初は法務省の幹部といった仮の名前でプロットを考えていましたが、横溝正史で遺産相続を巡る事件にすることが決まってから、名字が“犬神”に決まりました。
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終天教国随一の名家“九々里家”の面々が住む巨大な屋敷。遺産を巡って殺人事件が起きる。
法務省ルートのシナリオだけでも文字数は約37万文字以上に!
──法務省ルートは、文字数がすごいボリュ ームになったと事前に伺っています。
北山
改めてデータを確認してみたところ、法務省ルートのシナリオは約14万文字でした。なので、完成したシナリオはもっと増えているのではないかと思います。
中澤
北山さんからいただいたシナリオに、捜査や会議パートなどのインゲームのテキストや、犬神の因縁にまつわるエピソードを僕が書き加えた結果、法務省ルートのシナリオは約37万文字くらいに増えています。
北山
14万文字は原稿用紙換算で350枚なので、ふつうの長編小説1冊分です。私が書いた時点で単行本1冊分はあったのに、そこからさらに増えていると聞いて、ちょっと驚きました。しかもこのボリュームで、5つあるうちのひとつのルートにすぎないという。
小高
すごいのですが、『ハンドレッドライン』(100のルート分岐が用意されており、その文字数は600万字に及ぶという)で感覚が麻痺しちゃっているからなあ(苦笑)。
一同 (笑)。
──本作もかなりの文量になりそうですね。犬神は合法ドラックに依存しているなど、教団の幹部たちは曲者揃いですが、キャラクター作りで意識したことは?
北山
教団幹部たちのキャラクター設定は、最初からある程度決まっていました。いただいた資料に箇条書き程度のキャラクター設定がまとめてあって、それをもとにプロローグの段階で脚色してキャラクターを作り、各ルートの担当者に渡してふくらませてもらう形で進めたと記憶しています。
小高
犬神の合法ドラックに依存しているという設定は、シャーロック・ホームズをイメージして考えました。でも、僕が提案した犬神の設定はその程度だったと思います。
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──小高さんたちが考えた設定をベースに、北山さんがプロローグで幹部たちの土台を作ったんですね。しまどりるさんがキャラクターデザインを考えるときは、幹部たちのキャラクターはある程度固まっていましたか?
小高
固まっていたよね? 少なくともプロットはできていたはず。
北山
私がプロローグを描き始めた段階で、わりと現状に近いキャラクターのデザインはできていたと思います。
──では、初期のデザインと大きく変わったキャラクターは?
しまどりる
けっこういますよ(笑)。法務省ルートだと、犬神も変わりました。
中澤
犬神は初期と色味がぜんぜん違うよね。
しまどりる
当初はもっと派手だったんですが、色味を抑えていまの姿になりました。
北山
しまどりるさんのイラストを見て、犬神が白色のスーツを着ていたので、“白亜の調停者”という異名を付けた気がします。
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犬神軋(いぬがみきしる)
中澤
逆に丑寅は派手になったよね。医者なのに、白衣ではなく和風の服になって。
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丑寅幽玄(うしとらゆうげん)
しまどりる
そうでしたね。でも、いちばん大きく変わったのは零でした。男性のつもりでデザインを考えていたところ、途中で「女性になった」と言われて(苦笑)。
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下辺零(しもべれい)
中澤
零はもともと女性だったのですが、当初は性別を隠してストーリーを進めるつもりでした。でも、女性だと明かすことになり、しまどりるにお願いして見た目からでも女性だとわかるデザインに変えてもらいました。
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ボーイッシュでありながら女性らしさも感じられるキャラデザの下辺 零。
5つのジャンルと宗教の音楽で過去いちばんの収録数を記録
──高田さんが本作の音楽を作曲するにあたって、どのようなオーダーがありましたか?
高田
最初に聞いたのは、「さまざまなジャンルのアドベンチャーゲームを一本にまとめる」こと。テーマは宗教であることのふたつです。宗教と聞いた時点で、「これはたいへんな依頼が来たな」と思いましたが(苦笑)、特定の宗教ではなく土着的なものでもないと聞いて少しほっとしました。それなら、こちら側で作り上げられる範囲のものなので。
小高
当初の計画通り、インディーで制作していたらもっと攻めていたかもしれません。それこそ実在したカルト宗教を彷彿させるような楽曲を頼んでいた可能性もありますが、コンシューマーになったので、アクセルを全開で踏むのはやめました(苦笑)。
──過激な楽曲になっていた可能性もあった中で、結果的には5つのジャンルに合わせたものと、終天教団全体のテーマのようなものを作られたと。
高田
そうですね。念頭に置いていたのは、終天教という文化を全体で感じられるようにすること。そしてBGMとして作る曲と、物語に沿ったキャラクター性のある曲とで明確に分けようと考えたことでした。背景で流れているだけでいいBGMは、あえて耳に残らないように空気感を大切にしています。それ以外の曲は、各ジャンルで同じモチーフを使いながらも、終天教国という生活の場の空気を感じられるように、統一感が出せたらいいなと思って作りました。
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──5つのジャンルで楽曲を作り分けるのはたいへんだったと思いますが……。
高田
『ハンドレッドライン』とスケジュールがかぶっていてタイトだったこともあり、先行してスクリプトを作成することになりました。幸いにも、5つのジャンルの曲は過去に作ったことがあったので、スクリプトには既存の曲を当てはめてもらうことができました。
実際に作曲するときは、過去の経験を思い浮かべながら、新たに宗教というテーマを乗せていくという感じで制作できたので、そのぶん作業は進めやすかったと思います。
──過去の経験がすごく活きたのですね。曲数はどれくらいになったのですか?
中澤
過去イチで多かったですよね?
高田
そうそう。『ダンガンロンパ』シリーズや『ハンドレッドライン』も多かったのですが、どちらもいろんなアレンジ曲を作るパターンで増えていきました。でも今回は、ジャンルが5つあったので、一度にゲーム5本分の楽曲を作っているような感覚でしたね(苦笑)。
中澤
本作には、このルートのこのシーンでしか使わないという専用曲が多くて……。
高田
後から聞いて、「1回しか流れないの!?」というのはありました。ほかに日常で流れるBGMを作るにしても、本作では5つの異なる日常の曲が必要になります。これまでの作品では、一曲でその世界の表現できましたが、本作は終天教国という世界で、5つの異なる日常を描く必要があったので。
中澤
ルートごとに舞台がガラリと変わるので、日常のBGMもすべて違います。
高田
ルートごとにテンポが異なるので、いちばん意識したのは遊んでいて違和感が起きないようにすることでした。とにかくミニゲーム集のような雰囲気になってしまうのを避けたくて、舞台は変わっても同じ国で暮らしている感覚を大事にして、統一感を持たせつつ別の曲を作ることを目指しました。
──作曲の作業は、ルートごとに進めてひとつずつ終わらせていったのでしょうか?
高田
いえ、並行して進めました。マイルストーンごとに「今回はこれが必要だ」という曲が出てくるので、それらを優先的に作曲し、あとはひたすら足りない曲を作りましたね。
中澤
高田には使用頻度が高い曲や、急ぎで画面を作らなければいけない曲から作ってもらい、後から演出用の曲を仕上げてもらっています。曲作りはいろいろなルートを行ったり来たりしながら進めてもらいました。
──異なるジャンルの曲を並行して作曲するのもたいへんだったのではないでしょうか?
高田
じつはそうでもなくて。逆にバラバラに作ったほうがネタは尽きないんですよ。それに恋愛の曲を作った後にホラーの曲を作ったりすると頭のストレッチにもなるので、バラバラのほうが作りやすかったですね。
──本作は宗教がテーマということで、ふだん使わない楽器や音色を使いましたか?
高田
終天教団ならではの宗教というジャンル自体を作りたかった、という思いはありました。それでどの宗教にも属さない、この作品独自の宗教にしたかったので、僕がイメージする「終天教団はこんな感じだろう」という音色を求めて作曲しています。
また、零が神の力を使うときなどは、声を入れるなどして少し民族音楽のような感じにしました。
小高
『ダンガンロンパ』シリーズや『レインコード』にはポップな面がありましたが、本作にはそれがない。ある意味で、昔の高田のサウンドにいちばん近い気がしました。ちょっとクールで、おふざけのポップさが削ぎ落とされた、ソリッドなイメージです。
中澤
零がつねに追い詰められていたり、わけのわからない状況に置かれたりするので、和やかなシーンがほぼないんですよね。
小高
ふざけてもいないし、下ネタもない。
一同 (笑)。
高田
零はすごく真面目なので、その雰囲気で全体の楽曲を作ったところはありますね。
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──高田さんのファンは注目ですね。最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
小高
本作はミステリーとしてすごくよくできていますし、プレイし終わるとこの作品ならではの感動や感情が生まれると思うので、ぜひクリアーしてください。アドベンチャーが好きな人はもちろん、遊んだことがない人の入門編としてもピッタリです。人気が出れば2作目、3作目と続けていきたいですね!
中澤
プレイしたルートの順番によって、感想が大きく変わると思います。クリアーした人どうしで、ぜひ感想を話し合ってほしいですね。交流することによって、作品への印象が変わってますます楽しくなるはずです。
しまどりる
本作もたくさんの情報量が詰め込まれたボリュームのある作品です。発売後はすみずみまでプレイして、じっくり遊び尽くしてもらえるとうれしいです。
北山
5つのジャンルのゲームを楽しめますが、作品の核にあるのは「教祖殺害事件の犯人は誰か」という部分です。そこがしっかり楽しめる形になっていますので、零といっしょに犯人当てに挑んでほしいなと思います。
高田
取材を受ける前日、僕も『終天教団』をクリアーしたのですが、体験してよかったなと心から思いました。『ハンドレッドライン』とはまた違ういい思い出ができたので、ぜひ皆さんも体験してください。

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