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『マーベルVSカプコン ファイコレ』先行レビュー。懐かしさ&ワンボタン瞬獄殺も可能な追加機能がうれしい。7作品中3作品プレイでわかった丁寧な移植度にテンション上がる

by西川くん

更新
『マーベルVSカプコン ファイコレ』先行レビュー。懐かしさ&ワンボタン瞬獄殺も可能な追加機能がうれしい。7作品中3作品プレイでわかった丁寧な移植度にテンション上がる
 マーベルとカプコンがタッグを組んだ過去タイトルを、7作品収録したコレクションタイトル『マーベル VS カプコン ファイティングコレクション アーケードクラシックス』。発売日は2024年予定で、対応ハードはNintendo Switch、プレイステーション4(PS4)、PC(Steam)。

 本作は
『X-MEN』『アベンジャーズ』などで知られるマーベルのキャラクターたちが、カプコンのキャラクターたちと激闘をくり広げる対戦格闘ゲームシリーズと、国内初移植となるベルトアクション『パニッシャー』を収録。そのほかの収録タイトルは以下の通り。
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  • 『エックス・メン チルドレン オブ ジ アトム』
  • 『マーヴル・スーパーヒーローズ』
  • 『エックスメン バーサス ストリートファイター』
  • 『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』
  • 『マーヴル バーサス カプコン クラッシュ オブ スーパーヒーローズ』
  • 『マーヴル バーサス カプコン ツー ニューエイジ オブ ヒーローズ』
  • 『パニッシャー』
 本稿では、メディア向け試遊会での感触をお届け。なお、試遊したタイトルは7作品中3タイトルに絞られている。
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充実の追加機能!

 全タイトル共通で、数々の追加機能に対応。オンラインプレイにも対応し、ネットコード(オンライン対戦中の通信を同期させる仕組み)は昨今人気のロールバック方式を採用している。カジュアルマッチやランクマッチなど、ひと通りのネット対戦モードが用意されているとのこと(『パニッシャー』はオンライン共闘)。
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コレクションメニュー用の言語設定は非常に豊富。
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オンライン対戦の乱入音なども変更できるようだ。
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ネットワークの入力遅延なども設定できた。

トレーニングモード

 タイトル選択画面からトレーニングモードを立ち上げることができ、どのタイトルも自由に練習が可能。ダミーの行動設定や、状況変更などトレーニングモードに必要な要素は基本的に揃っている。

 注目はヒットボックス(当たり判定)を表示できること。攻撃判定や食らい判定などが閲覧できるので、対戦格闘ゲームファンには地味ながらにたまらない要素。
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 ただ、トレーニングメニューが、ポーズメニュー画面→トレーニングメニューと逐一アクセスする必要があるため、若干扱いにくい面もある。そこはコレクションタイトルゆえに仕方ないのかとも感じた。
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クイックセーブ

 ポーズメニューからセーブ&ロードが可能で、おもにシングルプレイ時の攻略に役立てられる。「勝てる自信がないからセーブしておこう」など保険に使えるが、とはいえ本作は無限にコンティニューできるため、さほど使わない機能かも。

 セーブ枠は各タイトル1個のみ。
『パニッシャー』の攻略に役立てたり、“ラスボスといつでも戦えるようにしておきたい”など、工夫した使いかたになりそうだ。
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ワンボタン必殺技

 ボタンコンフィグで“必殺技”、“ハイパーコンボ”の割り当てがあり、方向キー+各ボタンで、必殺技と超必殺技をくり出せる。

 操作感は『ストリートファイター6』の“モダンタイプ操作”とほぼ同じで、ボタンの強弱は付けられないが、誰でも簡単に必殺技も超必殺技もくり出せるのが魅力。細かい点で違うのは、必殺技ボタンは厳密に言うとコマンド入力を自動で完成させてくれる作り。もちろん、コンボなどにもしっかり組み込める。

 さらにユニークなのは、ボタン設定で“特定の必殺技の弱中強を決めて設定”も可能という点。ほかのキャラクターの技まで設定できてしまうので若干の使いにくさはあるものの、“特定の技だけは難しいからワンボタンにしたい”みたいな運用もできる。対戦でも活用できそうな機能だ。
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画面フィルター

 ゲーム画面の背景を各タイトル3枚ずつ専用に用意されており、壁紙なしにも設定可能。また、画面にフィルターをかけることができ、当時のブラウン管モニターのようなイメージで遊べるようになっている。また、ドット絵にぼかしを掛けて滑らかにみせる“スムース処理”のフィルターもアリ。

 筆者としてはクッキリドットが好きなので本記事ではフィルターなしでお届けしているが、フィルターは大量にあるので、好みによって使い分けるといいだろう。
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フィルターは全9種(フィルターなし含む)。

技リスト

 もともと、ゲームセンターで稼動していたころは、各キャラクターの技コマンドはゲーム中では確認できなかった。しかし、本作ではキャラクターの技リストが追加されている。アーケード筐体に貼られていたインストラクションカードよりも詳しいリストになっていてありがたい。当時は格ゲー雑誌の誌面などで詳しい技リストを見て、覚えてはゲーセンで練習したものだったなあとしみじみ。
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 ちなみに、当時のインストラクションカードもすべて収録されている。海外版も収録されているのがうれしいポイント。
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隠しキャラクターの簡易解放

 タイトルごとに隠しキャラクターが存在しており、基本は特定のコマンド入力によって解放できる。簡易設定にしておくと、“キャラクターセレクトの上部にカーソルを動かす”や、“何もしなくても最初から解放されている”など、ゲームごとに隠しキャラクターが使いやすくなっている。

 設定ではオフにすることもできるほか、“一部の隠しキャラクターだけは使用不可にする”などの項目もあった。
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ミュージアム

 各タイトルのイラストやポスターなどを閲覧できるモード。各キャラクターの立ち絵や海外版専用のイラストなども、たっぷりと楽しめるようだ。
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ファイターズアワード

 試遊では体験できなかったが、ゲーム内で完結している実績・トロフィー機能。やり込み要素のひとつになっている。

3タイトルを先行試遊

 今回試遊した3タイトルをご紹介。基本的にアーケード版からの変更点はとくになく、すべて最終バージョンを使用しているようだ。筆者としてはバージョン選択もあれば、より“ハチャメチャな部分”が楽しめたので採用してほしかったが、そこは高望みだろう。

『エックス・メン チルドレン オブ ジ アトム』

 マーベルの代表的ヒーローコミック『X-MEN』を題材にした対戦格闘ゲーム。最新実写映画の主役でもあるウルヴァリンなどの代表的ヒーローとヴィランが1対1で激突する。

 当時は大型のビームや大ジャンプなど、ド派手な演出で度肝を抜いたものだが、いま見るとなかなかにストイックな作り。コンボを叩き込むことがゲームのメインでもないので、案外どっしりとした立ち回りが求められたりする。
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 本作のみの要素は多数存在するが、“ダウン状態でも攻撃を食らうので、ダウンが危険”というのは、2D対戦格闘ゲームでもあまり見られない仕様。

 隠しキャラクターは、『ストリートファイター』シリーズからのゲスト参戦である豪鬼。隠しコマンドが難しく、アーケード版のときは“失敗したら豪鬼ではなくシルバーサムライを使うことになる”といったリスクがあったが、本作ではカーソルを上に動かすだけで使用できるのでご安心を。

 家庭用ハード版では、対戦モードのみで使用できたキャラクターだった。アーケードモードで使えるのは地味だが初となる、うれしい追加要素だ。
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画面写真には映っていないのだが、サイクロップスの上を入力するとジャガーノート、ウルヴァリンの上が豪鬼、オメガレッドの上がマグニートーとなっていた。

『エックスメン バーサス ストリートファイター』

 『X-MEN』のキャラクターたちが、『ストリートファイター』シリーズのキャラクターと入り乱れて戦う、2on2の対戦格闘ゲーム。まさかの夢のクロスオーバーが実現したほか、それまで日本ではややマイナーだった『X-MEN』のキャラクターたちを、ここで初めて知ったという人も少なくないだろう。

 初のタッグバトルながらに、初代にしてシリーズの路線を決定付けたと言っても過言ではない。打ち上げ技を当てると、自動で空中コンボに移行できる“エリアルレイヴ”や、スピーディーに動き回りながらコンボを狙うゲーム性など、その後のゲーム性の土台となるような作品。
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 リュウがまるでビームのような太さで放つ真空波動拳、それに負けじと画面全体を覆うほどのサイクロップスのメガオプティックブラストなど、当時としては超ド派手な演出も見どころで、令和の現在においてもキャラクターを動かしているだけでも気持ちがいい。
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静止画だと半分になってしまうが、上下を交互に連続表示することで、半透明の巨大なビームを表現する工夫がニクかった。
 本作には永久コンボが多数存在し、対戦でも永久コンボが飛び交うことは、もはや当たり前みたいなゲーム。復刻された本作でもそこの“ハチャメチャ”な部分はしっかり残っているので、ある意味ファンとしてはひと安心。

 本作にはトレーニングモードがあるため、あのときできなかった永久コンボを延々と練習できたりもする。コンボをしているだけでも楽しいゲームなので、トレーニングモードに籠るのもオススメだ。
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『マーヴル バーサス カプコン ツー ニューエイジ オブ ヒーローズ』

 前作である『マーヴル バーサス カプコン クラッシュ オブ スーパーヒーローズ』より、『X-MEN』を超えて『アイアンマン』『スパイダーマン』などのマーベルのキャラクターと、『ストリートファイター』のみならず『ストライダー飛竜』や『ロックマン』などさまざまなカプコンキャラクターが入り乱れるタイトルになった。
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 その最終形態とも言えるのが本作で、バトルはついに3on3のバトルを実現。キャラクター数は隠しキャラクターも含めて、50人以上を超えるほどのボリューム。3人がつぎつぎのハイパーコンボをくり出す“ディレイドハイパーコンボ”など、超ド派手なバトルがくり広げられた。

 マーベルキャラクターはこれまでの集大成といった感じで、ケーブルなどは初参戦。カプコンからは『ソンソン』のソンソンや『バイオハザード』のジルなどが参戦し、当時のプレイヤーを驚かせた。
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 とくに海外では根強い人気があり、いまも大会が開催されているほど。プレイステーション3とXbox360の時代に一度移植されているとはいえ、現行ハードとPCへの移植に喜ぶファンも多いのでは?

神コレクションとなるか!?

 コレクションタイトル系は“ただタイトルを遊べるようにした”程度で済ますタイプがあるが、今回遊んだ3タイトルだけでも丁寧に移植されていることがわかるし、かつ“本作ならではの要素”で拡張されているため、シリーズファンも大満足のはず。トレーニングモードのみならず、ワンボタン必殺技にも対応しているのは非常に今風。

 発売時期は2024年予定ということで、製品版を手にする日はそう遠くないと思われる。正確な発売日の発表が待たれるところだ。
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