【ロマンシング★嵯峨】のおすすめゲーム
『Sea of Stars』
- 対応ハード:Switch、PS5、PS4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC
- 発売日:2023年8月29日発売、Switchパッケージ版2023年12月7日発売(Switchダウンロード版は2023年8月30日発売)
- メーカー:Sabotage Studio(Switchパッケージ版のみ架け橋ゲームズが発売)
- 価格:PS5、PS4版4070円[税込](ゲームカタログ対応)、Xbox SeriesX|S、Xbox One、PC(Microsoft Store)のダウンロード版4000円[税込](Xbox Game Pass/PC Game Pass対応)、PC(Steam版)4000円[税込]、Switchパッケージ版5980円[税込](ダウンロード版4400円[税込])
- 『Sea of Stars』公式サイト
- JPRGのお約束を取り入れつつも、ときに予想を裏切る展開
- モダンな演出を取り入れたドット絵の美しさ
- アクション性や戦略性が調和したコマンドバトル
「こういうRPGが好きだ!!」という愛の叫びが聞こえる
- 複数の仲間との出会いと別れ
- 地図上にはないフィールドが拓けたときの興奮
- ギミックがわかると気持ちがいいダンジョン
- コミカルとシリアスの塩梅がちょうどいいイベント
- 見とれるほどに細かく描写されたドット絵の背景
- 画面の半分を埋め尽くすほど巨大なボス
時代が進み、技術が進化し、開発費が高騰しているいま、これらの要素を楽しめるRPGは少なくなってきた。
- コストがかかるので、仲間の人数を少なくせざるを得ない
- キャラクターを高い頭身で表現すると、コミカルな表現が合わない
- リアル寄りのグラフィックにすると、ボスのけれん味がなくなる
- ドット絵が打てない
そんな現代の中で、「ごちゃごちゃうるせえ! 俺たちは、ああいう体験をいまでも楽しみたいんじゃ!!」という愛を、情熱をもって形にしたのが『Sea of Stars』だと、私は思っている(勝手に)。
ゲーム全編から、“あのころのRPG”への愛がほとばしっていて、プレイしていてすがすがしい気持ちになるほどだ。
そして本作には、愛のほかにもうひとつ、「すがすがしいなあ」と感じるものがある。開発者の“自由さ”だ。
ネタバレになるため、曖昧な表現しかできないが、本編の終盤には、なかなかに驚きの……というか、ややツッコミ甲斐のある仕様が待っている。もし本作が大手メーカーの大作RPGだったら、「いやいや、さすがに止めとかない? 統一感が……」と、会議でボツになりそうな仕様で、実際、賛否両論はある。
また、クリアー後のやり込みを極めると、とあるオマケ要素が解禁されるが、いまどきの大手メーカーのゲームであれば「いやいや、さすがに止めとかない? 世界観が……」となりそうな要素だ。
しかし、画面全体から「これがやりたかったんだ!」という情熱が伝わってきたので、私はとてもすがすがしい気持ちになった。
“自分が好きだったものを、現代向けに作る”というインディークリエイターはたくさんいると思うが、これほどの質とボリューム(クリアーまでは30時間ほど)で、愛を自由に詰め込んだインディーRPGはなかなかないと思う。
なお、本作を手掛けたSabotage Studioの前作『The Messenger』は本作以上に自由さが際立つ一品。クリエイターの思い切りのよさを楽しみたい人はぜひ。