2024年10月31日にNintendo Switch、プレイステーション5(PS5)、プレイステーション4(PS4)、Xbox Series X|S、PC(Steam)で発売される『クロックタワー・リワインド』(※)。
※パッケージ版はSUPERDELUXE GAMES、ダウンロード版はサンソフト、Xbox Series X|S版、PC(Steam)版はWayforward、Limitedrungamesより発売
本作は1995年にスーパーファミコンにて発売されたホラーアドベンチャー『クロックタワー』をベースに、さまざまな特典や追加・変更点を加えたタイトルだ。
本稿では、製品版をひと足早く遊んで感じたことを綴っていく。ごく一部のホラー要素については変更点もあるがゆえにいくつか紹介しているため、気になる人はご注意を。
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ハサミの音から、逃げるしかない
舞台となるのは謎の殺人鬼“シザーマン”の住まう洋館。プレイヤーは少女・ジェニファーに指示を出しながら、シザーマンから逃げつつ友人たちを探しだしたり、洋館に眠る謎を解き明かしていく。
ゲームはポイントクリック式のアドベンチャーゲームで、移動したり気になる場所を調べながら物語を進めていく。マルチエンディング方式のため、エンディングはバッドエンディングも含めて複数存在。くり返し遊びながら、ベストエンディングを目指すのが楽しみかたの基本だ。
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ホラーゲームは1990年代も数多く存在したが、その多くが敵と戦うゲームがほとんどだった。そんななかリリースされた『クロックタワー』は、“非力な女の子がゆえに殺人鬼から逃げるしかない”といった作り。脅威への対抗手段がほとんどないことから生まれる恐怖感が当時としても斬新で、いまなお根強い人気を誇る伝説的作品と言える。
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難しい謎解き要素はないが、周回プレイ用のランダム要素がいくつか存在し、どのルートを辿って探索するのかといった、アドベンチャーゲームとしての探索が重要になってくる。
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そんな『クロックタワー』に、現代的なアレンジをいくつか加えたのが『クロックタワー・リワインド』。グラフィックはスーパーファミコン当時のものがベースで、一部ゲーム部分に手を加えた程度。リマスター作品と言えるほどではなく、レトロさを強調した感じ。
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豊富なボーナスコンテンツ
旧作との違いを語る前に、スペシャルコンテンツをご紹介。まず、Wayforward製のアニメ調の導入ムービー(本作用のオープニング的なもの)が採用された。実際のゲーム中はリアルな劇画調に描かれているため「かわいらしすぎない?」とは思わなくもないが、こういった絵柄で『クロックタワー』が描かれることはこれまでなかったので、ある意味見どころにはなっていると思う。
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また、当時の冊子などをもとに製作されたモーションコミックも収録。こちらはゲームの進行に合わせて解除される解放要素となっている。1点気になったのは、解放したときに表示されるダイアログがゲームの邪魔になっていたこと。ふつうに襲われている最中にゲーム画面を遮ってくので、もう少し控えめに表示してほしかったところ。
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ほかにも、当時ディレクターを務めていた河野一二三氏へのインタビュー映像が収録されており、項目ごとに再生できる。一気に観てもいいし、少しずつ観るのもいいだろう。
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さらに、当時のパッケージやマニュアルなども収録。スーパーファミコン版(SFC版)と、プレイステーション移植版(PS版)の『クロックタワー ~ザ・ファースト・フィアー~』のものが用意されている。
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マニアックな要素として、販売促進用のデモゲーム版も収録されている。こちらはゲームのオープニングと一部シーンを切り取った形で体験できるもの。具体的に目新しい体験ができるわけでは(ほぼ)ないが、移植タイトルとしてもなかなかに珍しい試み。
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BGMプレイヤーも存在する。
本作ならではの機能
本編はゲームスタート時に、変更点のある“リワインド版”と、スーパーファミコン版の移植にあたる“オリジナル版”が選択できる。原作に忠実なものを遊びたい人はオリジナル版を選ぼう。いずれのモードでも本作ならではの追加機能に対応しており、たとえオリジナル版でも使用できる。
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ゲーム画面はアスペクト比を無視した16:9のものにしたり、解像度を極力落とさない表示や、4:3のフルサイズなどさまざまな表示に調整可能。4:3にした場合は横に空白が生じるが、背景画像を設定にして賑やかにしてもいい。また、画面自体にブラウン管のようなフィルターを掛ける機能もある。
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操作はカーソルを動かし、調べるボタンなどを押して進めていくのだが、些細な部分ではあるが全体的に操作性が増した印象(具体的には原作よりもカーソルが動かしやすいと感じた)。なお、PC版ではマウス操作にも対応しているが、マウスセンシが高めかつ変更できず、コントローラー操作のほうがしっくり来た。
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任意セーブに対応
ゲーム部分では、まず手動セーブが可能になった。原作は部屋に入るたびにオートセーブの仕様で、やり直しなどはさせてくれない、ある意味ホラー的な要素を狙った硬派な仕様だった。本作ではオートセーブはそのままに、任意セーブにも対応。
セーブスロットは3つあるが、これは3つの場所にセーブできるわけではなく、プレイヤーのプロファイルになっている。そのため、任意セーブはゲーム中1スロットのみ。任意セーブはPS版と少しだけ同じ仕様だが、オートセーブ&任意セーブの2種に対応しているのが本作の特徴。なお任意セーブは、その状況そのものをセーブしているので、いわゆるステートセーブに近い。
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やや便利な巻き戻し機能
また、ゲームプレイの時間を一定時間まで巻き戻せる“リワインド”機能にも対応している。もしミスがあったとしても、時間を巻き戻してやり直せるので、少しだけクリアーしやすくなった。
“少しだけ”と言ったのは、リワインド機能はゲームオーバーを避ける手段としては使いどころがあまりなかったから。本作はシザーマンに追い詰められ、それから倒されるまでの過程がじっくりと描かれる。そのため、状況によっては“巻き戻せる時間が足りず、結局詰んでる”みたいなことになりやすいからだ。
ホラーゲームらしい演出とテンポによって、リワインド機能が完全に機能していないのは、ある意味ちょうどいい塩梅かもしれない。個人的には、もう少しやさしくやり直せるように“今風”にしてもいいのでは? と思った。
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たとえば逃げたはいいが……。
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追い詰められてしまった。巻き戻しても、追い詰められるのは確定している。ほぼ詰み。
どちらかというと本作は“調べたくない場所を調べてしまい、そのモーションが終わるまで待つ必要がある”など、かなり細かいミスでの時間ロスが起きやすい。一部パニックシーンでボタン連打を要求される場合もあり、そこで失敗したときなど、短時間のミスを取返しやすい機能として使うといいだろう。
惨劇を避けながらプレイしたい人は任意セーブを“詰まない状況であることを確認してから”使うのがベストだ。なお前述の通り、オリジナル版、リワインド版ともにセーブ機能もリワインド機能も使用できる。
リワインド版について
“リワインド版”について説明すると少しややこしくなるが、ベースはSFC版のものを採用している。そこに、PSに登場した遊びやすくなった要素や、追加・変更点を加えられている。そもそも当時のPS版はPC版のパワーアップ版だったりする。本作のリワインド版は、移植作品のいいとこ取りをSFC版に濃縮したイメージだ。
たとえばジェニファーは走って移動すると体力を消耗し、思わぬピンチを迎えてしまうかもしれない。体力回復の手段は“床に座る”こと。SFC版では時間経過によって座るシステムだったが、PS版ではボタン操作ですぐに座れるようになった。また、回復速度も早い。
さらにシーンの追加もある。たとえば、序盤に遭遇する“オウム”の一枚絵が表示されるのだが、これはPS版のときのグラフィックが採用されている。また、探索の途中で“ミイラ”に遭遇することもある。原作では単に息の止まったミイラが置かれているだけだったところ、リワインド版では襲ってくるようになっている。
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といった具合に、体験としてはPS版の要素を引き継ぎつつ、全体的な見た目はSFC版を踏襲した形になっているわけだ。
傑作ホラーを慎ましく移植
今回遊び直してみて感じたのは、当時としてもかなり作り込まれており、とくにグラフィックは細かなアクションまでドット絵で描かれていて「こんなに動いたっけ!?」と改めて驚愕。描き込み量がすごいからこそ、シザーマンに気付かれずやり過ごせるのか、ハラハラドキドキの体験を演出できていると感じた。
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ベッドの下に逃げたはいいけど……。
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シザーマンがわざわざ覗き込むモーションに!
また、絵もさることながら“無音”と“足音”で表現された空間は現在遊んでも恐怖感があり、まだ遊んだことがない人ほど、ホラーゲームとして楽しめるだろう。ただし、周回プレイ前提のゲームのため、ボリュームについてはやや短め。ぜひ攻略情報ゼロで楽しんでみてほしい。
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ここ、何度も来たなとしみじみ。
全体的に現代への移植作品としては最低限の機能、追加要素で留めている感じで、ある意味原作のよさそのままを味わえる。逆に言えば原作をプレイしていた人にとっては基本変わらないがゆえに、タイムアタック的なゲームになってしまうかも。
よくも悪くもテンポの遅さも原作そのままで、階段の昇り降りはとても長い移動を見ることになるなど、不便さも目立つ。「巻き戻しより、早送りがほしいなあ」と思ってしまったのも正直な気持ち。
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ちなみにシザーマンより左下のジェニファーが怖いとも言われているが、14歳とは思えないほど精神的にタフ。Gの群れに襲われても結構落ち着いている。
欲を言えば“リワインド版”は、ある程度は大胆にアレンジしてもよかったのでは、と感じた。たとえばシザーマンはゲームに慣れていくと登場回数が限られていき、最終的にはかなり出番が少なくなりがちだ。もっとランダム出現を増やすなど、登場機会を増やせば慣れた人でもスリルのあるプレイが味わえたのではないだろうか。
とはいえ、本作は原作そのままの魅力を、世界に向けて広めることになった。これまで『クロックタワー』は公式翻訳で海外発売されたことがなく、今回は初めてローカライズされて発売される。アレンジ要素を極力抑えてお届けしたかったのかなと推測する。
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いきなり本棚を押し倒すジェニファー14歳、素敵。

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