ロゴジャック広告

【読切ディスカバリー】ジャンププラスでは2000以上の読切漫画が読める。ならばおすすめしたい! おれたちの“推し”作品12選

【読切ディスカバリー】ジャンププラスでは2000以上の読切漫画が読める。ならばおすすめしたい! おれたちの“推し”作品12選
皆さん! 読切漫画、読んでますか?

 少年ジャンプ+10周年を記念して開設されたポータルサイト“読切ディスカバリー”。10年の歴史で生み出されてきた、じつに2000を超える読切を探せるサイトです。もちろんそのまま読むことも可能。

 ファミ通関係者にはゲームだけではなく、漫画好きもたくさん。こんなサイトがあったら、おすすめするしかないよなあ? おれたちの“推し”読切ってやつをよお! 漫画好きライターが読切ディスカバリー掲載の推し作品をご紹介します!
広告

縦ロール古原のジャンプラ推し読切3選

[IMAGE]
  • 『ジョンタイターの恋占い』著:星間晶
  • 『愛と苺』著:湯切優
  • 『ジーニアスピカソ(正式名称ではない)』著:大豆田
 私は、読切のよさとは“まだ見ぬ才能に出会えること”だと思っています。世の中にはまだこんなにもおもしろい作品を生み出せる人がいるんだ、というワクワクを味わいたくて読んでいると言っても過言ではありません。

 そこで、数ある大好きな作品の中から“連載経験のない作家さん”をテーマにピックアップしてみました。どれも間違いなくおもしろいので、ぜひ感想をSNS等で発信してみてください。作家さんたちの励みになりますし、そのエネルギーで新作が生まれたら僕がめちゃくちゃ喜びます。

ジョンタイターの恋占い

 “運命の人”の名前をズバリ言い当てるという恋占いマシーン。ラーメン屋の娘・蘭々香(ららか)の運命の人として表示されたのは、年中短パンでいつも上の空、それなのに全国模試1位の変人・天ノ川翼太郎だった。何かの間違いだ、と思いつつも翼太郎を意識してしまう蘭々香。ひょんなことから彼が宇宙飛行士を目指していることを知り、ふたりの交流が始まる――。

 運命の人とは何か?と問われたとき、あなたはどう答えますか。おそらく、多くの人の回答は“生涯を共にするパートナー”などでしょう。しかし、この
『ジョンタイターの恋占い』では、それとは少し違った運命の人の形が描かれます。

 翼太郎に惹かれていく蘭々香のいじらしい姿もさることながら、翼太郎の詩的なのに飾らない台詞回しがグッときます。そして物語の最後、蘭々香が運命の人とはこうだったのだ、と悟るシーンは何度読んでも目頭が熱くなる……。ぜひ、この作品にとっての“運命の人”とは何か、その目で確かめてみてください。

愛と苺

 特徴的な名前を持つふたりの女子高生の友情を描いた『愛と苺』は、“キラキラネーム”というセンシティブなテーマを丁寧に描いた作品です。自分の名前を活かしたキャラ付けで人生を生き抜いてきた“苺璃衣(ベリィ)”と、名前のせいで自分に自信の持てない “愛の記憶(スイートメモリー)”。似た境遇でありながらも対照的なふたりが友情を育む姿に、思わずニヤニヤが止まらなくなること請け合い。まわりに人がいない状況で読むことをおすすめします。

 本作ではキラキラネームに対する偏見や社会からの厳しい目線など、ネガティブな面にもしっかりと向き合っています。そのうえで描かれる、多様な生き方を尊重する結末は、読んでいて晴れやかな気持ちになりました。

 あとなんといっても登場人物がかわいいのなんの。ベリィの努力して積み上げてきたかわいさや、スイートメモリーの内側から溢れて止まらないかわいさを見事に描き切る画力にも要注目です。キャラがかわいいのはもちろんのこと、キャラデザから“揺るぎない意思”が感じられるように思います。同作者の読切
『結婚まであと○センチ』ではそれがより突き抜けていて最高なので、そちらもぜひ読んでみてください。

ジーニアスピカソ(正式名称ではない)

 超エリート校“ジーニアス学園”の中でもトップクラスの成績を誇る男・天乃。学年一の生徒の証である“答辞”を読む権利を得るため、すべての科目で失敗は許されない。そんな決意の中で課せられた美術の課題は“自画像を描く”こと。勉学以外はからきしの天乃に最大の試練が訪れる――!

 いけすかない天才のように見えて、血の滲むような努力でそれを成り立たせている主人公・天乃のキャラクターが光る読切。彼は学年一絵がうまい生徒に教えを乞い、つたないながらも自分だけの作品を創り上げますが、ライバルたちは明らかに自分で描いていない凄まじい画力の絵を提出。同じように、天乃の手元にも自作の絵とは別に高名な画家に代筆させた作品が。どちらを提出すべきかギリギリまで悩む天乃が出した結論は、きっと皆さんの期待を裏切ります。読んでいて思わず「えっ、そっち!?」と声が出ましたから。勝負には負けたけど誇りは守った的な展開じゃなくて!? と。

 ここまで読んで「内容に踏み込みすぎじゃない?」と思った方もいるかもしれません。しかしご安心を。ここから描かれるオチこそが、この読み切りの真髄なのです。勝利を義務付けられてきた男・天乃の生き様は、きっとあなたの胸に刻み込まれるはず。
 

オクドス熊田(ライター)のジャンプラ推し読切3選

[IMAGE]
  • 『斜塔とネコスープ』著:夏井とし
  • 『カイホウ賛歌』著:白石仗
  • 『概食産業』著: 肋骨凹介
 基本的に、物語は予測できなければできないほどいいと考えている。考えの外から殴られたい。滅多打ちにされたい。予測できないことがページをめくるたびに起こってほしい。

 そんな考えから選んだのがこの3作品。本音を言えばこの文章なんて無視して直に作品を読んでほしい。だって、事前知識なしで殴られるのがいちばん気持ちいいのだから。

『斜塔とネコスープ』著:夏井とし

 この漫画をひとことで言うなら、とにかく“悪い”。漫画の出来が、とかじゃない(当然だが)。底意地が悪いというニュアンスである。

 主人公は魔女の見習い・ルミィ。彼女が魔女修行の一環として、とある幸せそうな3人家族“高崎家”にお手伝いに来たことから物語は始まる。物腰穏やかな父に、優しい母親。娘はちょっと気難しそうだけど悪い子ではなさそう。そんな一家に降りかかる大事件を魔法の力で乗り越える、心温かなハートフル・メルヘンストーリー――。

 今作のあらすじをつまらなそうに言うとこんな感じ。まあ“幸せそうな~”という字面にした時点で何となくお察しかと思うのだが、起こる大事件のタチがとにかく悪い。よくもまあ“エンタメ”と“許容できないイヤさ”の中間をこうも攻められるなと感心してしまう。

 オチと、そこにつながるまでの展開もまあ悪い。読んだときは思わず「最悪~☆」とニコニコ顔で喜んでしまった。この流れにつながることがわかったうえで読み直すと、またいろんなイヤさが滲み出てくるのも最高。勝手に片側の頬だけが吊り上がるような、そんな歪な笑みをつい浮かべてしまう。

 読後感も含め、“この作品ならでは”な気分が味わえる一作。読んでいないようならぜひこの機会に。同作者の
『そしておわり、すいかわり。』もおすすめだ。

『カイホウ讃歌』著:白石仗

 意外性で殴ってくるという意味ならこのマンガは忘れてはならない。おそらく読んでいる途中で「オチまで予測ついたわw」とかほざける人はひとりもいないんじゃなかろうか。それぐらいにはぶっとんだ作品である。

 まずぶん殴られるのが6ページ目。サイコパスを自称する青年・ノアが大学から帰ってきたそのときから物語は回り始める。ギクシャクした親子の関係。くり返されるとんでもないカミングアウトの数々。幾千の衝撃の先に、すべてを解放したふたりの行く末は……。

 読み終えた後は、「何でこんなに爽やかな気持ちになってるんだろう」と、怒涛の展開と最悪の絵面からは考えられないぐらいの清涼感がある。とくに最後の7ページは、数ある創作物の中でもトップクラスの爽快さ(個人の感想です)。タイトルの意味に気づく瞬間も含め、個人的には忘れられない一作だ。

『概食産業』著:肋骨凹介

 このマンガは舞台設定がすばらしい。“概念を幼虫として売買する店”という、かなり突拍子もない設定のお話である。3日坊主なヒモ男がそこで手に入れたのは“斡旋”の幼虫。作中の飼い方によれば、

・雑誌や新聞紙を巣材として使おう。文字情報が多ければよい“斡旋”に育つぞ
・なんでもいいので紙がエサになるぞ。希望の斡旋先を書いた紙を与えれば願いが叶うぞ

 というとんでもない代物。じゃあ希望の斡旋先を、ということで男は“石油王”やら“不労所得者”やらを書くわけだが……。

 この作品は展開の仕方がとにかくうまい。進む先は意外であれど、読んでいて「あ、なるほど」と思わせるだけの丁寧さがある。全部わかってから読み返し、作中に意味のない言葉がほとんどないことに気づいたときの衝撃たるや。その職人芸っぷりに思わず天を仰いでしまった。

 「引えっ…」、「噛虫 噛虫(はむはむ)」、「だっぴっぴ」など、独特のセンスが光る細かい擬音もいい味を出す作品。個人的には虫が紙を食いちぎる「虫ィィィ」がとくにお気に入りだ。

 同作者のジャンプ+読み切り
『博士七段』も非常にいい。トーチwebにて連載中の『宙に参る』も(趣旨から外れるので深くは紹介しないが)日常×SFの極致という感じでめちゃくちゃにおもしろいため、気になった方はぜひそちらも。

二城利月(ライター)のジャンプラ推し読切3選

  • 『ロロドーム』著:仙洞田寛
  • 『歯医者さん、あタってます!/読切版』著:山崎将
  • 『天才少女は平凡な日常の夢を見るか?』著:在間りしん
[IMAGE]
 読み切り漫画の魅力。それは作者の「これが描きたい!」という“熱”に触れられるところだと思っています。それはシーンであったりキャラクター造形、世界設定、あるいは読み切りがゆえの全力なオチ。今回、たくさんの読み切り作品を読ませていただいて、そんな“熱”が自分の好きに刺さる作品をチョイスしました。

『ロロドーム』著:仙洞田寛

 1作品目は仙洞田寛先生の『ロロドーム』。サムネイルの画像やタイトルだけ見るとエッチな作品に見えるかもしれませんが、内容はいたって健全です。どんなものでも美味しいお菓子に変えちゃうすてきアイテム“ロロフォーク”を手に入れた主人公・坂本ちゃんがフォークを使っていろいろなモノを克服していく……といった流れなのですが、そこに思春期のアレコレが混じって……!? ピュアな坂本ちゃんが最後に下した決断は、男子なら思わずヒエッとなること請け合いのピュアラブコメとなっています。中盤までの雰囲気と後半の急展開の差がすばらしいイチオシ作品ですので、ぜひラストまで読んでみてください。

『歯医者さん、あタってます!/読切版』著:山崎将

 2作品目は読切の人気の高さから連載を獲得し、ジャンプコミックス全8巻が好評発売中の『歯医者さん、あタってます!/読切版』(著:山崎将先生)です。こういったイケメンによる一見まじめなシュールギャグが大好物なことに加え、ヒロインの白雪さんのかわいさも相まってどストライクな本作。読み切り版はものすごいテンポでギャグがくり広げられるので、ページをめくる手が止まりません。本誌で読んでいた人はすでに知っていると思いますが、オチも完璧なので、未読の方はぜひ前知識を入れずに読んでいただきたい名作です。『ロロドーム』と同じようにタイトルが下ネタっぽいですが、こっちはがっつり下ネタがありますのでご留意を。

『天才少女は平凡な日常の夢を見るか?』著:在間りしん

 3作品目は在間りしん先生の『天才少女は平凡な日常の夢を見るか?』です。こちらは超天才のヒロイン・鏡子ちゃんと、幼馴染の平凡な少年・颯介くんによるてぇてぇ溢れるコメディ作品。鏡子ちゃんは世界どころか未来までも変えてしまうほどの天才っぷりで、世界中の人どころか時空を超えた未来人にすら頼られるほど。ですが、本人はその才能をよそに、平凡な女子高生としての生活を望んでいます。そんな天才としての鏡子ちゃんと、女子高生としての鏡子ちゃんのギャップがかわいらしく、しかも彼女は颯介くんに対する好意を割とストレートに表現してくれるので非常にてぇてぇ姿が見られます。素直にかわいさやキュンを摂取したい方におすすめできる良作となっています。
 今回は3作品ピックアップするという企画となっていましたが、なんと2000作以上もの読み切りが“読み切りディスカバリー”には掲載されているそうです。あなたの癖や好みに刺さる作品もゴロゴロしていると思いますので、今回挙げた3作品が刺さった方は、ぜひあなたの推しも教えてもらえると幸いです。

平田特異点(ライター)のジャンプラ推し読み切り3選

[IMAGE]
  • 『免許取るならオートマでいいよ』著:菱田すみ
  • 『シルバーロック』著:三上カン
  • 『SF男女物語』著:みかわ絵子
 少年ジャンプ+10周年を記念して立ち上げられた“読切ディスカバリー”。本サイトではなんと2000作以上の読み切りが載っていると言います。そんな大量の読み切り漫画の中から、選定基準などは設けず、とくに自分に刺さった3作品を選ばせていただきました。

免許取るならオートマでいいよ

 菱田すみ先生の『免許取るならオートマでいいよ』は、AT・MT免許論争でよく語られる“もし世紀末の世界でMT免許を持っていたら”が描かれる作品。主人公と同じように親の意向でMT免許を取得した筆者としては、「わかる~~!」の連続でした。

 「なんでMTにしたの?」と聞かれたり、ATの友人といっしょに教習所に入ったのに自分だけ卒業が遅かったり、MT車での変速がこれでもかと詳しく描写されていたりと、随所に散りばめられている“MTネタ”が最高。そしてギャグにシリアス、友情と怒涛の展開の連続で、疾走感と読後感が気持ちいい。まさかこんな形でMT免許が活躍するとは……という驚きの展開も。クラッチは踏むけどブレーキは踏まない、そんな一作です。

シルバーロック

 2作品目の『シルバーロック』は、イケオジ好き必見のロックミュージック読み切り。元プロジャズドラマーのおじいちゃん・フクさんが、孫娘を勇気付けるためにロックドラムを始める姿が描かれます。72歳になっても新しい挑戦を始めて奮闘する姿や、長い人生を経て得た考え方に心を動かされること間違いなし。筆者は「感情が込められている曲は才能や技術で優劣はあってもすべて良し」というフクさんのセリフが深く心に刺さりました。そして、自分の考えを言葉ではなく音楽に乗せてロックポーズを決めるフクさんの背中を見れば、あなたも思わずかっこよ……と漏らしてしまうはず。

 また、作者・三上カン先生の表現力が凄まじく、演奏シーンは漫画のはずなのにロックミュージックが聞こえてきそうなほど迫力満点。物語・画力ともに素晴らしい一作なのでぜひ読んでいただきたいです。

SF男女物語

 『SF男女物語』『忘却バッテリー』で知られるみかわ絵子先生のセンスが光るSFラブコメディ。淡々とギャグを連発する作風で、1ページ目から読者をクスッと笑わせてきます。筆者は男女によるシュールなかけあいが大好物で、何度読み返しても爆笑してしまいます。それなのに、コメディだけではなく感動必至の展開もあるから気が抜けない。そんなシーンでも当たり前かのようにギャグが散りばめられているので、感動しながら口角が上がっていたという摩訶不思議な体験ができます。ギャグとシリアスの塩梅が素晴らしい、コメディ好きにおすすめしたい一作です。

 ちなみに、本作に登場する“明らかにあれでヤバイおじさん”が
『忘却バッテリー』番外編6話にも登場して暴れているので、本作読了後にはそちらも読むとより楽しめると思います。

あなただけの“推し”読切を見つけよう

 読切ディスカバリーには、まだまだおもしろい読切がたくさんあります。当然ですね。だって12/2000+しか紹介していないのですから。自分だけの推し読切を見つけたら、ぜひ歴代ジャンプラ推し読切ジェネレーターを使って発信してみてください。それを見た誰かが、またその人の「おもしろい」を発信し、どんどんと広がっていく……。あなたの「おもしろい」が世界を変えるかもしれません。
この記事を共有

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

集計期間: 2025年04月24日05時〜2025年04月24日06時