2025年5月23日に発売が予定されているリマスター版の『鬼武者2』。プロデューサーの田中浩介氏とオリジナル版のディレクターでもあった江城元秀氏の両名に、リマスター版の特徴やオリジナル版発売当時の思い出などを語っていただいた。
江城元秀(えしろもとひで)
オリジナル版&リマスター版『鬼武者2』ディレクター
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すべての追加要素が最初から遊べるように
──『鬼武者』のリマスター版が発売したのが2018年12月20日と6年以上前だったので、『鬼武者2』(以下、『2』)のリマスター化は諦めかけていたときでの発表でした。どのような経緯で『2』のリマスター化が決まったのですか?
田中
私も諦めかけていたのですが、『2』のリマスターを望む声はたくさん届いていました。社内でもつねにラインアップ候補として存在していたのですが、なかなか取り組める環境が整わず、取り掛かれていませんでした。
ようやく環境が整って、鬼武者の新作を立ち上げた際、同時に進められるのでは? と移植検証を始めたことがきっかけでした。原作ディレクターでもある江城が加わってくれたこともあり、開発も順調に進めることができ、考えていたより早くお届けできることになりました。
──『2』リマスター版発表時の手応えは?
田中
SNSでも反響がすごく、とても愛されている作品なんだなと再確認できました。新作から間を置かずにリマスターの発表もできたのもよかったと思います。
──柳生十兵衛のモデルが引き続き松田優作さんになっている点には安心しました。
江城
松田優作さんの続投は、リマスターの絶対条件でしたね。
田中
優作さんの権利をお持ちのOFFICE作さんにも快諾していただけたのでよかったです。もし変更ということになると、声もコスチュームも見直す必要がありますから。
──優作さんじゃないとファンも「なんじゃこりゃ!」ってなるかもしれませんね。
江城
まさに「なんじゃこりゃ」ですね(笑)。
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──オリジナル版ではクリアー後の追加要素やコスチュームなどもたくさん用意されていましたが、こちらも健在なのでしょうか。
江城
基本的にはすべて網羅できていると思います。リマスター版ということで、本来はクリアー後に遊べる“パズル幻夢空間”などの各種ミニゲームも最初からプレイできます。
──それはうれしいですね。ほかに、オリジナル版から変わった点はありますか?
江城
オリジナル版は方向キーでキャラクターを動かす方式だったのですが、左スティックで動かせるようにもしています。ほかにも、ストレスなく遊べるような細かい調整は入れていて、武器切り換えもメニュー画面を介さずにボタン操作+方向キーで実行できるようにしました。あとは、要望の多かったカットシーンのスキップ機能も搭載していて、オートセーブにも対応しています。
──かなり遊びやすくなっていそうですね。
江城
そう思います。ほかにも、理不尽に難しくなっている場所には回復アイテムを用意していたりと、ストレスなく遊べる工夫もしています。“一閃”も連鎖で使用すると空振りすることがあったのですが、なるべく空振りをしないように調整しました。
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田中
あとは、サウンドトラック機能も搭載されています。こちらでは、実装されている40以上の楽曲を自由に聴くことができます。オリジナル版にもあったギャラリー機能もパワーアップしていて、当時は容量の都合で入れられなかった設定画などをすべて収録できました。
江城
背景のコンセプトアートなども含め、雨宮慶太さんに描いていただいていた、たくさんのイラストも解像度が上がっているので、細かいこだわりを感じていただけると思います。
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──それらの解放はクリアー後ですか?
江城
いえ、ミニゲームと同じで最初からすべて解放されています。あとは“修羅モード”という新難度も用意しています。こちらは、一撃受けると即ゲームオーバーなので、緊張感のあるバトルが楽しめます。
──一撃アウト! いきなり挑戦する方もいるかもしれませんね。
江城
かなり難しいので、最初に“修羅モード”は選ばないほうがいいかもしれません(笑)。
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──逆に、オリジナル版から変えていない点はどこですか?
江城
敵の動きはいっさい変えてませんね。一部キャラクターのコスチュームについては修正の必要がありましたが、すべて登場します。
オリジナル版『2』は1作目発売前に開発が始まった
──トレーラーで、個人的に大好きなゴーガンダンテスが登場してうれしかったです。
田中
敵を含め、どのキャラクターも愛されているのですが、やはりゴーガンダンテスの名乗りシーンは外せませんでした。
江城
ゴーガンダンテスは初期のデザイン案からほぼ変わっていなくて、「これかっこいいね」ということで高等幻魔のひとりに据えられました。名前やキャラ付けは、オリジナル版『2』のシナリオを担当していただいた杉村升さんによるもので、昭和のヒーローものに出てきそうな憎めない悪役という感じで、とてもいいキャラクターに仕上がりましたね。ほかの高等幻魔もキャラが立っているので、本作のおもしろいポイントだと思います。
──ほかにオリジナル版を制作していたときの思い出はありますか?
江城
言えない思い出がたくさん(笑)。
──言えるものでお願いします(笑)。
江城
『2』は初めてディレクターを務めた作品で、右も左もわからない状態だったのでかなり鍛えられました。たくさんのプランナーがいて、いろいろな提案がくるので迷っていると「ディレクターがしっかり決めて!」と詰め寄られることもありましたね(笑)。『2』は1作目を作っている最中に立ち上がった企画で、最初はかなりゲームシステムが違いました。
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──1作目開発中にもう『2』の仕込みが始まっていたんですか!?
江城
カプコンでも初めてのことだったかもしれません。1作目のリソースが使えなかったので、すべて最初から作りました。『2』は、背景に動画をたくさん使っているのですが、リマスター版では解像度がかなり上がっているので、注目していただきたいポイントのひとつです。
──1作目の発売による影響はありましたか?
江城
開発中に1作目が発売され、好評だった魂吸収のシステムを継承することになったりして、みなさんの知る『2』の形になっていきました。一方で、同士を用意したのは『2』での大きな挑戦で、アイテムを渡したときのリアクションで好感度の上下を探ったりする遊びや、それによる物語の変化などの要素も入れられた点は満足しています。初めて本作に触れられる方は、ぜひとも同士との交流も楽しんでいただきたいですね。
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──くせ者揃いの幻魔たちの設定は、雨宮慶太さんのデザインありきだったのですか?
江城
シナリオの段階でかなり尖った表現があったので、それを活かす形で作られた幻魔もいますし、話し合いながら決めた幻魔もいます。後者は、雨宮さんにはいろいろなデザインを出していただいていたので、「これいいね」と、話し合いながら決めていきました。本当は採用したかったのですが、当時の技術では難しそうなデザインもありました。その設定画もギャラリーのほうに収録されているので、いろいろと妄想を膨らませながら見ていただけるとうれしいです。
──リマスター版で初めて本作に触れるという方、オリジナル版からのファンの方へのメッセージをお願いします。
江城
『2』は初めてディレクターを務めた作品でとても思い入れが強く、リマスター版にも関わらせていただけてうれしく思っています。グラフィックや音質だけでなく、遊びやすさもパワーアップしているので、ご期待ください。
田中
学生時代にプレイしていた作品を、オリジナル版のディレクターといっしょにリマスターするというのは貴重な体験でした。パリィして反撃という、いまでは当たり前のアクションの先駆けのような作品ですし、『鬼武者』シリーズの入りとしても最適だと思います。完全新作も2026年に発売予定ですので、本作を遊びながらお待ちいただけるとうれしいです。
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