『真・女神転生』や『ペルソナ』、『デビルサマナー』シリーズなどのキャラクターデザインや世界観設定に深く携わってきた“悪魔絵師”改め“神魔画家”こと金子一馬氏。アトラス退社後、金子氏が突如として就職活動をしてコロプラに入社。これまで新作としてコードネームが公開されていた『Project MASK』が、金子氏の完全新作『神魔狩りのツクヨミ』(以下、『神ツク』)としてヴェールを脱いだ。
この『神ツク』、金子氏が過去に手がけてきた作品群同様、金子氏にしか描けないような世界観の作品だった。と同時に、さらに“AIカネコ”という独自に金子氏の分身のようなAIを搭載し、無尽蔵に神や悪魔を創造するという衝撃のシステムが搭載されたローグライクカードゲームだったから驚きだ。……稀代の悪魔絵師として知られてきた金子氏は、いったいなぜ、このような新規軸の作品へのチャレンジを?
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プレイヤーはマスクの力で神魔札から神魔を召喚して使役する神の顕現体“ツクヨミ”となって、自動生成されるタワーマンションを踏破して“登美のりこ”の撃破を目指すことに。神魔札を駆使するローグライクカードゲームだ。Steamとスマホで2025年春に配信予定。基本プレイ無料。
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その問いへの答えを得るべく、金子氏と本作の開発プロデューサー齋藤ケビン雄輔氏にインタビューを実施。
結論としては、以下の通り。
- 金子氏はガチの就職活動で入社していたこと
- AIによるカード創成への挑戦は、コロプラの“新しい技術を誰よりも早く遊びにしたい”というゲームクリエイターの矜持のような思想の体現だったこと
- 『神ツク』の世界観は、ゲーム業界では稀に見るほどにマニアックかつ膨大な知識量に裏付けされた、本気の神話伝承設定がベースになった“金子作品”だったこと
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日本神話のアマテラス大神、スサノオと並び“三貴子(みはしらのうずみこ)”の一柱とされる“ツクヨミ”の名を冠したプレイヤーキャラクターや、そのパートナーとなる“金鵄(きんし)”といった神話上の設定をモチーフとした世界観は唯一無二の佇まいを醸し出す。
神話や伝承への深い知識をベースにした『神魔狩りのツクヨミ』をいち早くプレイしたい方は、ファミ通.comの“限定先行体験枠”をご用意いただいているので、下のリンクから詳細を確認のうえ、応募してほしい。百聞は一見に如かず。
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金子一馬(かねこ かずま)
1988年、株式会社アトラスに入社。『真・女神転生』シリーズや『ペルソナ』シリーズに携わり、コンセプト作りから世界観の設計、キャラクターデザインなどを行う。多数のゲーム制作に携わった後、2023年にコロプラ入社。現在は新規タイトル『神魔狩りのツクヨミ』に携わる。最近は敬愛するデヴィッド・リンチ監督の訃報でショックを受けたのだとか。
齋藤ケビン雄輔(さいとう けびん ゆうすけ)
コロプラ所属。『神魔狩りのツクヨミ』開発プロデューサーとして、金子氏とタッグで開発を担当。ローグライクカードゲームやインディーゲームのヘビーユーザーでもあり、最近では『デイブ・ザ・ダイバー』や『Baltro』に感銘を受けたとのこと。
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本物の金子一馬が入社している!
――金子さんは、コロプラさんにふつうに就職エージェントで入社されたと伺ったのですが、ケビンさんは初めて知ったときはいかがでしたか?
ケビン
社内報的なもので、「今月入社された方です」と、お名前だけ掲載されていたんですが、いやいや、まず本当なのか? みたいな。おそらく多くの社員が同じ感想だったと思います。同姓同名か? って。
金子
一般的に、別に誰かの知り合いとかそういうコネがあったわけでもなく、ふつうに入社させていただいたので。こいつまさか……と思われたかもしれないですね。
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ケビン
いろんなところでウワサになっていて、もしや本当なのかなと? それで、ちょっと席にちょこちょこと、みんなで見に行くみたいなことをして。席の周りにスタッフが重なるようにして覗き込んだりしていました。もちろん仕事ですから、迷惑をかけてはいけないのは重々承知のうえではあるものの。なので、まさか『神ツク』でご一緒することになるとは思いもよりませんでした。自分自身は金子さんの過去作品をすべてプレイしてきていたわけではなかったので、実際に『神ツク』を始動させることになり、いろいろと知らなかったところを勉強して、調べたりして。
金子
僕としては、彼がコアなマニアではなかったことが、逆にやりやすかった部分もあるんですよね。マニアックな世界なので、たとえば妖怪についてわからないとか、神話の世界観についても、基本的な疑問や質問が飛んできたりするんです。長年こうした知識に浸ってきた自分からすると「知らなかったの?」という感じなんですが、そんなの知らないよなって(笑)。なので、「あーそうなんですか」って純粋な反応が得られるのが大きい。
ケビン
それはありますよね。スタッフには、もちろん金子作品をすべてガチで親しんできているような、その筋の人間もちゃんといるのですが、自分はフラットな目線で疑問をぶつけられるようにしようと思っています。
金子
逆にゴリゴリにマニアックな言語でやりとりしちゃうと、周りの人を置いてきぼりみたいになっちゃいがちだから。いまの関係はいちばんいいと思います。
ケビン
うれしいですね。金子さんとお仕事をさせていただいて感じるのは……素直に伝えると、めちゃくちゃ柔軟な方だな、というのが最初の感想でした。やっぱり作られてきたものだったりとか、世界観というものの軸がすごくしっかり作られているものばかりなので、先入観で、言葉を選ばず言うと「もしや頑固な職人的な方で、ちょっと怖いかな」という勝手な思い込みがありました。
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かつての週刊ファミ通の取材時の金子氏。サングラスがトレードマークだった。
金子
サングラスしていて怖そうだよね。それに芸歴も長いし(笑)。それこそファミコン時代なんて、5~6人のスタッフで、3ヵ月に1度新作を出す、なんて調子だったから。
――いま思うと信じられないスパンと人数ですね。
金子
そう。柔軟って言ってくれたけれど、せっかく芸歴……じゃないか、ゲームクリエイター歴も長いから、新しいスタッフとのやりとりでも、変に意固地を通さないで、引くところは引いたり、押してみたりと臨機応変に様子を見ながらできていますよ。変な話だけれど、経験になってくれればいいなと思うところもあるし。
ケビン
ゲームデザインと世界観が噛み合わない部分だったりはどうしても出てくるものなので、都度ディスカッションします。
金子
ソロモン王72柱の魔神などの出し方とかは、けっこう相談したよね。でも馴れ合っている感じではなくて、しっかり話し合って最適解を探してきている感じかな。彼は、めっちゃ肩書きも偉いんですよ。若いのに偉い。それに、きちんと役割を棲み分けて、自分の立場も理解して動けるスタッフは自分で言うのもなんだけれども、この業界少ない印象があるので。
ケビン
そんな(笑)。
AI生成される金子絵とカードは、すべて偽の紛い物?
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――金子さんといえば、“金子絵”と呼ばれるほどに独自のスタイリッシュなイラストレーションとデザインで、世界中にファンがいますよね。『神ツク』のアートもまさに金子絵の精髄という印象でした。
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金子
自分がビジュアル的なところで目指してきたのは、差別化することで、ゲームを目立たせること、だったんですよね。昨今ゲームが数多くリリースされている中で、自分は「現代を舞台にした他にない世界観」というのを構築するのが得意なもんですから。そのあたりをアピールしたくて、『神ツク』でも、同様に唯一オンリーな世界観を目指してデザインした感じです。
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――差別化して目立たせる。まさに『神ツク』はオンリーワンのデザインで印象深いです。ツクヨミのマスクも鳥居のようなデザインですよね。
金子
やはり日本の神様的な世界観なので、鳥居であったりとか、鳥居と目玉を掛け合わせてちょっと謎の結社っぽい意匠にしたりと、他にない感じを工夫して出せればなと思ったところです。
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――たしかに、日本の秘密結社というと“八咫烏”の都市伝説が有名ですが、そのマークなのか? など想像がツンツン刺激されます。それにしても、金子さんの絵と言ったら、やはりモダンでありながら、伝承をとても誠実に……きちんと描かれている点が特徴のひとつだと感じているのですが、本作では、そんな風に描かれる『神ツク』のための金子絵だけをひたすらにAIカネコが反復学習し続けて、ゲーム中にオリジナルの神魔札を生成するんですよね。
ケビン
基本的に、金子さんが『神ツク』のために描いた数十枚のイラストが元となっています。学習させるには少ない枚数ではあるんですけど、これをまず学習させたものから、再度枚数を増やすために、何万枚とか何十万枚ぐらいAIに生成してもらう。それをさらに我々が目で見て、「これなら学習にさらに使えるんじゃないか」というものを選別し、再度学習の材料にして……という工程を何度も行いながら、最終的な“AIカネコ”を形作っていきました。
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金子
ゲーム制作やエンターテインメントの業界においても、きっと遅かれ早かれAIがどんどん使われていくというか、そういう形になるだろうな、というのは2023年時点でもう予想できました。じゃあAIとどう折り合いをつけようかと。
――だから、いただいた資料には“AIをおもちゃにする”、“AI調伏プログラム”といったキャッチコピーを書かれていたんですね。AIを使役して、遊べる玩具にしてしまおうと。
金子
AI自体をゲームの中に持ち込んで、新しいゲーム体験としてお客さんに楽しんでもらえるようにっていうことですね。チャレンジとしてもおもしろいなと思ったところなんですよね。
本物の神魔を描く画家K
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AIカネコを搭載した“オオカミ”なる存在が、ゲーム中のプレイヤーの行動から判断してオリジナルの神魔札を“神託の儀”によって創成。絵柄も名前もあなただけの独自の神魔札が生まれるという。
――非常におもしろいですね。かつて日本には神懸った神主に憑依した神が、本物なのか偽物なのか、その正邪を判定する“審神者(さにわ)”がいたそうですが、まさにそうした役目を担ったようで、どこか『神ツク』の世界観とも通じるところがあるみたいで。
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金子
あのーちょうどいい話題になったので話しますが、僕のこの格好、いつもと違いますよね?
――じつは……冒頭からずっと気になっていました。
金子
この格好、別に心境の変化で大胆なイメチェンをしたとかではなくて、『神ツク』の世界観を表現していて、作中の“画家K”というキャラクターの格好なんです。というのも、少し入り組んだ説明になるんですが。今回の作品は生成AIじゃないですか? きっとこうした技術を遊びに使ううえで、いろいろ思うところがある方もいらっしゃるだろうと思い、『神ツク』では、あえて世界観とゲームデザイン自体に、そういった方々にも納得していただけるように、まさに“本物”と“偽物”を定義させていただきました。
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――ゲームの設定自体に、すでに本物の絵と偽物の絵という概念があるんですか。
金子
そうなんです。ここで話してしまって、すでにゲームのネタバレになっちゃうんですけど(笑)。プレイしていただくとわかるのですが、主人公たち“ツクヨミ”に指示を出している神様=オオカミという存在が、神魔札というカードを創生するAI。でも、この生成AIであるオオカミは偽の神様なんですよ。なので、生成されるカードはすべて偽物。
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――なんと、本作では、 “AIカネコ”を搭載したオオカミが何を生成しようと、それはまるでデミウルゴス(グノーシス主義における、創造主を騙る天使)のように真の創造ではなく、AIが生み出した偽のまがい物という位置付けなんですね。
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金子
生成AIというナイーブなテーマを扱うので、自分でキャラクターデザインをして、現実でも自分でコスプレをすることで金子一馬が手を動かして描くイラスト=“本物”、オオカミのAIカネコが学習して生成する僕のテイストのイラスト=“偽物”という位置付けをしっかりお伝えしようと。
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北欧神話の騎士団長 フィン・マックール(左)/ケルト神話の女神 マッハ(右)
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四神で東方を守護する 青龍(左)/ギリシャ神話の冥界に棲む吸血鬼 モルモー(右)
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戦国時代の伝説上の超人忍者 加藤だんぞう(左)/瑞獣 麒麟
偽神と伝承
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――AIカネコで生成される“神魔札”は、偽りの神魔なんですね。ところで、実際に開発中にAIから生成されるイラストをご覧になって、どんな風に感じられましたか?
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金子
僕がふつうに描いたものより、なんだかアートっぽいなって思いました。アートといっても、いろいろあると思うんですけど、色使いだとか、僕だったらタガが働いてやらないことをやっちゃうんだなと思ったりしたかな。
ケビン
学習初期の頃は、量によっては本当に絵にもならないノイズのようなものが出たりすることは頻繁にありましたよね。なので、AIカネコの細かいパラメーターの調整を行いながら、いちばんベストな学習ができるイラストを厳選したり、学習量を調整しながら本物の金子絵に近づけるべく努力を重ねた形です。
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――繰り返しになりますが、やはり金子さんの描く神魔の絵は、きちんと伝承の情報を踏まえて描かれていますよね。なので、そうした伝承の情報を忠実に絵にしつつ、モダンさを加えて描かれるイラストが自動生成される点が、とくに興味深いです。
金子
そこまでAIカネコが成長してくれるか、これからプレイヤーの皆さんが遊んでくれるかどうかにかかっているので(笑)。でもたしかにそう言われると、開発中はあまり実感はなかったけれど、自分でも本当におもしろい試みだなと改めて思いますね。もしかしたら、プレイヤーが生成した神魔から、新しい伝承が誕生するかもしれませんし。
――確かに、伝承存在の中には、創作がいつしか本物だと信じ込まれるようになったものも多いですよね。くねくねや八尺様などのネット怪談も元は創作ですし。妖怪のガシャドクロなども、元は妖怪図鑑に書かれた文章だけの創作だったものなのに、いまや本当にそういう妖怪が伝承されているんだ、と信じている人も多いですから。
金子
まさに僕もそういうエンタメの存在を、オリジナルで勝手に描いてきましたから、わかりますよ(笑)。
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――そうですよね(笑)。だから今後何百年もしたら、このゲームから生まれた神魔が、すごい都市伝説になっている未来もあるかもしれないですよね。
金子
そんなことになったらいいなって、このゲームを作っていて夢見ているんですよね。水辺に石を投げたら、波紋のように波及効果が広がっていってほしいというか。さらには……怪談が出てきてほしいんですよ。
――怪談! たしかに、最新のメディアや遊びが生まれると、そこには必ず怪談も出てきますよね。一昔前にLINEが普及したタイミングで、“LINEわらし”という怪談があったらしいです。
金子
スマホの怪談なんて最近はすっかりメジャーだしね(笑)。
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ローグライクの身近な神話
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――本作は、そんなすっかり身近になったスマホとSteamで遊べるローグライクカードゲーム、というところも印象的でした。ちなみに、クリアーまでにどれくらいかかりますか?
ケビン
そうですね……ちょっとこれは人によるというのが正直なところです。この手のゲームに慣れた方や、運の要素もあるために本当にすぐクリアーできてしまったりするケースもあることはあるので、なんとも難しいのですが、それこそ1キャラクターあたり、クリアーまでは、おそらく7、8時間ぐらいはかかるかもしれないなと思います。
金子
プレイ時間の長さを競うっていうと、時代も変わってきていますよね。映画も3時間あると「長すぎて見たくない」って方も増えてきているようですし。
――ローグライクならではの、短時間で繰り返しを積み重ねていくプレイなんですね。
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ケビン
まさにそういうプレイフィールで楽しんでもらえるような遊びとして、ローグライクカードゲームというジャンルがはまったんですよね。じつは自分もこのジャンルが大好きでかなり熱中して遊ぶプレイヤーでもあるんですが。
――ケビンさんが、とくに好きなジャンルでもあったんですか。
ケビン
そうなんですよ。やはり自分の中では、大好きなローグライクカードゲームを自分が作るのなら、「ああしたいな、こうしたいな」みたいな案はもともと沸々とあったものだったので、気づけば「ぜひお願いします」という形で関わることになっていました(笑)。
金子
まさに渡りに船でしたよ。ちょうど僕も、がっつりしたRPGというよりは、ローグライクみたいな遊びにして、ゲームとしてガチで楽しめたうえで、フレーバーのように深いお話感が漂う。プレイヤーはだんだんと、その香りに惹かれて……と、そんなふうに『神ツク』の遊びに浸って行ってもらいたい、というのが狙いかなと思っていたので。
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――そうなんですね。いまやローグライクカードゲームは、中毒性の高いジャンルとして定番になりました。
ケビン
金子作品としても、これまで手掛けてきていない新しいジャンルですし……ローグライクのファンの方たちにはローグライクのファンの方たちも楽しめるものとしてもちろん考えました。デッキ構築も“神魔札”としっくりきたし、いいなと。
――まさにツクヨミがカードで召喚するというのは、世界観的にもグッとくるかっこよさです。
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ケビン
ですよね(笑)。AIを体験として扱ううえも、相性のいいジャンルってなんだろう、というのが議論としてありまして。AIが一定のランダム性を持ったもの、何かしらの入力に対してランダムに出力できると考えたときに、このランダム性をうまく活かせるものが何かと考えると、ローグライクはベストな選択でした。実際のところ、ローグライクカードゲームはコアな人たちが熱い視線を注いでいるゲームジャンルで、けっこうニッチだなとは思っています。
――たしかに。
ケビン
なので、『神ツク』は金子さんのファンに向けている作品でもあったので、ローグライクカードゲームとしての入り口は、わかりやすくテンポ感を意識して制作しています。たとえば、山札や手札として持つカードが少なかったり、攻撃と防御を1ターンで全部行えるようなシステムですね。
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――デッキ構築型のローグライクというニッチめな奥深い遊びを、できるだけ間口を広げようと。そういえば、カード生成以外のゲームシステム自体にはどこかでAIは使われていないのでしょうか。
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ケビン
AIはカード生成周りのみに活用されています。最初はそれこそふんだんにAIを使ったゲームを考えていたんですけど、AIとしてのランダム性といわゆるゲームとしてのバランスが取れている状態を保つのがすごい難しくて。AIを使えば使うほどランダム性には富むんですけど、じゃあそれを遊んで面白いんでしたっけ? というところがあったので、いったんAIを使うだけ使ってみつつ、「ここは人の手でバランスを取った方がいいよね」とちょっとずつ引き算していったところ……カード生成周りのみが残った形です。
金子
お客さんに遊んで楽しんでもらうには、やっぱり感情の起伏を僕らの方で操作しなきゃいけない。だから、そこはやっぱり人の手が必要になったっていうところですね。
プレイヤーと育てるAIカネコ
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――本作ではプレイヤーが生成したカードの中から特に人気が高かったもの、良かったものを実際に描き起こしてゲーム公式として実装する“盈月奉納の儀”が印象的です。これは、自分が生成したカードの人気の高さが反映されていくんですよね。大人気のカードは選別されて、実際に金子さんと開発チームでオリジナルイラストにレタッチしてゲーム中に実装されると。
ケビン
そこはふたつの手順があって、“盈月奉納の儀”で新たに実装される神魔札は、いまのところ月一くらいで運営が選んで実装していく、ということになる予定なのですが、その前段階として、プレイヤーの皆さんが選ぶ段階があります。ゲーム中で他のプレイヤーが創ったカードに投票できるようなシステムがあり、ここで投票された数に応じて、最初にカードが豪華になっていきます。キラになったり、いわゆるホログラフ的な演出が入ったりですね。
――カード自体が豪華になっていくんですね。
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金子
ゲーム内にそういう場所があって、そこにプレイヤーは自分のカードを置いておくことで、人気を得るとだんだん豪華になっていくと。
金子印のガチな神話伝承世界を考察できるか?
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――今回ツクヨミたちと敵対する勢力は、“新国家アラハバキ”という名前です。アラハバキで金子さん作品というと、どうしても国譲りで追い出された国津神たちの、天津神への復讐譚的なものを想起してしまいます(日本神話では、国津神が国造りをした地上を天津神が“国譲り”で譲り受けて天孫降臨し、地上の支配権を得たというエピソードがある)。
金子
恨んでいるらしいですよ(笑)。アラハバキは蛇神なんだけれども、その辺はちょっとブラックボックスであまり描かれていなくて。
――民俗学者の柳田國男などは、客人神(マレビト)として解釈しているものの、東北や関東にはアラハバキ神が末社に祀られていたりと、土着神説もありますよね。
金子
そうなんですよ。なので、あえてそこはオリジナル設定にしているんですけれど……題材としては“蛇神”だから、もう一つ、僕の好きな別の設定を混ぜていたりします(笑)。
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――それはまだお話できなさそうな設定ですね。ゲームで目の当たりにするのを楽しみにしておきます。それにしても、神話伝承にとどまらず、世界中のあらゆるオカルト的なものとも接続する世界観、まさに金子さん作品の矜持といった印象でシビれます。
金子
それこそ諏訪の大祝(おおほおり)だとか(諏訪大社の祭主で、諏訪の神を降ろした少年とされる)、いろいろな用語がいっぱい出てくるので、その筋の話が好きなの人なら楽しいと思います。知らなくても、いまは検索してもらえますしね。
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――そうですよね。そういえば、まったく知らなかったのですが、プレイさせていただいている中で、“500円ババア”という、「500円くれ」と行ってくる老婆のイベントがあってオリジナルだと思っていたのですが……検索してみたらこの話、本当に伝承されていて驚きました(笑)。こうしたイベントも金子さんがチョイスしているのですか?
金子
本当にあるんですよ、500円ババアとか。なので、イベントはスタッフみんなが知ってるネタをせっせと入れました。中には僕と同世代じゃないと分からないネタもあったりして。彼とかにも、きっと「何だコレは」と思われていたはずなんですが……(ケビン氏の方を向いて)クールに調べていたよね。
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ケビン
とりあえず調べます(笑)。
――調べて、ちゃんと沖縄にありますね、みたいな。
金子
そうそうそう、まさにそんな感じ。もしかしたら、生きるのに必要がないかもしれない知識に染め上げているのかもしれないけれど、知ることで確実に豊かにはなる。
謎の神 ツクヨミ
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――確かに。そういう意味では本作で“ツクヨミ”こと日本神話の“月読命(日本書紀では月夜見尊)”を大きな題材にしている点なども、かなり意味深で調べたり、考察したりしたくなります。
金子
新しい世界観を作るうえで、まったくの最初から「どうしようかな」と思ったときに、“ツクヨミ”は日本神話でももともとあまり手垢のついていない神様で、それなら描けることも多い題材だなと感じていたので、いいチャンスだと思って。
――ツクヨミは、記紀神話でもじつはほとんど描写がない謎の神だったりしますよね。スサノオと同一視されたりするくらいで。
金子
そうそう。なので、そのあたりがお好きな方だったら、ツクヨミの月からの連想となると弓月で、弓月と言えば弓月君……秦氏の祖? とかですね。
――秦氏といえば、渡来人としてさまざまな外来の技術を伝えて天皇家をサポートしたと言われている一族ですね。しかも秦氏は陰陽道で有名な、安倍晴明の師匠の賀茂忠行でも知られる賀茂氏とも交流があったりして。
金子
なので、ツクヨミってもしかすると、秦氏の神様か? とかいろいろ想像できておもしろい。だけれど、まだ一般的にはあまり知られていないので使いました。そういった謎の日本神話の神がマスクを媒介に人間に降りて、特殊能力を持つツクヨミの“顕現体”になり、世の歪みを直していく役割をしていると。マスクについては、“ツクヨミ”という名前だけだとIP的に弱いので、神の能力を発揮するには仮面を被らなくてはダメよ、という設定にしています。
――仮面の男のデザインも最初の発表の際には『Project MASK』というコードネームとともに公開されていましたが、この仮面のデザイン自体もどことなく“鳥居”のようですよね。
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金子
鳥居風にも見えるようにデザインしていますが、まずはカッコいいって感じが最優先で作っていますね。趣味の特撮好きが出ていると思います。
――立ち姿からも、特撮ヒーロー感が立ち上っていてまさにカッコいいです。鳥居風にも見えるデザインというのも斬新でした。形自体は、どことなく明神系のような形ですよね。明神鳥居というと、宇佐八幡で……。
金子
そうです。イメージは宇佐八幡といえば、やはり秦氏だったり?(笑)
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十六夜月のツクヨミ(左)/満月のツクヨミ(右)
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新月のツクヨミ(左)/半月のツクヨミ(右)
――4人のツクヨミたちがまた、カラーリングが異なるので戦隊ヒーロー感があります。それぞれが月の満ち欠けの名を冠しているのですよね。
金子
この4人は、最初にRPGとしての背景設定を考えた時に、やはりプレイヤーの選択肢によって勢力や思想、属性の異なる連中というのを考えたところから生まれていて。
――ストーリーにも絡んでくるのでしょうか。例えば選んだツクヨミによって変化があるとか?
金子
ストーリーの大筋に変化はありませんが、4人それぞれに別の物語があり、その中で残りの3人と絡んでいくようなストーリーになっていまして。
――というと、選んだツクヨミそれぞれで物語は違うものに?
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金子
そう。なので、4回楽しめます(笑)。ローグライクだと、ストーリーが変化していくというゲームは、ちょっと重いかなと。ゲームのテンポ感も考えたら、世界観を楽しんでもらうローグライクを目指しているのだから、4人分のお話を考えようよって。同じタワマンの中に4人で集まって、同じ話を進んでいく……ようだけれど、それぞれが違う感じのストーリー展開になっていきます。
――なるほど。だからそれぞれが月の満ち欠け的なイメージがあるんですね。そのあたりのストーリーや設定も、遊んでいくことでプレイヤーが考察をしつつ、だんだん感じられるようになっていくと。
金子
そうですね。はっきりと説明することはあまりなくて。話の展開の中で見せていったり、断片的な情報が集まってきて、プレイヤーの皆さんの中で自然とストーリーが構築されていくようにしました。
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ケビン
ゲーム中では、ローグライクな遊びなので、イベントを入れるにしてもどうしてもテキストを出せる量には限りがあって少なくなりがちです。だからこそ、断片的な情報を収集要素として用意していて、プレイヤーはそれを読んでいくことで世界観の輪郭を掴めていけるようになっています。世界観がかなり膨大に設定されているので、それを知る楽しみですね。
――ローグライクな遊びを重ねていくことで、だんだん世界観がプレイヤーの頭の中にできあがっていく。考察好きにはたまらないと思うのですが、神話伝承好きは考察好きな人も多そうなので、楽しみです。ところで、そうした4人のツクヨミたちは、それぞれの物語の中に別のツクヨミが登場して絡んでくる、ということはあるのでしょうか?
金子
絡んできます。最終的にはプレイヤーの方が選んだツクヨミが主役になるので、話は分岐しちゃいますけど。それぞれの行動理由は、別のツクヨミの物語を辿ることで、「あいつのあの行動は理由があったんだ」と分かるようになっていて。
――なるほど、それは何度も遊びたくなってきます。そういえば、そんなツクヨミたちが使役する神魔たちは、公開されたイラストを見るだけでも日本神話的なもののほかに、やはり金子さんの作品だけあって、和洋折衷・世界中の神話伝承存在がモチーフになっています。体験プレイさせていただいた範囲では、物語上で宿敵の“登美のりこ”は、“ソロモンの指輪”を奪取したという話もありました。実際にソロモン王72柱の魔神である悪魔“バラム”も公開されていますよね。
金子
そこら辺は、はい。やっぱり(笑)。ソロモンの指輪なんかは、割とキーポイントのアイテムとして出てきます。この指輪はソロモン王が神殿を建てる時に足りない人手を補えと大天使から授かったもので、72柱の魔神を使役出来ます。
――72柱もの魔神を使役したことは魔術書『ソロモンの小さな鍵』こと『ゴエティア』にも記されていますよね。
金子
そう。ソロモンはこの72柱の魔神たちを、普段はどこかの湖の底に隠していた、なんて説もある。これって安倍晴明も同じような事をしてたよね。
――確かに、一条戻橋の下に十二天将を隠していたという伝承があります。
金子
自分の世界観設定の作り方として、こうした通じるものを見つけて、カスタムしていくっていう方法があるんです。今回も、ソロモンの魔神と晴明の十二天将が似ているのかなと思いつつ……これ以上はプレイして考察してほしいので語らないでおくものの、神や悪魔やソロモンの指輪が本作の世界観に存在する理由なども、プレイしながらだんだんと知っていく、見出してもらえたらうれしいです。
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あなただけの気軽で身近な神話に
――テキストを出せるところが少ないとのお話がありましたが、まさにその少なさこそが、何か妄想や想像を掻き立てるものなんですね。
金子
そうなんですよね。そこが大事ですよね。ちなみに、さきほどちらっとお話したんですが、ソロモン王の魔神は最初は72体全部出そうかなと本気で考えていたときもあったんですが。よく考えると……そりゃあ多いよなって。
ケビン
さすがに最初から72体は……と(笑)。ほかのボス神魔がまったく出せなくなりそうだなと思って、相談させてくださいと。
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金子
ちゃんと止めてくれる、いいプロデューサーなんです(笑)。
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ボス神魔として登場する“土蜘蛛” まつろわぬ神として知られる。
――ソロモン王の魔神を何体出すか、といったやりとりがおふたりの間であったというお話を伺うだけでも、金子さん作品らしさを強烈に感じます。
金子
そうかも(笑)。でも、『神ツク』は世界観もとても臨機応変というか、さまざまな設定が形を変えてもハマるんですよね。スムーズに滞りなく作れるというか、全然ストレスがない、というのが気に入っていますね。もちろん、全部気に入っているんですが。
ケビン
自分も、道中のイベントなどいろいろなところに、ストーリーがあるところも個人的に気に入っています。「つい考えさせられる」というところがすごくいいなというのと、プレイしていて、端々にどこか神聖さがあったりとか、単純にプレイして終わりっていうだけではない……というか。
――そのリプレイ性に、さらにプレイヤーごとに異なる神魔札が生まれてくることになると、本当の意味で何回も楽しめる作品になっていそうです。
ケビン
まさにそれを目指しました。何か「あのときの選択肢、どっちだったんだろう?」ていう気持ちが後を引くというか。ゲーム的な選択肢もそうですし、問いかけに対する選択肢もそうなんですよね。
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――お話を伺ってきて、早く“自分のスマホ”に入れてプレイする毎日を過ごしたくなってしまいます。きっとここまで読んでくださっている金子さん作品のファンや読者の方も同じだと思うのですが、神魔札というカードの形とスマホのイメージも近くて、童心に還って神のヒーロー“ツクヨミ”になりきった気分で神魔の坩堝となったタワマンへと足を踏み入れる日が待ちきれません。
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タワーマンション“THE HASHIRA”
金子
そう言ってもらえるとうれしいです(笑)。ずっと重厚長大なRPGを作ってきていたので、いちどスマホのゲームを作ってみたかったんですよ。プレイヤーが、気軽にいつでも遊べて、身近に寄り添って、持ち歩けるようなゲームっていいなって。新しい試みが目立つんですが、すごく気に入ったいいゲームに仕上がってきているのを感じているので、ぜひ気軽に遊んでみてください。
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おまけ ヒヒイロカネの神魔札、コロプラ社内で発見!?
――ちなみに、さっきからこれも気になってしょうがないのですが、テーブルに置かれた神魔札……実物ですか。
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金子
触っていいですよ。
――ありがとうございます。……って重たい。重量感があってものすごく重厚なグッズですね。
金子
ヒヒイロカネが手に入らなかったので、別の金属ですけど、いい感じですよね。
ケビン
まだ未定ですが、ノベルティとしてなんらか入手できる機会を作りたいと考えてはいるんですよね。
金子
いつか、この実物のカードに“盈月奉納の儀”などで採用されたカードを印刷して渡したりしたくなるよね。そのためにも、ぜひ多くの方に『神魔狩りのツクヨミ』をプレイしてもらいたいです。ちなみに、ヒヒイロカネで造ったらもっと軽くて、きっとアメックスセンチュリオンカードと同じくらい軽くなるはず(笑)。
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ファミ通.comの限定先行体験枠で、いち早く『神魔狩りのツクヨミ』をプレイして金子氏の世界に浸る
金子一馬氏とコロプラがタッグで世に問う、最新作は神話や伝承への深い知識をベースとしつつ、最新技術を遊びに変えんと試みる革新的なローグライクカードゲームだった。そんな『神魔狩りのツクヨミ』の世界で、いち早く“ツクヨミ”になって遊んでみたいと思った方は、ぜひ以下のリンクから、ファミ通.comの“限定先行体験枠”の抽選応募フォームをチェックしてみてほしい。
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