ロゴジャック広告

『鼻と花:スニファーの喜び』は誰もが夢中になれるアクションゲームなのに操作キャラがよりによって鼻。しかも鼻水の足で移動する【TIGS2025】

by小林白菜

更新
『鼻と花:スニファーの喜び』は誰もが夢中になれるアクションゲームなのに操作キャラがよりによって鼻。しかも鼻水の足で移動する【TIGS2025】
 TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2025でデモ版を試遊したそのゲームは、とても完成版のリリースが楽しみになる3Dアクションゲームでした。

 操作感はちょっと独特だけど慣れればとても直感的。ユニークかつ普遍的なアクションゲームらしい楽しさを持った本作は、遊べば日本のゲームファンの多くが夢中になるはずだと感じたのです。

 しかし、懸念点がひとつありました。それは、プレイヤーが操作するキャラクターが“鼻”であるということ。おまけに鼻の穴から飛び出た“鼻水の足”を器用に動かして移動するのです。
広告
[IMAGE]
これが本作の主人公、鼻のスニファーくんです。
 鼻水の弾力を利用した跳躍……鼻ちょうちんを膨らませた浮力による滑空……プレイしてみれば絶対に楽しいゲームなのに、潔癖な人はコンセプトを聞いた時点でプレイしてくれないかもしれない!

 でも、このゲームは主人公が“鼻”で、そして“ちょっと汚い”コンセプトだからこそ愛らしく、魅力的なのだとも思うのです。きちんと説明すれば、潔癖な人だってきっとわかってくれる……かどうかはわかりませんが、素晴らしいゲームの魅力はできる限り多くのゲームファンに届くべきもの。

 本稿ではそんな、インディーゲーム開発スタジオ・Tiny Nomadsが開発するPC向けアクションゲーム『
鼻と花:スニファーの喜び』(Nasal Nomad: Sniffer's Delight)をご紹介します。
【追記】さきほどまで『鼻と花:スニファーの喜び』のSteamページには日本語対応“なし”と表示されていましたが、Tiny Nomadsは本作を日本語ローカライズする予定とのこと。さっそく日本語対応に関してページを更新してくれました。イベントに出展していたデモ版はローカライズも素晴らしかったので、製品版もこのクオリティの日本語に期待したいと思います!

花の香りで回復しながら、悪臭漂う下水道からの脱出を目指す

[IMAGE]
 本作の主人公・スニファーは、人間の顔から引き剥がされ、下水道へと投げ捨てられた“鼻”。プレイヤーは彼を操作して導き、悪臭が漂う下水道からの脱出を目指します。

 ステージは3Dで表現されており、ある程度自由に動き回れます。このステージを渡り歩いていくために駆使するアクションの操作性が、楽しくも独特。
[IMAGE]
 ジャンプはボタンを押した瞬間に実行されるのではなく、長押ししているあいだゲージが増減し、離したときの貯まり具合で飛距離が変わります。

 同じ要領で、空中ジャンプも1回可能。少し慣れが必要ですが、うまく使いこなしてぴょんぴょんと足場を乗り継いでいくのはシンプルなジャンプアクションとは異なる気持ちよさがあります。
[IMAGE][IMAGE]
ゲージが貯まっているときにボタンから手を離せば大ジャンプ!
 もうひとつ重要なアクションが、鼻水の足をびよ~~んと伸ばして鼻本体を横方向に勢いよく飛ばすというもの。勢いよくぶつかれば木箱などを破壊できるほか、勢いをつけ過ぎず軽めにぶつかれば、積み上がった木箱を倒して足場を作ることもできるのです。

 下水道にはこれらのアクションを駆使して踏破すべきさまざまなギミックが散りばめられており、ゴールにたどり着くだけなら基本のアクションがひと通り使いこなせていればオーケー。収集要素をコンプリートしようと思ったら、ちょっと難度高めのアクションに挑戦する必要がある場合もあるようです。
[IMAGE]
鼻水びよーん。
[IMAGE]
木箱を倒して足場を作る場面も。
 加えて一筋縄ではいかない要素が、時間経過とアクションによって減少していく画面中央の“肺”の形をしたメーター。ゼロになるとチェックポイントからやり直しになってしまいます。臭い匂いは鼻であるスニファーの天敵。悪臭が充満している下水道では、呼吸をするだけでツラいのかもしれません。

 この肺メーターを回復してくれるのがステージのいたるところに生えている花です。花の芳しい香りを嗅いで体内(鼻内?)に満たすことで、スニファーの肺メーターは全回復します。
[IMAGE][IMAGE]
花の芳しい香りで肺を満たそう。
 この花はチェックポイントも兼ねており、“どちらに進めばゴールに近づくのか?”の目安にもなっています。

 肺メーターの存在は厄介ですが、制限はそこまでシビアではなく、「どうすればメーターがゼロになる前にあの収集アイテムをゲットして花がある場所まで戻れるか?」と考えながらプレイする適度なやりがいにもつながっている印象でした。
[IMAGE]
花がある場所を目指していけば、道に迷うことはない。
 デモ版のクライマックスには、ここまでに覚えてきたアクションでは届かない遠いところにある足場に着地しなければいけない場面が。ここで活躍するのが冒頭でも少し触れた“鼻ちょうちん”!

 ボタンを3回押して最大まで膨らませた鼻ちょうちんの浮力でふんわり移動。空中ジャンプも組み合わせれば、無事向こう岸の足場まで届き、ステージクリアーできました。
[IMAGE][IMAGE]

鼻をゲームの主人公にしてはいけない決まりなんてどこにもない!

 『鼻と花:スニファーの喜び』が気に入ったことを会場にいたTiny NomadsのCEOを務めるJad Tawbi氏に伝えたところ、後日メールで本作についていろいろと教えてくれました。
[IMAGE]
TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2025に出展したTiny Nomadsの面々。
 Tiny Nomadsはスウェーデンにあるインディーゲームスタジオ。『鼻と花:スニファーの喜び』はおもに4人のチームで開発中。ゲームのアイデアが生まれたのは“深呼吸”がテーマのゲームジャムだったとか。だから“花の香りを深く吸い込む”という要素が入っていたんですね。

 「なぜ鼻を主人公にしたのですか?」と聞いてみると、本作のことを知った人の多くから投げかけられる質問だったそうで、そんなときは「鼻を主人公にしちゃダメなのかい?」と返していると回答。決まって質問者は笑いながら納得してくれるということでした。

 『鼻と花:スニファーの喜び』の開発で大事にしていることは、ユニークなテーマ、引き込まれるストーリー、そして“笑い”を軸にした体験なのだそう。上記のようなユーモアを愛する作り手ならではのコンセプトだと感じました。
[IMAGE]
 本作のゲームデザインにおいて大きな影響を受けたのは、彼らが子どものころ夢中になったゲームの数々。具体的に挙がったゲームタイトルは、『スーパーマリオ』、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』、『パックマン』、『クラッシュ・バンディクー』、『レイマン』、『塊魂』など。

 古今東西、記憶に残るゲームキャラクターの多くに共通している特徴に、“キャラクターデザインからどんなゲームなのかがすぐ理解できる”というものがあります。Jad氏が挙げたゲームの中では
『パックマン』や『塊魂』などがとくにわかりやすいかと思います。

 息を吸うための器官であり、ときとして粘り気のある液体が出たり引っ込んだり、ぷくーっと風船のように膨らんだりする。
『鼻と花:スニファーの喜び』のゲームシステムは、すべて鼻に備わった機能から直感的に理解できるものであることにお気付きでしょうか?
[IMAGE]
 これまでほとんど注目されてこなかった“鼻”の普遍的アクションゲームとの親和性を発見した『鼻と花:スニファーの喜び』は、まず見た目のインパクト、そしてゲームプレイの楽しさ・わかりやすさ・ユニークさから、きっと一度触れたら忘れられないゲームになると思います。

 発売時期は2026年初頭を予定しており、これに先立ってデモ版(体験版)の配信も予定しているとのこと。遊んでみたくなった方は、ウィッシュリスト登録および公式アカウントのフォローをお忘れなく!
[IMAGE]
イベント参加のため日本にお越しくださった皆さん。観光も満喫されたようで、秋葉原を訪れた際の写真もお贈りいただきました。
この記事を共有

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

集計期間: 2025年04月26日05時〜2025年04月26日06時