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【バイオ9】『バイオハザード レクイエム』先行プレイ。ライターのか細い灯りで髪が光り、揺らめく……リアルという言葉では収まらない表現と演出が、脳髄へダイレクトに恐怖を叩きつけてくる【gamescom 2025】

byででお

byぽんきち

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【バイオ9】『バイオハザード レクイエム』先行プレイ。ライターのか細い灯りで髪が光り、揺らめく……リアルという言葉では収まらない表現と演出が、脳髄へダイレクトに恐怖を叩きつけてくる【gamescom 2025】
 2025年8月20日~24日の5日間、ヨーロッパ最大級のゲームイベントであるgamescom 2025が、ドイツ・ケルンで開催。カプコンは、2026年2月27日に発売予定のプレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、Steam向けソフト『バイオハザード レクイエム』をプレイアブル出展。事前に出展バージョンを試遊できる機会を得たので、レビューをお届けする。
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※文中のボタン表記はPS5版のもの。

逃げても、走っても、どこにでも! ひたすらに追われる恐怖と焦燥感

 今回試遊できたのは、2025年6月にアメリカ・ロサンゼルスで開催された“Summer Game Fest2025”にて関係者向けに出展されたバージョンとほぼ同等のもので、PS5版での試遊となった。
 いざゲームを開始すると、プレイヤーキャラクターである主人公・グレースが縦になったベッドに縛り付けられ、なおかつ逆さ吊りになっている状態。身動きが取れない状況でどうするのか眺めていると、彼女は採血用の器具らしきガラス瓶を割ってナイフ代わりにし、どうにか束縛からの脱出に成功する。このことから、グレースは窮地でも冷静な判断ができる人物であることがうかがえた。
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 脱出まではコントローラーでの操作を行うことなく進行したが、グレースの汗や息遣い、肌にへばりついた血の跡など、表現力のすさまじさに脱帽。「息を飲むとはこういうことか」と、終始モニターにかじりついて見入ってしまった。なお、ここからグレースを操作できるようになる。目的はいまいる建物から脱出することのようだ。
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鏡に近づくとグレースの顔が映る。歪んで見えるのは鏡が汚れているせいなのか?
 操作回りは既存のシリーズ作品とほぼ同じで、直感的かつスムーズに動かせる。左スティック+ ×ボタンでクイックターンなどおなじみのアクションができるのも同じだが、ダッシュは左スティック押し込みのみだった。もし『バイオハザード RE:4』でR1ボタンのダッシュに慣れていた人は注意が必要かもしれない。
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 グレースが捕らわれていた病室(?)から出て探索を開始。と、部屋から出たとたんに廊下が真っ暗でビビる。そこかしこに電灯のスイッチがあるものの、効いたり効かなかったりともどかしい。“光り”と“暗闇”に何かしら意味があるような気もするが……。
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 いきなり外へ出られそうなところを発見。しかし、そう簡単にいくわけがない。スイッチを押しても反応なしで、ヒューズを入手して開閉装置に設置しなければならないようだ。
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 探索中に引き出しから“天使の鍵”を発見。こういったアイテムを回転拡大などで自由に閲覧できるところは既存のシリーズと同じで、「『バイオ』らしくなってきた」とニンマリしてしまう。

 鍵がかかっていた扉に天使の鍵を使ったところ、開けることができた。ガチャッと回す演出が入るのもいつも通り。扉の開閉にも『バイオ』らしさが感じられた。
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空のインクリボンを入手。いったい何に使うのだろうか。
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 扉の奥の部屋でさまざまなアイテムを入手すると同時に、お目当てのヒューズを発見! しかし持ち出すには何かしらの工具を使うようだ。まだ探索していない場所があっただろうか……?
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 通路がやたら暗いので、懐中電灯代わりに手に入れたオイルライターを使ってみた。周囲をほのかに照らしてくれると同時に、グレースの金色の髪も反応して光る。恐らくゲームの攻略自体には関係しないのだろうが、細かくていい表現だ。
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 療養所の職員らしき人物の死体を発見。グレースは冷静に死体を調べて「感染している」とひと言。ウイルス関連の知識がしっかりあることが見て取れる。
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 と、ここで唐突にクリーチャーが出現!(思わず声が出そうになったが必死に我慢した) かなり大きめの体躯をした異形に圧倒されてしまった。よく見ると人型であり、衣服も身に着けている。このあたりからも余計に不気味さが感じられた。
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 グレースは武器になるものを何も持っていないため、逃げるしかない。脱兎の如く駆け出すが、足がもつれて思うように走れないグレース。冷静に死体を調べていた様子から一転、この変わりようは内向的で怖がりだという彼女の弱々しさと感情を表現すると同時に、プレイヤーに対してもいまが絶体絶命の状況であることをダイレクトに伝えてくる。

 「早く、早く走って!」という気持ちが一番に湧くが、同時に「これはずっとこのままなのだろうか」、「どこかのタイミングで動じないようになったり?」など、いろいろとグレースの“今後”を妄想できるところもおもしろい。
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 最初の部屋に逃げ込むも当然行き止まり。「しまった」と気付いたときにはもう遅い。ヤツが入ってきたら中央の椅子を使って回り込めばいいか、などと考えていると、クリーチャーは部屋に入るなり苦しんだ様子で退散していった。どうやら明るい場所が苦手らしい。しかし、通路は暗闇なのでここから先はクリーチャーとの遭遇に怯えながら探索をするしかない。
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回復アンプルを発見。体力を完全回復してくれるのはありがたい。もっと欲しい。
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 探索を続けるも、いつ、どこで出てくるかが予測できないため、襲い来る焦燥感がすごい、というかとんでもない。手に汗握るのは当たり前、呼吸も自然と大きく荒くなってくる。

 ロッカーからシリーズおなじみのアイテムであるグリーンハーブを入手。アイテムの説明文を読む限り、ブルーハーブやレッドハーブも本編に出てきそうだが、試遊範囲では見つけられなかった。残念。
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ワゴンを投げつけられてドーン! びっくりした&めっちゃ痛そう。
 行く手をさえぎるように再びクリーチャーが出現。部屋は広いものの位置関係的に背後へ回り込むのは難しく、どうするか迷っていると、何とクリーチャーは医療用ボンベなどが積載されたワゴンをこちらに飛ばしてきた。えっ、そんなのアリ!?
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 慌ててクリーチャーから離れようとするも、攻撃を受けてしまう筆者。すぐに回復アイテムで体力を回復させるも、手持ちはもうほぼないのでかなりまずい。ちなみに回復アイテムはR1ボタンで即座に使用可能だ。『バイオハザード ヴィレッジ』と同じ操作のため、シリーズファンなら迷うことなく使えるはず。
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 探索を続けるも、キーアイテムと思われるヒューズを外すための工具が一向に見つからない。ここで先ほどの追われる立場であるがゆえの焦燥感が影響してくる。何かを見落としている or 気付けていないのは間違いないのだが、それがどこなのか、何なのかすらわからず、わからないからもっと迷うという悪循環に陥る。この焦りこそが制作陣の狙いかもしれない。
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 途方もない時間(実際は数分程度だが)迷い散らかした末、先ほどクリーチャーの襲撃を受けた部屋へ。ぶつけられたワゴンに近づくと、上へ登れることにようやく気付けた。さっそく上がり、高い棚の上に置かれていた工具箱を調べると、ついにドライバーをゲット! この上ない安堵感に包まれるが、直後の展開へのフラグに思えて仕方がない。
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 あとはヒューズを手に入れて脱出するだけ。ではあるが、やはり当然のようにクリーチャーが元気よく飛び出してくる。しかも、明るい部屋でやり過ごそうとするも、強制的に部屋の灯りを消すという暴挙に出られてしまった。もはや安全地帯はなさそうだ。
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唐突に雷が鳴る演出も。グレースが反応して軽く悲鳴を上げるので、こちらも釣られてびっくりしてしまう。
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 行く先々で先回りするかのようにクリーチャーが出現するため、とにかく逃げ回るしかないのが歯がゆい。「とにかく冷静に……落ち着いて行動しよう」と自身に言い聞かせ、どうにかクリーチャーをやり過ごしてヒューズのある部屋へたどり着いた。

 ドライバーを使って無事にヒューズを入手できたものの、またもクリーチャーが出現し、そのまま開閉装置へヒューズを取り付けて脱出するところで試遊は終了した。短い試遊時間だったが、気付けば手が汗でびしゃびしゃになっていた……。

恐怖体験にフィーチャーした内容。グレースの成長も見どころに

 公式サイトで見られるクリエイターメッセージにて、プロデューサーの川田将央氏が「恐怖体験にしっかりとフィーチャーした内容」とコメントしていた通り、かなりホラー要素に重点を置いた内容になっていると感じた。
 さらに光源や空気感、人の髪の毛や生々しい血糊など、繊細かつ研ぎ澄まされた各種表現が盛り込まれており、じわじわと恐怖感を煽ってくるのもポイント。とくにゲーム中の演出やイベントなどにグレースが逐一反応してくれるので、それをプレイヤー目線で見られるのも恐怖、並びにおもしろさにつながっているように思えた。

 今回のバージョンでは、いわゆる戦闘は存在しなかったが、本編ではグレースが銃を手にクリーチャーと戦うシーンもあるようだ。そのため、本バージョンで見られた“とても弱々しいグレース”がどのような体験をし、どう成長していくのかも見どころになるだろう。

 発売は、シリーズ生誕30周年を迎える2026年の2月27日。そこまで遠いわけではないので、これからどんどんと出てくるであろう情報を楽しみに待ちたい。
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