
美しく表現された中世ヨーロッパ風の世界で、恐ろしい事態に陥ろうとしている世界を守る物語が描かれる。
対応ハードはプレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam)。2024年秋発売予定だ。前作『ドラゴンエイジ:インクイジション』(2014年)からじつに10年ぶりの新作発売ということで、発売を心待ちにしているファンも多いのではないだろうか。
デモプレイはクリエイティブディレクターJohn Epler(ジョン・エプラー)氏によって操作されるゲーム冒頭約1時間を見ながら、隣に座った記者が随時質問を行うという形式で行われた。
ジョン氏はバイオウェア制作のニンテンドーDS用RPG『ソニッククロニクル 闇次元からの侵略者』(発売:セガ/2009年)の開発時にQAテスターとして同社に入社。以来、10年間シネマティック分野に従事し、現在はディレクター職を務めている。
本稿では、SGF2024で行われたデモプレイについて紹介する。なお、キャラクタークリエイション以降のプレイ範囲は2024年6月12日0時に公開された公式プレイ動画とほぼ同内容。こちらの動画も合わせてご覧いただくと、本作についてより理解が深まるだろう。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/7835/a1e7585a69e8a1202be3990992a8e4c0b.jpg?x=767)
キャラクリエイトからスタート
続いて、ウォリアーやローグ、メイジと言った6つのfaction(ファクション、派、派閥)からひとつを選択。これにより服装も変化し、また、ファクションごとに持っているスキルも異なる。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/7835/a5efd95b63331b55b12cfede8ea141298.jpg?x=767)
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/7835/a0321bcee35da7f5b13d90234e1ae7dfc.jpg?x=767)
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/7835/a8bad6003435f53af5816c8bb419442c1.jpg?x=767)
2柱の神が召喚され、世界を恐怖に陥れる
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/7835/a0ec05ba72f185d801aef0dbe103733d5.jpg?x=767)
デモプレイは全編英語音声、英語字幕、そして動画撮影禁止という状況で行われたため、ストーリーの理解に齟齬があるかもしれないことをあらかじめお伝えしておこう。
オープニングは村の酒場からスタート。主人公は誰かを探しているらしい。店主に尋ねるも答えてはくれないようだ。ここで選択肢が登場し、有効的に振る舞うか、戦うか、もう少し尋ねるかなど選択が可能だ。
「ここは攻撃的に行きましょう!」という、攻撃的なジョン氏の手によりあっという間に戦闘へ。
これらの選択はゲームを進めるにつれて頻出し、どういった振る舞いを選択するかによって主人公が性格付けられていくのだという。
たまたま居合わせたドワーフ・ヴァリックの助力もあり、主人公は尋ね人の行き先を知ることができた。
美しく作り込まれた魔法の世界
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/7835/a475fc1c1a772668ca266981cb6f26575.jpg?x=767)
街には夜でも明かりが灯っていたり、人々は魔法の力を現実世界の家電と同じようなものとして活用しているという。街のグラフィックはじつに美麗で、中世ヨーロッパ風の家屋や建物、店舗、魔法灯が照り変える水たまりや土の道、半分朽ちている木の柵などがリアルに細かく作り込まれている。
「街の描写にはふたつの柱があります」とジョン氏は言う。
ひとつは“主人公がその街にいないときでも、人々はそこに生きて活動しているのだと信じられる世界(の実在感)”、もうひとつは“プレイヤーの選択が関わる”という点だという。たとえば、街にいる浮浪者にコインをあげたり、あげなかったりできるそう。
街を進むとハーディングと合流。彼女は前作から登場する人気キャラクターだ。
背景情報は不明なところも多いのだが、本作の世界を変えようとしている魔法使いソラスを止めるために、主人公たちは急いでいるようだ。
再び戦闘へ。戦闘はアクション方式で行われる。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/7835/a601f4db853a709776005cdbe3c20962d.jpg?x=767)
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/7835/ae6f2852edf22c3e8d204e504d054d3ce.jpg?x=767)
複数の敵に対して、パーティーとなった主人公たちによる多対多の戦闘が行われる。戦闘では、ホイールから使用するスキルをショートカットに選択し、状況によって使い分けていく。近接戦闘では剣によるコンボをつなげたり、魔法や弓矢による遠隔攻撃でダメージを加えたりと攻撃方法は多彩。弓に矢をつがえた際はTPSのような視点になり、素早く照準を定めるなど戦略的かつ変化に富んだ戦闘が楽しめそうだ。
アーマー状の防護を持つ強めの敵が現れた際は、まずアーマーを剥がす必要があるなど、ボタン連打ゴリ押しではうまくいかないであろう戦闘は、歯ごたえのあるものになっているようだ。
シリーズ初体験でもわかりやすいストーリー
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/7835/a90f002fbaf123238701bd8b6c07230f8.jpg?x=767)
ストーリーは「シリーズのファンはもちろんのこと、これが初めての『ドラゴンエイジ』になるという方でもしっかりと楽しめる、スペクタクルを描くものになるよう心を砕いています」とジョン氏は語る。
実際、シリーズについての知識がない記者が、半分ほどもわからない英語の波に襲われながらも、“悪い者を召喚しようとしている魔法使いを止める”という最序盤の物語について大筋は理解でき、「おもしろそうな展開だ」と興味が引かれるものになっていた。
さらに重要に関わってくるのがさまざまな“選択”。
たとえば、「(召喚の儀を行おうとしている)ソラスは旧知の仲だ。俺に説得させてくれ」と語るヴァリックに同調するか止めるか選べたり、仲間のネイブかハーディングどちらかとふたりで行動することになるのだが、その際もパートナーを選ぶことができたりする。
シリーズ作品に登場するキャラクターが多く登場するため、前作を知っている人はより楽しめることは間違いないだろうが、知らずとも本作の展開は楽しめるように作られている。
進行中、プレイヤーの選択により展開が変わり、ロールプレイはより深まることとなる。
プレイヤーの選択によってドラマや物語が大きく変わる中世ヨーロッパ風PRGといえば『ウィッチャー3 ワイルドハント』(発売:スパイク・チュンソフト/2015年)というファンタジーRPGの金字塔が思い浮かぶ。
戦闘がアクションであることも含め、おおまかに言うと似ている点もあるが、『ウィッチャー3』では主人公がゲラルトという決まったキャラクター、定まった人格を持っていた。本作ではキャラクタークリエイションを行い、主人公の性格は定まっていない。主人公=プレイヤーの写し身、というタイプのRPGであり、プレイヤー自身がより振れ幅の大きな選択を行える、ロールプレイしやすいシステムとなっている。
仲間たちとどのような戦法で戦い、誰とどのような物語を紡ぐか、プレイヤーに大きく委ねられている。
まとめ:まさに王道ファンタジー。いいローカライズに期待
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/7835/a6ff460a8e37c3b14b5b196fb3d1c81a1.jpg?x=767)
さて、主人公たちがなんとか止めようとしていた召喚の儀式だが、「以前いっしょに旅をしたじゃないか!」という、ソラスの情に訴えるヴァリックの説得むなしく(割合あっさりと)儀式は行われ、ふたりの悪神がセダスに降り立ってしまった(ソラスにはソラスで、何か考えというか事情があるようだが)……。
というところでタイトルコールがなされデモプレイは終了。ここまで時間は約1時間ほどの流れで、ゲーム全体のオープニングパートが披露されたというかたちだ。
ここで記者の感想をまとめておく。
グラフィックのクオリティーは文句なしですばらしい。現代のRPGのなかでも最高レベルにあると言ってよさそうだ。今回のプレイでは時間の都合もあり駆け足で去ってしまったが、とくに街の描写には力が入っているというジョン氏の言葉通り、世界のリアリティー、生活感を生む小物類までじっくりと眺めてみたいほどだ。
戦闘は見る限りスムーズにアクションが行われており、また攻撃手段やスキル、アビリティも豊富に用意されており自分なりの戦いかたが構築でき、慣れれば慣れるほどに楽しさが増していきそう。敵の攻撃を避け(ドッジ)し、近づけるなら近接攻撃で、難しそうなら遠隔攻撃を当てて体力を削るというアクションゲームの基礎的な楽しさが用意されている。
物語や世界については、まさに王道ファンタジーという内容で、ドラマティックでありながらそこまでおどろおどろしい雰囲気ではなく好感を持った。
物語の筋やドラマの見せかたはわかりやすく映画的。本格的なヨーロッパ風ファンタジー世界でありながら日本人にも受け入れやすそうに感じた。
とはいえ、くり返すようだがデモプレイが英語で行われたため、セリフのニュアンスや世界設定について日本のプレイヤーがどこまで楽しめるか、大きな期待を抱きつつも現段階では未知数。ていねいでわかりやすく、おもしろい日本語ローカライズが行われるかどうか、注目を続けたい。
商品概要
- タイトル:『ドラゴンエイジ: ヴェイルの守護者』
- ジャンル:RPG
- 発売:エレクトロニック・アーツ
- 開発:バイオウェア
- 発売時期:2024年秋発売予定
- 対応ハード:プレイステーション5、Xbox Series X|S、PC(Steam)