ユービーアイソフトが2024年8月30日に発売予定のオープンワールドアクションアドベンチャー『 スター・ウォーズ 無法者たち 』。本作は、Lucasfilm Gamesの協力のもと 『ディビジョン』 シリーズのMassive Entertainmentが開発を手掛ける、 『スター・ウォーズ』 シリーズ初のオープンワールドゲーム。 映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』と『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』 の中間にあたる時期の銀河の裏社会が描かれ、プレイヤーは悪党ケイ・ヴェスとなって相棒のニックスとともに、銀河でその名を轟かせていくことになる。
このたび、発売に先駆けてメディア向けプレビューイベントが開催。そこでプレイできた内容を、スター・ウォーズファン視点からお届けしよう。
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今回プレイしたデモはおもにメインストーリークエストで、クエストの合間には、スピーダーでワールドを探索したり、サブクエストをこなすこともできた。
まずこのイベントシーンの画面写真を見て、横長だなあと思う人も多いはず。本作は21:9のワイドスクリーンでのプレイが推奨されている。なぜかというと、EP5やEP6が撮影された時代のカメラレンズの効果をゲームエンジンに組み込んでおり、当時のレンズならではのピント外のボケや画面両端の魚眼のような歪みをわざと再現しているから。 これによってシネマティックで、味わい深い表現が可能になっているのだ。
デモは、ケイが衛星トーシャーラに着陸したところからスタート。この衛星は本作のために制作されたもので、サバンナ風の土地と、大地から突き出たアンバーリーン(琥珀)の岩石が特徴的。 ここで出会うメカニックのワカは、おなじみのローディアン種族。気さくでテキトーっぽさもあって、いいキャラ。
……と、ここでいきなり戦闘発生。ブラスターで応戦するのだが、これはスペシャルムーブのチュートリアル。右下のゲージが満タンになったときに発動でき、バレットタイム(時間がスローになる)のあいだに複数の敵をマークして、一気に仕留めるというもの。
その後はスピーダーに乗って、トーシャーラの主要都市であるミロガノシティへ。 『スター・ウォーズ』 ゲームでこんなに自由にスピーダーを乗り回せるのって、本作が初なのでは。しかもオープンワールドで!
最初のクエストは、トーシャーラで幅を利かせている“パイク・シンジケート”のアジトからとある情報を盗み出すというもの。パイクはドラマ 『ボバ・フェット』 にも登場していましたね。スパイス貿易をしていた、あのパイク・シンジケート。
街を警備するトルーパーに出会い、ひと興奮。
アジトに忍び込むと、当然ながら敵がウヨウヨいて、気づかれれば一斉に襲ってくる。ブラスターで全部倒していくか、スニーキングでひとりずつテイクダウンしていくか。このへんは、 『アサシン クリード』や『ウォッチドッグス』 などでも同じような感じ。
ただ、本作ならではの戦いかたとして、相棒のニックスを使う手がある。ニックスに敵を攻撃させると一定時間、相手の動きを奪ってくれるので、その隙に素早く近づいてテイクダウンを取るのだ。 相手がふたりだった場合には、片方にニックスをけしかけて、もう片方を気づかれる前に仕留めるという方法が有効で、ほかの敵を呼ばれることもなく倒しきれた。
敵におそいかかるニックス! がんばれニックス!
ケイの大振りのぶん殴りモーションが好き。『インディージョーンズ』のハリソン・フォードみたい。
ニックスは攻撃のほかにも、離れた場所で敵の気を引く、アイテムを拾ってくる、ドアを開ける、ケイが入れない狭い通路に入る、などさまざまな形でサポートしてくれる。そして、癒やしてもくれる! ブラスターには3つのモジュールがあり(初期はひとつだけ)、“プラズマ”は敵にダメージを与え、“イオン”はドロイドなど一部の敵やシールドに効果があり、“パワー”は最大出力での攻撃が可能。そのほかにブラスターでは、連発はできないが静かに相手を気絶させるスタン弾も使用でき、隠密行動時に有効だ。 また各モジュールを拡張することで強化が可能で、今回のデモではプラズマをラピッドショット(連射)に切り替えて使うこともできた。
クエストの目標は画面右上に表示されるので、基本的にはそれに沿って行動すればオーケー。ここでは、2ヵ所あるアジトの電源を解除してドアを開けること。 目的の部屋に着いてコンピューターにアクセスすると、パズル型のミニゲームが発生。正しい順番に記号を入力すればクリアーとなる。
正しい位置にある記号は青で表示され、順番は違うが答えに使われている記号は黄色で表示されるのでそれをヒントに解いていく。
このあとコンピューターにアクセスしたことがバレて、敵が襲ってくるんだけど、スタコラーと脱出してこのクエストは終了。 その後が大事なポイントで、手に入れた情報をパイクのために守るのか、別のシンジケートである“クリムゾン・ドーン”に渡すのか、選択に迫られる。ゲームを通して重要になるのが、各シンジケートとの関係性を表す“評判システム”だ。
特定のシンジケートと有効な関係を築けば、シンジケートのテリトリーに入ることができたり、特別なショップやスペースシップの発着場を利用できたりと、メリットは多い。 ただ、こっちを立てればあちらが立たずといったジレンマがあり、このような駆け引きを随所で行うことになる。これがゲームのキモであり、悪党としてどう犯罪シンジケートと渡り合っていくか、プレイヤーの数だけの別の体験が待っているというわけだ。 ちなみに、シンジケートの評判が最低になると、容赦なく追手を派遣してくるとのこと。バウンティーハンターと戦うことになるのだろうか……それはそれで楽しそうだ。EP5、EP6といえばボバ・フェットですよね。追われてみてぇ!(ゲームに出てくるかなあ……)
こちらがシンジケート“クリムゾン・ドーン”の幹部(かな?)。トワイレック種族のセクシー美女。
クリムゾン・ドーンといえば、映画『ハン・ソロ』に登場。ボスを引き継いだのは、ハン・ソロの元恋人であるキーラという女性で、なんと彼女が本作に登場する! キーラのその後が本作で描かれるということで、『スター・ウォーズ』ファンの俺歓喜!
さて、何やかやあり、つぎは帝国の燃料補給ステーションに潜入するクエスト。タイ・ファイター(!)の誘導でステーションに入ると、中にはおなじみのトルーパーや制服の帝国軍人などがわんさかいて、テンションが上がりまくり。
ここでも、敵に気づかれずに内部を進んでいくことに。まずはトルーパーをやっつけて、スーツを奪ってレイア姫を探しに行くんだ!(ちびっこトルーパー)……ということではなく、ボスノックというガラス瓶に入ったガルーシアン種族を船外へ連れ出すことに。
道中には貨物に隠れながら進んだり、トルーパーとのブラスター合戦があったりと、さまざまな見せ場がある。
こちらがボスノック。この種族は映画『ハン・ソロ』の船上パーティーシーンに登場。開発者がとても気に入って、本作に登場させたとのこと。
ステーションからの脱出時には、派手な銃撃戦が展開。おなじみのブラスター音が気分を盛り上げてくれる。敵の周囲にある燃料などのオブジェクトを撃ってまとめて倒すといった、環境を利用した戦法も有効だ。 そしてトレイルブレイザー(ケイの宇宙船)に乗り込んで、宇宙空間へ脱出……と来れば、帝国の主力戦闘機であるタイ・ファイターとの交戦も! このクエスト、終始テンションがMAX状態。 ちなみに、帝国のテリトリーで法を犯すと賞金首状態(WANTED)となって、賞金稼ぎに追われることになってしまう。帝国は警察みたいな立場だと思ってもらえれば。やたらおっかない、あのデス・トルーパーもいるようです。
デモ中には、ブラスターにイオンモジュールを追加する強化が行えた。ケイとニックスの強化については、ほかにアビリティの習得がある。 アビリティはワールドの各地にいる専門家から出されるお題をクリアーすることで習得が可能。特殊な技を習得して戦闘能力をアップさせたり、スピーダーの技術を習得して探索できるエリアを広げたりしていける。
専門家の情報や、サブクエストの情報は、カンティーナで会話をしたり、客のウワサ話に聞き耳を立てると得られることもある。こういう酒場での情報収集ってのも悪党っぽい。
ほかにも、トレイルブレイザーのミサイルやレーザーを強化したり、スピーダーをカスタマイズすることも可能。 さらに、ケイが装備する服には特殊効果が付いている。戦闘やステルスに有利なものなど、さまざまな服が用意されているので、状況によって着せ替えるといい。ちなみに、効果を保持したまま外見を変える機能もある。
さらにちなみに、シーズンパスで手に入る限定コスメティックの“ケッセル・ランナー”は、ハン・ソロの衣装そのもの! ニックスの衣装もチューバッカ風でかわいい! ケッセル・ランは惑星ケッセルへの航路でハン・ソロはそれを12パーセクでうんぬんかんぬん……。
最後に行ったクエストは、惑星キジーミでシンジケート“アシェガ・クラン”の盗まれたレリックを、クリムゾン・ドーンのアジトから奪取するというもの。
メリートゥもキジーミも、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に登場。アシェガ・クランというシンジケートは本作のために制作。
クリムゾン・ドーンからの評判はあまりよくなく、正面の入口からは当然入れないので、まずは忍び込める入口を探す。こちらは隠密行動がメインのクエストになっており、ニックスやブラスターのスタンが大活躍。
ドロイドの敵には、ブラスターのイオンモードが有効。
ドアには鍵がかかっており、ヘアピンに仕込んだデータ・スパイクを使ってアンロックする必要がある。R2-D2がよくやってるアレね! ミニゲーム仕立てになっていて、光りの点滅パターンを覚えて、その通りにボタンを入力する。
アジトからの脱出時には、またもやドンパチ。壁にカバーしたままブラスターだけを出して撃ったり、飛んできたグレネードをダッシュで避けて、そのままスライディングからのカバーなど、流れるようなアクションも気持ちいい。
さて、本作ではジェダイにはなれないし、フォースは使えない。もちろんライトセーバーで戦うゲームは大好きだけど、同じくらいハン・ソロのようなキャラクターも好きだ。 ハン・ソロやランド・カルリジアンも密輸業者だったし、いわゆる悪党だ。ケイ・ヴェスは、何もわからないのに強気にハッタリをかましたりするところが新米の悪党っぽくていい味を出している。しかし、たいていは失敗しているような……。 もちろん、僕のような『スター・ウォーズ』 ファンなら、タトゥイーンの再現度やカンティーナの雰囲気、ワールドで出会うさまざまな種族、ドロイド、戦闘機や、ジャバ・ザ・ハットを始めとする有名なキャラクターたちに興奮することは間違いない。
ただし、その 『スター・ウォーズ』 要素を省いたとしても、ゲームとしてとても楽しい。つぎつぎと何かが起こるジェットコースターのようなストーリー、カバーやスライディングを駆使する軽快なガンアクション、スペースシップでのドッグファイトなどがめまぐるしく展開する。これは、純粋に楽しい。 そして、オープンワールドは探索要素に満ちていて、いっしょに旅をする相棒はかわいい。
『スター・ウォーズ』 ファンならずとも、プレイする価値は十分にある。 発売まで約1ヵ月、気分を高めるためにもう一度、関連作品を観返しておこうかなあ。本作のプレイ前には、 『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』、『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』と『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』に加えて、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』 を観るのがオススメです!
ゲームではポーカーのようなカードゲーム“サバック”もプレイできる。映画『ハン・ソロ』では、ハン・ソロがサバックで勝負して、ランドからファルコンを勝ち取ったエピソードが観られますよ!
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・開発者インタビュー 第2回
・開発者インタビュー 第3回
・開発者インタビュー 第4回
・開発者インタビュー 第5回