2Kより発売中のテニスゲーム『 TopSpin 2K25 』(トップスピン 2K25)(対応ハードはプレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、Steam)。本記事では同作のプレイレビューをお届けする。なお、記事内での操作方法の表記、使用している画像などは、Steam版に準じている。 ※この記事は2Kの提供でお届けしています。 リアリティー溢れる映像とショットの多彩さでテニスの魅力を表現 『TopSpin 2K25』 は、プロテニス選手やブランド、コートなどが実名で登場する、リアリティーを追求したタイプのテニスゲーム。前作にあたる『 Top Spin 4 』から数えると、およそ13年ぶりの新作となり、シリーズが再始動するにあたって、発売元の2Kが展開するほかのスポーツゲームシリーズ( 『NBA 2K』、『WWE 2K』 など)と統一感のあるタイトルでの発売となった。 VIDEO
24名以上の実在選手がプレイアブルキャラクターとして収録されている『TopSpin 2K25』。
今年復帰した大坂なおみのような現役選手のほか、ロジャー・フェデラー、アンドレ・アガシといった、引退したレジェンド選手も選択可能。
テニスウェア、ラケット、シューズなど、選手が身につけているアイテムはほぼすべて実在のブランドの製品を採用。
ゲームプレイトレーラーや画像を見てもらえばわかる通り、グラフィックや選手の表情、サーブや各種ショットのモーションなどのクオリティーは非常に高い。そのおかげで映像を見ているだけでも没入感を味わえるが、実際にゲームを触ると映像の力と同等かそれ以上に「プロレベルのテニスをやっている」感を与えてくれるのが、 『TopSpin 2K25』 ならではのショット操作だ。 本作はABXY(PS5版、PS4版の場合は×〇□△)ボタンとRT(R2)、5つのボタンにフラット、トップスピン、スラッシュ、ロブ、ドロップと、それぞれ1種ずつのショットタイプが割り振られており、ショットを打ち返すまでのあいだにどれだけボタンを長く押しているかで、ショットの強度もノーマル、コントロール、パワーと、3段階で調節可能。ショットの種類、強度、ボールを飛ばす方向、すべてを理想通りに打つためにはある程度操作に慣れる必要はあるが、自分の思い通りの球でポイントを取れると、かなりの満足感が得られる。
ショットの強度はボタンをどれだけ長く押し続けたかで決まる。ボタンをすぐに離すとコントロールショット、ギリギリまで押し続けると画面上に赤い丸が表示され、パワーショットと判定される。
ショットの精度はゲージの緑部分でボタンを離せたかどうかで決まる。
サーブやショットが飛んでいく先は、球を打ち返した瞬間に、左スティックをどの方向に傾けていたかで変化。
また、ショットを打ち合うラリーの攻防に独自性が盛り込まれているのも 『TopSpin 2K25』 の特徴のひとつ。本作はパワーショットを連発したり、球を打ち返すために前後左右に大きく移動し続けていると、選手のプレイ精度が低下。ラリーが続けば続くほど、思った通りのショットを打つ難度が上がっていく(ラリーが途切れてつぎのゲームに移るとプレイ精度は戻る)。 この仕様は正確にパワーショットが打てれば高確率で勝てるイージーやノーマルレベルのCPUとの試合だとイマイチ使う必要がないと感じるが、高レベルのCPU相手や対人戦となると話は別。コントロールショットでのトップスピンやスライスといった体力消費がなく態勢を立て直すための時間を稼げる打ちかたが、ラリーを続けるための有効な武器へと化けるのだ。
左右に振られて体勢を崩した状態や、ラリーが長時間続いた際などにノーマル、パワーショットを狙うのはリスクになり得る。そういった場面では、ショットミスが起こりづらいコントロールショットや、相手のショットが返ってくるまでの時間を稼げるトップスピンやスライスが役立つ。
そのため本作にはサーブやスマッシュ、相手の位置を見てのロブを放つといったテニスゲーム共通のポイントを取りにいける仕掛けどころに加えて、いつパワーショットを打って決めにいくのか、それともコントロールショットでラリーを継続、よりよい状況を作り出してチャンスを待つのか……といった判断も勝敗を分ける要素になる。 先の展開を考えながらショットを打つのは慣れるまではなかなか骨が折れるが、同時にその歯応えが試合のおもしろさにつながっているようにも感じた。
ショットの打ち方などの基本操作に加えて、テニスのセオリーも学べる本作のチュートリアルモード、TOPSPIN アカデミー。ここで提示される課題をクリアーすれば、テニスのルールを知らない状態からでも本作を遊び始められる知識と技術が身につく。
プロ選手のステップアップと苦労を体験できるマイキャリア 作り込まれた試合パートとあわせて本作の大きな魅力となっているのが、プレイヤーの分身を育成していくマイキャリア。こちらはCPUとの試合を楽しみつつ、プロテニス選手としての生活を体験できるゲームモードだ。
2Kのスポーツゲームではおなじみのゲームモード、マイキャリア。
マイキャリアは髪型や顔のパーツといった外見、ラケットやテニスウェアなどのブランドを自由に組み合わせて作れるオリジナル選手、マイプレイヤーを作成したのち、いちプロ選手として世界中で行われるトーナメントや、特殊なルールで試合を行なうイベントに参加。テニス選手としてツアーを転戦する気分を味わいつつ、オンライン対戦でも使えるマイプレイヤーを育成する遊びも楽しめるようになっている。
マイプレイヤーの外見は、プレイヤーが自由にカスタマイズ可能。手っ取り早くマイキャリア本編をプレイしたい場合は、プリセットから気に入った見た目を選んでしまうのもアリ。
Mマイプレイヤーの髪型や身につけているアイテムは、マイキャリア本編が始まってからも変更できる。
マイキャリアは1ターンがトレーニング、特別イベント、トーナメントで構成されており、トーナメントに出場、もしくは休養を選ぶとつぎのターンへと進行。試合の結果に応じて世界ランキングが変動していく。 また、トレーニング、特別イベント、トーナメントは、参加すると経験値が得られ、一定まで溜まると選手のレベルが上がり、パラメーターを伸ばすポイントが手に入る。このポイントをどう割り振るかはプレイヤーが自由に決められるため、実在のトッププロ選手と同じレベル30まで育て切るころには、自分の好みのプレイスタイルかつ、性能も高いマイプレイヤーができあがっているという寸法だ。
トレーニング、特別イベント、トーナメントへの参加を行なうと経験値が得られ、休養を選ぶとエナジー(体力)を回復させられる。
トーナメント初優勝や1年(12ターン)が経過するなど、選手として節目になるトピックが起こると、メディアがマイプレイヤーを褒めちぎる音声が流れる、ファンや関係者からのメールが届くといった“演出”が入り、マイプレイヤーがキャリアアップを重ねていることが実感できる。
マイキャリアは実在選手どうしで戦うエキシビジョンやオンライン対戦より勝ちやすい(小~中規模トーナメントで戦う架空選手の能力が低い)、勝利条件を調整することで1試合にかかる時間を短縮できるなど、サクサク遊べる点が魅力だが、一方でプロとして活躍することの難しさを感じられる仕様もいくつか盛り込まれている。その最たるものは、マイプレイヤーの健康管理だ。 マイキャリアではトーナメントへ出場すると1試合ごとに体力が減少していくほか、特別イベントや試合会場への移動することでもエナジーが削られていく。とくに移動によるエナジー低下は見落としがち。たとえばマイプレイヤーの現在地がヨーロッパで、特別イベントの会場は日本、その後に参加するのは北米のトーナメント……といったスケジュールを組むと、移動だけでエナジーを30%前後失ってしまう。 こういった活動を続けていると、トーナメントの途中で怪我が発生するエナジー量の35%以下で試合に臨む事態に陥ったり、場合によっては怪我で棄権せざるを得なくなることも少なくない。
長距離のフライトは、地味にマイプレイヤーの体力を削ってくる。特別イベント、トーナメントに参加する際は、開催される場所のチェックが意外と重要。
加えてマイプレイヤーの能力が低いうちは、本作の試合パートの特徴である、パワーショットの連発やラリーが続くことでプレイの精度が落ちるという仕様も、実在選手を操作している際よりもモロに影響を感じやすい。そのためマイキャリアでは、 『TopSpin 2K25』 の試合に慣れつつ勝てる適度なCPUと戦える一方で、健康管理で現実のプロテニス選手の苦労の一端が感じられる、独特な味わいがあるゲームモードとなっている。
エナジーが35%を切ると、試合後に怪我が発生するリスクが高まる。適度に休養を挟むことが本作では重要。
トーナメント中に減る体力は、直前の試合内容によって多少変動する。短時間での決着やパワーショットの使用を控えて戦えばエナジーを温存できるが、格下相手に足下をすくわれる恐れも出てくる。
実在選手&実在ブランドの再現、ショットで球を打ち返す楽しさ、プロツアーを疑似体験できるマイキャリアなど、さまざまな角度からテニスの魅力をゲームに落とし込んでいる 『TopSpin 2K25』 。リアル路線の新作テニスゲームを待ち望んでいた人にプレイしてもらいたいのはもちろんのこと、本作はクロスプレイに対応しているため、1vs1で遊べる対戦ゲームを探している人にもオススメしたいタイトルだ。
『TopSpin 2K25』 対応プラットフォーム:プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC 発売元:2K 開発元:Hangar 13 発売日:2024年4月26日発売 価格:プレイステーション5、Xbox Series X|S通常版/8800円[税込]、プレイステーション4、Xbox One、PC通常版/7700円[税込]、デラックスエディション/14800円[税込]、Grand Slamエディション/16170円[税込] 対象年齢:CERO 全年齢対象 備考:プレイステーション4版、Xbox Series X|S版、Xbox One版、PC版はダウンロード専売 ※Steamの通常版、デラックス エディション、Grand Slamエディション(各デジタル版)は2024年6月28日(金)から2024年7月12日(金)まで20% OFFになります。
※割引率は2Kの希望小売価格を基準としています。デジタル版のみ対象です。
※Steam 版のセールは日本時間2024年7月12日(金)午前1:59に終了します。
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