筆者はシーズン2開始時に引退していたが、この度は先行プレイの機会をいただいた。
先行プレイのデータは最終的に削除されるからほどほどにプレイしようと考えていたのだが、自身の想定以上にガッツリとエンドゲームコンテンツをずっと周回していた。 久しぶりの『ディアブロ4』はいろいろと変化していておもしろかったのだ。おかげでこの記事を徹夜で書くハメに陥っている。悪魔の罠に違いない。
そんな復帰者が久しぶりのサンクチュアリからのレビューをお届けする。なお、この記事はDay 1パッチが適用される前のプレビュービルドを基にしているので、製品版では細部が違う可能性があることはご了承いただきたい。
新エリア”ナハントゥ”を汚染する脅威
新ストーリーは本編をクリアーしているデータがあればすぐに始められるが、未クリアーでも最序盤のキヨバシャド訪問までいけばキャラ選択画面から本編スキップができるようになる。
ソウルストーンに封印されたメフィストは、ソウルストーンの持ち主に絶え間なく語りかけ精神を侵食していくのだが、ネイレルも汚染によりひどく憔悴しており、ネイレルを助けようとした人らはメフィストに殺されてしまい孤立無援という過酷な状況である。この汚染が想像以上にエグく、トレーラーでも流れていたオープニングムービーは基本的にはグロい『ディアブロ4』の中でも群を抜いたグロさになっている。
ビルドの幅が広すぎて楽しいスピリットボーン
たとえばイーグルなら回避するたびに脆弱を付与するホーミングミサイルをぶっ放し、ゴリラなら攻撃するたびに障壁が発動する。しかもレベル30になると精霊をもう一体選べるのだが、このときに選んだ精霊は1体目とはパッシブの効果が変わるので、ジャガー×ジャガーだったりゴリラ×センティピードといったように、スキルツリーを触る前からビルド構築が始まるのだ。
また、日本公式がZETA DIVISIONの関優太氏とのコラボ動画を上げて理由のわからない単語を発しているのだが、すべてスピリットボーンに関する単語だ。それにしてもインパクトが強すぎる動画。こんなPRを出せるのは日本だけじゃなかろうか。
ストーリー開始時点では精霊はまだ解禁されていないので、序盤はちょっと強みを感じにくいかもしれない。しかし、ストーリーを進めてジョブクエストを完了させると精霊が解禁される。
まだ最序盤ならイーグルが飛び抜けて強い。なにせろくな装備がなくても先述したホーミングミサイルで敵がバタバタ倒れていくからだ。しかも、通常攻撃の基本スキルに回避のクール時間短縮があるから回避がいつでも使える。脚装備も殴れば回避クールダウン短縮や回避回数+といったものばかりなので扱いやすい。
筆者は7月にBlizzard本社でスピリットボーンを試遊したのだが、当時はセンティピードがとにかく壊れていた。現在は調整されて若干落ち着いた性能になっているが安定して強い。だって攻撃しているだけでHP回復って文字からして強いでしょう?
たまにほかの先行プレイ者と遭遇すると、皆それぞれ違ったビルドを組んでいておもしろい。これから先行プレイ者の人数とは比較にならないほどの人数がスピリットボーンを触るので、一体どのようなビルドが生まれるのか楽しみだ。
スピリットボーンは多彩で使っていて楽しいので、気軽にビルドを入れ替えられるようにロードアウト機能がほしい。あれ? 『ディアブロ4』リリース当初から切望してる気がする。
おお傭兵、我がソロプレイの友よ
ストーリーを進めると最初の傭兵となるラヘアと出会い、ともに旅をしてくれることになる。こいつがガタイのいいバーバリアンなのだが心の器はもっと広い大人なのだ。あとめっちゃイイ声。
ストーリー序盤で仲間にでき、ストーリー展開に合わせてちょっとしゃべったり、傭兵クエスト報酬経験値や選んだ傭兵といっしょにプレイするだけで信頼度が貯まって報酬がもらえるので、真っ先に全キャラ勧誘したほうがいい。
各傭兵にはスキルツリーがあり、信頼度が上がると新しいスキルを選べるようになる。ラヘアは盾兵なので敵を挑発したり範囲バリアを張ってくれたりと防御性能が高い。アーチャーのスーボは火炎瓶を投げると50%の確率でポーションがドロップしたりと、各傭兵によってできることが変わる。自分のプレイスタイルを伸ばすことを意識しよう。
援兵は再召喚までクールダウンがあるのだが、レジェンダリーの化身で奥義スキルを発動するとクールダウンを無視して召喚可能になる。スピリットボーンはビルド次第で奥義スキルのクールダウンを実質0にできるので援兵を無限召喚可能になる。とんでもないブラックっぷりだが信頼度は上がるので労働に生きがいを感じているようだ。せいぜい働いてもらおう。
レベル上限が変更、難易度設定もよりシンプルに
筆者は先行プレイでパラゴンレベル180まで上げたが、キャラLv1から『憎悪の器』ストーリークリアーの時点でLv55まで上がっていた。サブクエストは傭兵クエストとジョブクエストをこなしただけなので、レベルは上がりやすい印象。サブキャラ育成も手軽になってありがたい。
パラゴンレベルもエンドゲームコンテンツやヘルタイドをプレイしているだけでグングン上がっていく。150を過ぎたあたりからは伸びが悪くなってきたので、このあたりから本当のエンドゲームの始まりなのだろう。パラゴンレベルは領域で共有される。
ストーリー中はノーマル、ハード、エキスパート、ペニテントの4つ。難度を変えるとゴールドと経験値の取得量が増えて敵が強さが変化する。ドロップ率に影響は出ない。筆者は序盤はノーマルでプレイして途中からハードに変えた。エキスパートは一気にレベル上げをしたいときやサブキャラ育成用の難度と考えてもいい。
ペニテントはレベル50で解禁されるのでエンドコンテンツ難度の“トーメント”に向けた最終育成用という感じなのだろうが、筆者はペニテントに触ることなくトーメントに入ってしまったので、もっと早くペニテントを解禁してもいいのではないかと思った。
トーメントは4段階用意されていてこれまでのワールドティアに似ている。“奈落”というダンジョンを一定ティアまで進めると次のトーメントを選べるようになる。トーメントは難度を上げるたびに防御力と耐性が大きく低下するので危険度が増していく。
トーメントを解禁するとレジェンダリー以上の装備しかドロップしなくなり、仕様が変わった祖霊装備のドロップ率も上がるので真の装備堀りが始まるのだ。
装備の仕組みもシンプルに整理
プレビュービルドでは、祖霊装備はなかなかドロップしなかったので入手できたときはうれしい。 ユニーク装備はわりとドロップする上に、エンドゲームのボスが確定ドロップして入手しやすいので、体感では祖霊の方がユニークよりドロップ率が低かった。ただ、祖霊もドロップ確定箱がいくつかあり、製品版では全体的なドロップ率をあげるそうなので装備厳選が捗りそう。
ミシック装備はプレビュービルドでは一度もドロップしなかったが、ほかの先行プレイ者はドロップ報告をしていた。羨ましい。一応、宝石屋にいけば貴重な素材と大量のゴールドと交換できるので、運に見放されても努力を続ければいつかは確定で入手できるのもうれしい点だ。
エンドゲームコンテンツが豊富
残念ながら筆者はレビュー期間中にプレイできなかったので暗黒の城塞はノータッチで終わってしまった。新しく別プレイヤーを探せる“パーティ探索”機能が追加されるのだが、ただでさえ数少ないレビュワーどうしでは使えるタイミングがなかった。
ただ公式がソロプレイヤーが多いと発言していたり、ギミック要素もある複数人向けコンテンツはソロプレイヤーには敷居が高すぎる気がする。筆者はほかのMMOタイトルもプレイするが、ゲーム内にパーティ探索があってもレイドには行ったことがないというプレイヤーも多く知っている。しかも有料DLCが必須なので全プレイヤーが対象というわけでもない。システム的に『ディアブロ』と噛み合っていないのではと思っているので、コミュニティがどのような反応を示すのか興味深い。
道中では敵を倒すことで報酬ランクがわずかにあがるアイテムが落ちたり、制限時間が伸びるエリートがいたりするので、しっかりと敵を倒しつつも篝火のルートも考えて制限時間も確認したりとなかなか忙しくて楽しい。
これらのコンテンツはナハントゥでプレイできるのでDLCの所有が必須となるが、過去のシーズンのエンドコンテンツは全プレイヤーが遊べるようになっている。
シーズンコンテンツ“レルムウォーカー”の報酬が美味しいぞ
討伐に成功すると“沸騰せし領域”というダンジョンにいけるようになる。このダンジョンは2階層に分かれていて、1階層はとくに何もないが2階層では宝部屋が1〜2部屋ほど用意されていて、中にいる雑魚を倒すだけで報酬箱がもらえるのでお手軽で美味しい。ただたまにブッチャーがでてきて面喰うこともある。失敗するとその部屋の報酬はなくなり、2階層の最後の部屋でボスイベントをクリアーすると報酬がもらえる仕組みだ。
沸騰のオパールは、それぞれ30分間敵が装備を追加ドロップやボス召喚アイテムドロップといった魅力的なものばかり。どのオパールも一律で経験値が15%上がり、シーズン評価のザカラムの遺風の評価の上昇幅も増える。
装備堀りゲームにおいてドロップ率アップは魅力的だし、ザカラムの遺風の評価はオパール無しではレルムウォーカー出現エリアでしか上がらないのだが、オパールがあればどこでも評価が上がるので便利。経験値アップの恩恵も大きいため、“沸騰のオパール”はゲーム全体の報酬が美味しくなる魔法のアイテムだ。
正直、まだまだ語りたいくらいには久しぶりの『ディアブロ4』とDLC『憎悪の器』は楽しかった。なんせまだスプリットボーンしか触っていないのにこれだけ楽しめたのだから、残りのクラスにも手を出したらきっともっと時間が奪われてしまうに違いない。
筆者のようにしばらくプレイしていなかったという方は、『憎悪の器』を購入するかシーズン6“憎悪蔓延”をプレイしてみてはいかがだろうか。