
『ウイニングポスト10 2025』の注目ポイント
- 1971年開始の新シナリオ実装(従来の1973年開始シナリオが変更)
- レースごとに設定された新要素“レース傾向”と各馬の“適応能力”が追加
- レース観戦時の“作戦選択”が進化
- “競馬ヒストリア”、“史実調教”、“固有特性”、“配合理論”などで海外要素が拡充
- “世界100傑馬ランキング”の実装
- 時代を超えて名馬たちが対決する“ザ・レジェンドマッチ”
『ウイニングポスト』シリーズはナンバリング更新のほか、毎年最新年度版が発売されるが、収録データの更新だけでなく新システムの実装、従来システムの改修なども積極的に行われている。
本作は『ウイニングポスト10』シリーズの3作品目ということもあってか、よりディープなプレイを意識した要素の追加、改修がなされているという印象。シリーズの他作品にプレイデータ引継ぎが可能になる30年以上のプレイをするくらいやり込む人にはとくにオススメだ。
スタートダッシュを決めろ!
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というわけでゲームスタート。開始時に選ぶ牧場の開設地区などの基準は、前作『ウイニングポスト10 2024』とほぼ変わらないので、より詳しく知りたい方は前作のレビューを参考にしていただきたい。
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ウィンドコカードは距離適性がものすごく狭く(2300~2400メートル!)健康Gで多くのレースに出すのはきびしい馬だが、うまく賞金を稼げばオークスや秋華賞、エリザベス女王杯ではかなり勝ちやすくなっているのが魅力。
ベルワイドは飛び抜けた能力がなく作戦選択が重要、ウィンドコカードは距離適性がピンポイントすぎるためレース選択も重要となるなど、能力と作戦をうまく組み合わせた戦術が必要になる、初期に選ぶにはうってつけの馬と言えよう。
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また1971年開始となり、“第1次競馬ブーム”の担い手であるハイセイコーを幼駒のうちに購入して、自分の馬として走らせることができるようになった。同期のタケホープとともに金札設定されており、体験版やら過去作のシリーズボーナスで金のお守りをもらっていれば最初に買っておきたいところ。
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競馬中継を思い起こさせる作戦選択画面
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ここで鍵になるのが本作からの新要素“レース傾向”と“適応能力”だ。レースには“瞬発戦”、“持久戦”、“消耗戦”、“総合戦”などの傾向があり、それに対して競走馬にはそれぞれへの適応能力が備わっている。適応能力は後述する史実調教やレース内容によって成長させられる(上限はある)一方、写真にある“大外一気”など特殊な作戦を選択するとその場で一時的に増減することもある。
従来のように「差し馬が多くてスローペースになりそうだから逃げや先行にしよう」と展開にハマりそうな作戦を選ぶのか、レース傾向に対して適応能力が最大限に発揮できる作戦を選ぶのか……。事前に把握できる情報や作戦の種類が大幅に増えたぶん、考える楽しみがある。もっとも、1レースに掛かる時間も増えてしまうかもしれない。何とも悩ましい要素である。
なお、レースシーンでは新たな視点のカメラが増えている。『ウイニングポスト10』以降のカメラワークは、リアル競馬のリプレイ動画やJRAとのコラボ動画で採用されていたりして、見た目がおもしろいし将来性を感じさせるものでもある。ナイスエンターテインメント。
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マニアックすぎる要素に微笑みが止まらない
開始年が2年さかのぼったことでそのぶんのイベントや日本競馬史が追加されたのはもちろんのこと、今回は“海外競馬史”が新たに実装されている。それも、日本競馬史と同じく10年区切りの前後編でそれぞれ20ページ前後のコラムを収録……というとんでもないボリューム。さらに、当時の写真やイメージ画などもしれっと入れていたりして、制作陣の愛というか執念を感じさせる作りになっていた。
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競馬ヒストリアだけでなく、本作では海外に進出してのプレイをさらに充実させる要素がかなり増えている。まずは“SP史実調教”。2頭で行う特別な史実調教で、適応能力を任意に上昇させられる貴重なコマンドでもあるが、その調教内容のモチーフとなっているのが海外の調教技術。
さらに海外の競馬場で力を発揮する競走馬の“特性”や、海外の牧場だけで使える配合理論も新たに実装。馬産に携わる人やPOG(ペーパーオーナーゲーム/仮想の馬主として競走馬を選びレース結果に応じたポイントを競う遊び)のヘビーユーザーくらいにならないと名前さえ知らないような“ドサージュ理論”や“ラスムッセン・ファクター”などが登場しているのだ。
どこもかしこも「ムダにマニアックだなぁ」と本作スタッフの細かすぎる仕事ぶりにちょっと呆れながらも、ニヤニヤが止まらない。
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