『 Halo 』や『 Destiny 』を制作したBungieが送る新作『 Marathon 』(対応機種:PS5、Xbox Series X|S、PC)。 2023年5月に行われた“PlayStation Showcase”でタイトル発表がなされるも、PvP脱出シューターであるという以上の情報がなく謎に包まれていた本作だが、ついにゲームプレイ映像を含む詳細情報がオンラインイベントで公開。同時に2025年9月23日にリリースされる(日本時間/JSTでは9月24日)ことも発表された。 ここではオンラインイベントで公開された映像、およびイベントに先駆けて行われたBungieのゲームディレクター・Joe Ziegler(ジョー ジグラー)氏への合同インタビューでわかったことをお届けしていく。 なお、本作は2025年4月後半にクローズドアルファテストを実施予定であるという。日本がテスト対象地域に入るかは不明だが、気になる人は公式のコミュニティDiscordに参加しておこう。・公式コミュニティDiscord ゲームプレイ映像含む3つの映像が公開。世界観を伝えるシネマティックムービーはSF好きなら一見の価値あり 本作は、1994年にリリースされた同名のSFシューターをベースに開発された作品。オリジナルとなる作品では、宇宙船“Marathon”号と惑星タウ・セティIVを舞台にしたストーリーが描かれた。当時はストーリーと謎解きが楽しめるタイプのシューターは珍しく、シリーズ化を果たすほどの人気を博した。 そんな名作『Marathon』の世界で、ひとりの機械化された傭兵“ランナー”となり他のランナーたちと戦いながらタウ・セティIVの探索を行っていくのが、今回登場する『Marathon』だ。 ストーリーや重厚な世界観を重視しているのは今回も同じようで、公開された3つのムービーでは気になるワードや演出が多く登場していた。世界観やストーリーがどのように公開されていくのかは不明だが、ゲームプレイを通じて見えてくるバックグラウンドもありそうだ。
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今回の発表では15分ほどのゲームプレイ映像も公開された。この映像から判明した点は以下の通りとなる。
3人1組のチームで出撃する。敵は他プレイヤーと警備ロボット(おそらく敵対NPC) 3人×6チームの18人が同じ戦場に存在 ランナーは透明化やシールドの使用など特殊能力を持つ HP(ライフ)がゼロになっても即死はせずダウン状態に ダウン後トドメを刺されても蘇生可能 タワーのような装置を起動して脱出 本作はジャンルは『 Escape from Tarkov 』のような、戦場で物資を回収し、脱出・生存を目的とする脱出シューター。しかしそれらと比較すると、チーム戦であり、そしてリスポーンのシステムがあるため、従来の作品とはプレイフィールは大きく変わってくるだろう。今回公開されたプレイ映像では語られていない要素も多分にあると思われるので、コミュニケーション面のシステムなどまだまだ気になることは多い。 オンラインイベントおよび事前説明会では、ゲームのプレイ映像のほか、まるで映画のような映像表現で世界観を伝える動画も上映された。タウ・セティIVで起こった事故、そしてランナーが生まれる瞬間、ランナーどうしの奪い合い、殺されても何度も復活するが、代わりに記憶を失っているような演出など、こちらも惹き込まれる要素が満載。不気味だが目が離せない、まるで引力のような魅力を持った映像作品となっているので、まだ視聴していない場合はこちらもぜひ一度ご覧いただきたい。
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ゲームディレクターインタビュー。チームベースでの戦いを基本とした、スピーディでアクション要素高めな脱出シューター ここからはゲームディレクターのJoe Ziegler氏へのインタビューの内容をお届けする。今回のイベントで公開された3つのムービーを視聴した直後のインタビューとなり、映像内で気になることを中心に質問している。
Joe Ziegler(ジョー ジグラー)
Bungieにおいて、2023年7月より『Marathon』のゲームディレクターとして開発を指揮している。業界での経験は10年以上に及び、以前はRiot Gamesで友人らと立ち上げたプロジェクト『VALORANT』のゲームディレクターを務めていた。Riotに在籍していた12年の間には、『League of Legends』の開発も手掛けるなど、中核的な役割を果たした。
空いた時間にはジャンル問わずゲームをプレイしたり、さまざまなジャンルの音楽を聴いたり、もっぱらテレビを観たりしている。料理も好きで、よく妻と新しいレストランを開拓している。
──映像内でステルス、シールドといったスキルのようなものを使っていましたが、あれはヒーローごとの固有能力なのでしょうか? それともスキルアイテムのようなものを取得して使用する能力でしょうか?
Joe
キャラクターが映像中で使っていたフロントブロッカーのスキルとステルスのスキルは、ヒーロー固有の能力です。また映像では爆弾や地雷なども使っていましたが、あれはアイテムとして拾い、使用していくものになります。ゲームとしては、どちらかというとヒーロー固有の能力を使う要素のほうが強いです。 ──既存の脱出シューターと比較した際、『Marathon』はどういったオリジナリティが感じられる作品になるでしょうか?
Joe
本作のユニークな点は大きくふたつあります。ひとつはクルーベースであること。このジャンルにおいて多くのゲームはソロプレイ用に設計されていますが、『Marathon』はチームで動いていくことを前提にしています。そのため、多くの箇所で既存作との違いを感じ取ってもらえるでしょう。死んだら終わりの脱出シューターが多い中、仲間の復活もできるので、そこはとくに大きな違いとして感じられると思います。 もうひとつの特徴は、プレイのスタイルを選択できるという点です。既存の脱出シューターは敵を倒すために待つ時間も多くなりがちです。しかし本作では待ってばかりのゲームにならないようなゲームシステムにしており、プレイヤーの意思によってスローな展開もハイペースな展開も選択できるようにしています。 ──映像内ではやられても即死せずダウンしている姿や、死んだ味方を蘇生しているシーンがありました。ダウンや蘇生のシステムを詳しくお聞かせください。
Joe
現在一般的な脱出シューターでは、死んだら終わり。友だちと遊んでいても倒されたらそこでやることがなくなってしまいます。そんな中、本作ではダブルダウンのシステムを採用しており、一度やられてもダウンするだけで、仲間に助けてもらえます。 もし完全に死んでしまっても味方に蘇生してもらえれば、また戦場に復帰できるのです。ただし死んでしまうとダウン状態のときより蘇生に要する時間は長くなりますし、蘇生されたプレイヤーはアイテムを拾い直す必要があります。 またソロプレイにおいても復活できるアイテムは存在しているのですが、こちらは少しレアな設定にしています。 ──キャラクター自身やスキルの成長要素はありますか?
Joe
キャラクターの強化を筆頭に、さまざまなアップグレードシステムを用意しています。ゲームを進めてアップグレードを見つけるものもあれば、ストアでの購入も用意しています。 ──既存の脱出シューターではシーズン制とワイプ(リセット)を採用しているゲームが多くあります。『Marathon』でもこうしたシステムは採用されますか?
Joe
シーズン制での運営を予定しています。ワイプに関してもシーズンごとに実施予定です。ゲームのプログレッションやアイテムもリムーブされるので、シーズンごとに新しいプレイスタイルを楽しんでいただけると思います。 ──チームベースのゲームとのことですが、アイテムトレードなどのソーシャル機能、コンテンツ共有機能はありますか?
Joe
ほかのプレイヤーにアイテムを与える機能はありませんが、“貸す”機能があります。 ──映像では色使いがとても印象的でした。
Joe
ありがとうございます。キービジュアルやマーケティングで使っているカラーリングは、ゲームのトーンを表しています。ブライトで明るいカラーがありながら少し暗いアース系のカラーを使うことで、ゲームの世界観がどことなく不気味な感じであることを示しつつ、ワクワク感や緊張感を色使いで表現できているのかなと思います。
──シネマティックトレイラーでは日本語がチラっと映っていたり、セキグチジェネティクスという単語が聞こえましたが、日本的な要素も入ってくるのでしょうか。
Joe
日本の要素が特にゲーム内で突出してあるわけではありません。ただ『Marathon』世界の中にも日本はあるので、あの世界で宇宙に進出した日本企業の伝統みたいなものはあるかもしれません。 ──『Marathon』という伝統あるタイトル、そしてその世界を使用している理由をお聞かせください。『Marathon』のストーリーに脱出シューターというゲームジャンルがマッチしているから採用されたのでしょうか? それとも今回設計したゲーム体験に『Marathon』の世界観がマッチしていたことで採用されたのでしょうか?
Joe
今回の脱出シューターというシステムが『Marathon』の世界観とマッチしているため、『Marathon』というタイトルを使用することになりました。1994年にリリースされた『Marathon』は、AIが蔓延している世界を舞台にホラーな空気感が漂う作品となっていましたが、それが本作の雰囲気にマッチしていたと考えています。
──Joeさんが考える『Marathon』というタイトルの魅力はどこにありますか?
Joe
オリジナルの『Marathon』は、“人間になるとはどういうことか”、“賢くあるとはどういうことか”、という話を前面に出している作品で、プレイを通じて“嘘だらけで何が正しいことなのかわからない世界に住むということは、どういうことなのか”という体験ができる点が魅力だったと思います。 また、傭兵として戦い抜いていく中でパズルのピースを合わせていくように、自身の存在意義や何が本当のことなのかを発見していけるのもひとつの魅力です。 ──本作はクロスプラットフォーム対応となっていますが、家庭用ゲーム機どうしだけでなく、PC(Steam)プレイヤーともマッチングするのでしょうか?
Joe
本作のクロスプレイでは、全プラットフォームのプレイヤーが同じフィールドに集合する形になります。クロスセーブにも対応していて、PCで遊んだ後、コンソールでその続きを遊ぶこともできます。 PCとコンソールでフェアなゲーム体験が得られるかは多くの方が懸念していると思いますが、ここの調整にはしっかりと注力しています。 ──つい先日、新たな次世代ゲームハードも発表されましたが、対応機種が増える予定はありますか?
Joe
現時点で対応ハードを追加する予定はありませんが、将来的に検討はしていくと思います。 ──ユーザーにどういったところを楽しんでいただきたいですか?
Joe
本作はチームプレイが楽しめる脱出シューターです。ソロでの戦いとはまったく違った立ち回り、チーム戦ならではのタクティカルで難しい戦いを楽しんでいただけると思います。チーム対チームでどう対戦するか、ハードなAIやプレイヤーとの戦いをぜひ楽しんでください。
──ありがとうございました。
以下、メディアアラートより引用 ゲーム概要 『Marathon』は、2025年9月24日、Steam、PlayStation 5、Xbox Series X|S向けに発売予定。 クロスセーブとクロスプレイに完全対応。 『Marathon』のクローズドアルファは今月後半に開始、コミュニティDiscordに参加すれば、いち早くプレイテストできるチャンスがあります。 ・コミュニティDiscord 『Marathon』をウィッシュリストに追加 ・Steam ・PlayStation5 ・Xbox Series X|S ・『Marathon』の世界 『Marathon』では、プレイヤーは「ランナー」。サイバネティックな傭兵として、「タウ・セティIV」の失われたコロニーの遺構で富と力を探し求める。3人1組でチームを組み、ライバルのランナーチームや敵対する監視部隊と戦い、武器やアップグレードを手に入れよう。生き残れば見つけたものはすべて自分のものになり、将来のタウ・セティIVでのランにも持ち込める。もしあなたにその勇気があるならば、廃墟と化した船「Marathon」に乗り込むこともできる。
・タウ・セティIV タウ・セティIVへようこそ。かつてのコロニーは失われ、そこに住んでいた人々は跡形もなく姿を消した。対立する勢力は残された資源をめぐって争いを繰り広げ、人間の身体を捨ててバイオシンセティック・シェルを手に入れたランナーを雇い入れる。この熾烈な競争において死は単なる障害でしかなく、勝利すれば、力、富、そしてタウ・セティIVの謎に対する答えを手に入れることができる。
・ランナーとなれ それぞれに異なる能力を持つサイバネティック傭兵の中から自由に選択。ラン中に集めた武器、インプラント、装備でランナーのプレイスタイルをカスタマイズできる。戦略を立てて実践し、タウ・セティ最恐の傭兵を目指そう。
・力を求める危険度MAXの冒険 Bungieが誇る最高峰のFPSゲーム。戦術的な要素とスピード感溢れるアクションが交錯し、一戦一戦が大きな成功をかけた緊迫した戦いとなる。シーズン1では、エンドコンテンツの挑戦、ランク戦、シーズンストーリー、コミュニティイベントなど、お楽しみが満載。