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『エルデンリング ナイトレイン』発売直前レビュー【鉄の目・隠者・復讐者】状況に合わせて立ち位置や役回りが変わる上級者向けの“夜渡り”。でも、戦闘の醍醐味は随一!

by西川くん

更新
『エルデンリング ナイトレイン』発売直前レビュー【鉄の目・隠者・復讐者】状況に合わせて立ち位置や役回りが変わる上級者向けの“夜渡り”。でも、戦闘の醍醐味は随一!

3人のプレイヤーそれぞれの視点で『ナイトレイン』をレビュー

 フロム・ソフトウェアよりプレイステーション5(PS5)、プレイステーション4(PS4)、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Steam)向けに2025年5月30日発売予定の『ELDEN RING NIGHTREIGN』(エルデンリング ナイトレイン)。
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 本作は新たな舞台となる“リムベルド”で、8人の戦士“夜渡り”たちを操って3日間を生き抜き、“夜の王”たちに挑む協力型のサバイバルアクションだ。今回は、本編の『ELDEN RING』(エルデンリング)を遊びつくしている3人のライターが製品版を先行プレイ。それぞれで8人のキャラクターを分担し、時間が許すかぎり3日間の冒険を体験してもらった。
 そんな3人の“夜渡り”による、三者三様の『エルデンリング ナイトレイン』レビューをお届けしよう。本稿では“夜渡り”の中でもかなり“特徴的”な立ち回りを楽しめる“鉄の目”、“隠者”、そして謎多き“復讐者”に焦点を当てたレビューとなっている。
 
 ほかにも気になるポイントに迫っているので、ほかのレビューと合わせて参考にしてほしい。
※ネタバレには配慮していますが、気になる方はご了承ください。

集え、夜を渡る者たちよ

 好きな戦技は“切腹”の西川くんです。僕は『キングスフィールド』や『アーマード・コア』、『エコーナイト』など、フロム・ソフトウェア初期からの大ファン。もちろん『DARK SOULS』シリーズなどもすべて踏破しています。といっても学生のころだったので、仕事的には『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』からライターとして関わるようになりました。

 その後も『
エルデンリング』や『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』なども担当させていただき……あ、そうそう、『メタルウルフカオス XD』も担当でした! 一部のタイトルでは、生配信番組にも出演させていただいたのですが、本作でも配信で皆さんに遊んだ感想をお伝えしたのも2025年2月。気が付けばもう発売となるわけです。

 というわけで、僕は本作のネットワークテスト版は全日プレイ済みで、メディア向けの先行試遊会にも参加させていただきました。その記事で全体的な感想はお伝えしていて、基本的な内容についてはネットワークテスト版と変わらないので、今回の記事と合わせて、読んでみるのもいいかもしれません。
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ネットワークテスト版との大きな違い

 ネットワークテスト版から変わったと感じたのは、やはり体験できるシチュエーションのバリエーションです。ネットワークテスト版もある程度ランダムでしたが、数は絞られていた印象。製品版ではより初期位置、マップの配置、出現する敵などが変化し、挑むたびに新鮮な気持ちで冒険を楽しめました。
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 すべてが完全にランダムではないのがいい塩梅で、ある程度のセオリーや法則みたいなものがあります。「あそこに行けばあの敵がいるだろう」、「ここの拠点にいる強敵は比較的ラクだ」、「ここには弓が必ずある」など、何度かのプレイを通して得た知識はその後の冒険でも役立ちます。

 たとえば、魔術系の報酬が手に入る“魔術師塔”。ここには、何かしらの手段で紋章を破壊することで入ることができます。いわゆる謎解きのようなもので、ネットワークテスト版では数種しかなかったのですが、製品版では謎がたくさん増えており、場合によっては「どうやっては入るの!?」とまったくわからなかったものもありました(くやしい)。
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魔術師塔に入るための条件はいろいろ。
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塔の中では魔術系のアイテムなどが手に入ります。
 また、挑戦するたびに手に入る“遺物”が製品版ではどのような性能になっているのか気になっていましたが、こちらはネットワークテスト版とさほど変わらない印象。基本的には「あればうれしい」くらいの強化ができるもので、攻略がものすごく楽になるような強烈なものは、数十時間遊んだ限りでは見つかりませんでした。
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 キャラクターたちには物語が個別に存在し、進めていくとキャラクターに合った遺物が手に入ることも。とはいえ、その性能も飛び抜けて高いわけではなかったので、基本的にちょっとしたサポートとなる装備品と考えたほうがよさそうです(あるとないとでは大きく違いますが)。

 そして、ネットワークテスト版とのいちばん大きな違いは討伐目標となる、いわゆる大ボスの“夜の王”たちです。ネットワークテスト版では“三つ首の獣”にしか挑戦できませんでしたが、製品版では“三つ首の獣”を倒せば、一気に多数の“夜の王”たちに挑めるようになります。
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 三つ首の獣の討伐後は、体験としても新たな要素がありました。敵がいる拠点で暗く覆われた場所の“災域”には通常の拠点とは異なり、強化された敵たちが現れます。
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“災域”がある場所は竜巻のようなものが空に渦巻いているので、フィールドの遠くからでも視認できます。
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マップ上でも、通常とは異なるカラーで拠点が表示されます。
 主人公たちである“夜渡り”が敵として出現することも。他世界の夜を渡れなかった者たちが襲い掛かってくるという仕掛けのようです。彼らを倒すとレアなアイテムや多数のルーンがゲットできましたが、難度はそれなりに高いので注意。
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なんと追跡者とレディが敵として登場しました。
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初期武器の2回強化版などをドロップ。倒せば強い武器がもらえるようです。
 “夜の王”を倒すと発生しやすくなる仕掛けが“地変”です。フィールドの環境に変化が起きるもので、出撃前の円卓の時点で発生するかどうかが決まります。地変が起きている箇所は攻略難度も上がるのですが、そのぶん特別な報酬を得やすいのが特徴です。

 報酬がいいので発生したらラッキーかと言うと、その難度を考えると喜んでいる場合ではないかも。マグマのフィールドで戦うのはなかなか難儀です。地変を避けたい場合は、円卓内のベッドで寝ると地変の発生を収めることができるようです。
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“夜渡り”たち個別のストーリーに注目

 “夜の王”を倒すことがメインの目標ですが、もうひとつの目標と言えるのが各キャラクターたちの物語。物語を追うことに挑戦しなくても進行に問題はありませんが、報酬があるだけでなく本作の世界への理解が深まります。
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各キャラクターに話しかけると、その人物の背景がわかるようになっています。
 記憶の一部を失っている“夜渡り”たちですが、“記憶の断片”を手に入れると、円卓にある“ジャーナル”でキャラクターたちのバックボーンが描かれたテキストを読むことができるようになります。この断片を集めることで、“夜渡り”たちは少しずつ記憶を取り戻していくわけです。
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 “記憶の断片”は、同じキャラクターで何度も戦い続ければ獲得できます。一部の“記憶の断片”を手に入れるためには、特定の組み合わせで出撃する必要もあるようです。

 ジャーナルの中には“追憶の世界”という、記憶を追体験できる要素があります。ジャーナルから“追憶”を選ぶと、円卓内がストーリー進行用のものへと変わり、その中でキャラクターと会話すると何かしらの目標が提示されます。
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執行者のジャーナルを見ると、“葦の地”が来たことがわかったりします。本編でも葦の地とはつながりがありましたね。
 その状態で出撃するとマップに個人目標が設定され、それを達成すれば物語が進行していくというシステムです。なお、個人目標の地点はほかのプレイヤーには見えません。自分で目標を示さないかぎりは、ほかのプレイヤーにはわからないようになっています。
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隠者の個人目標では、とある事情により特別な黄金カバと対決することに。
 “夜の王”討伐の成否に関わらず、個人目標を達成さえしていれば、円卓に戻って来たときに物語は進行します。なお、個人目標は一度の出撃につき、ひとりのプレイヤーにのみ発生する仕組みになっています。

 本編と比較して“夜渡り”たちのストーリーはわかりやすく、かつキャラクターの内面が見え隠れするものなので、愛着がより湧くのは間違いありません。
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個人目標の報酬はそのプレイヤーにのみ手に入ります。ほかのプレイヤーにはルーン以外の報酬がないので、初見では「いまの敵は何だったの?」となるかも。

随所に見られる遊びやすさへの配慮がうれしい

 最初はわかりにくい部分があるかもしれませんが、全体的には遊びやすさを重視する、フロム・ソフトウェアらしい配慮が随所に見受けられます。

 まずはチュートリアルをプレイすることになるのですが、専用のチュートリアルステージが用意されています。初めて遊ぶ人もゲームの基本ルールをここで知ることができます。もちろん、チュートリアルステージはクリアー後も遊べるので、復習にピッタリです。
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チュートリアルステージでは基本操作などを学べます。
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専用マップはまっすぐ進むだけ。探索のあれこれは実戦で学びましょう。
 と言っても、かなり要素の多いゲームなので、『エルデンリング』本編を遊んでない人にはよくわからない部分もあるはず。また、経験者でもゲームシステムが本編と異なりますし、基本はマルチプレイで協力して挑むゲームなので、実戦で学ぶことはたくさんあります。

 考えることがとても多く、かつ忙しいゲームなので、画面に表示される情報は最小限になっていますが、代わりにプレイヤーのロビーとも言える円卓には、“図録”という解説メニューが存在します。そこで読める“手引書”ではゲームのルール、ゲーム中に発生するイベント、アイコンの見かたなどを細かく確認できます(チュートリアルステージの再挑戦も手引書内でできます)。
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 さらにゲームシステムを詳しく解説した“指南書”があり、これを読むとゲームへの理解度をグッと深めることができるでしょう。とくに攻撃属性や状態異常はアイコンのみで表示される場合もあります。『エルデンリング』を遊んでいた人には馴染み深いと思いますが、本作から遊ぶ人はアイコンの内容だけでも覚えておくといいかも。
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 また、訓練場では各キャラクターの性能を動かしながら確かめることができるほか、登場する武器・戦技・魔術・祈祷・アイテムなど、アクションに関わるものを自由に取得し、その場で使って練習することも可能です。

 とくに戦技・魔術・祈祷は、その名前だけを確認して取得することが多いもの。効果の説明文はもちろんあるのですが、探索中は読む余裕があまりなかったりします。できるだけ事前に把握していたほうがスムーズです。
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円卓のマップ画面にはキャラクターの位置が書かれており、各施設や部屋を選ぶとファストトラベルできます。
 すべての戦技・魔術・祈祷を選択できるので、確認しておくと探索と装備のビルドがやりやすくなります。フィールドに登場する武器が円卓で使えちゃうというのも太っ腹といいますか……。とはいえ、冒険で実際に使って試して学んでいくことの重要さは大きいです。あくまで冒険をサポートするために用意された機能でしょう。
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“夜の王”との戦いは骨太も骨太

 プレイの最終目標となる“夜の王”たち。ゲームのすべては、3日目に到達すると現れる“夜の王”をいかに倒すかに掛かっています。道中はすべて最後のボス戦に向けた育成時間です。レベルアップ、装備の収集、特殊効果取得による強化など、あらゆる行動が“夜の王”を倒す攻略の糸口になります。
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 “三つ首の獣”は最初に倒す必要があり、大きなギミックはそこまでないので、純粋に育成力が試されるボスと言えます。ネットワークテスト版でも特別な対策は必要なかったと思いますが、もちろん簡単に倒せる相手ではありません。フロム・ソフトウェアらしい序盤の壁となる、チュートリアルのボスみたいな立ち位置なのではないでしょうか。

 ほかのボスについてはネタバレになるので詳しくは語りませんが、イメージだけはお伝えしておきましょう。“三つ首の獣”よりも策が必要になるケースが多く、何かしらのギミックを持っている場合があるので、単純な力押しだけでは勝つのが難しいと思います。

 とはいえ、事前に心構えができる情報は提示されます。たとえば、どのボスに挑むのかを選択する際には有効な属性が表示されます。有効な属性は単に与ダメージ値が高いだけではなく、絶対に必要とは言いませんが、攻略の糸口につながるものもあります。ちなみに、有効属性の装備は、その挑戦中に出やすい印象を受けました。
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討伐対象を選ぶ際は、アイコンで表示された有効属性に注目を。ちなみに、マッチングにもさまざまな設定が用意されているので活用してみては?
 マッチングで挑む際に重要となるのが、自分のパーティーメンバーがどのようなプレイをするのか、2日目到達までに把握しておくことです。「この人は蘇生を優先する人なのか」など、ある程度プレイの傾向を掴んでおくだけでも立ち回りが変わるので、プレイヤーとの絆もしっかりと攻略要素になってきます。
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 なお、1日目と2日目に登場する夜の強敵は、選んだ討伐対象によって傾向が決まるようです。1日目、2日目で倒されてしまった場合も、ある程度は同じ強敵と再戦できるので対策は練りやすいでしょう。
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 ときには『DARK SOULS』シリーズに現れたボスが登場して懐かしくなりましたが、強さはかなり変わるので、ものすごく硬くて倒すのに時間が掛かる場合も。
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 1回の挑戦で40分前後のプレイ時間が目安とのことですが、一部の敵は再戦するたびに1時間ほど掛かったので、現れる強敵や仲間のキャラクターによってプレイ時間は異なりそうです。
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みんなで挑もう、“夜の王”!

 今回はボイスチャットを使ったマルチプレイもあえて体験してみたのですが、本作は考えることがとても多く、戦いに集中して余裕ができたら、つぎの目標を決めて向かったりしなくてはならないので、しゃべりながら共闘するのはなかなかたいへん(苦笑)。

 味方との連携が絶対に必要というゲームではないので、「この付帯効果がありますよ」と装備の受け渡しがスムーズになったくらいで、戦闘にボイスチャットはさほど必要ないかも。3人がバラバラの地点に散らばって、後で合流するタイプのプレイスタイルであれば、現在地の報告には役立つかもしれません。
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直接的な言葉がなくとも、自然と連携や役割が固まっていくのが本作の楽しいところ。
 ただ、「あのアーツとこのアーツを合わせて蘇生しませんか?」といった、ボイスチャットがないと伝わりにくい連携があるのも事実。本作は知らない人と出撃する、いわゆる“野良”で遊ぶことが多いゲームだと思いますが、仲間で集まって戦略を練りながら戦うのも、本作の在りかたのひとつなのでしょう。

 なお、シングルプレイも可能なので体験しましたが、やはり難度は高い……。とくに、ルーンや装備品の収集が3人プレイよりも遅くなってしまうので、強化が図りづらいでしょう。ソロで倒したい気持ちもわかりますが、まずは基本となる3人で挑むべきかと。
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鉄の目、隠者、復讐者はやっぱり“特殊”!

 ここからは僕が使用したキャラクターについての感想をお届けします。今回はライター3人で使用キャラクターを分けたのですが、僕は特殊な性能と思われるキャラクターを担当しました。

 ちなみに本編や
『DARK SOULS』シリーズなどでも、遠距離攻撃をメインに立ち回ったことはありません。ですが、本作ではあえてやってみました。マルチプレイが前提のゲームだし、ほかのプレイヤーを俯瞰的に見ながら立ち回れるキャラクターなので、味方の行動を観察できると思ったからです。

 実際にプレイしてみると、近距離向けのキャラクターよりも戦いの全体を把握しやすく、あらゆる状況に合わせて立ち位置や役回りを変えていく必要があるので、鉄の目や隠者、復讐者は上級者向けのキャラクターたちと言えるでしょう。

 なお、あくまで個人的な使用感なので「隠者は刀を持って戦技を使うべきだ!」みたいな点があるかもしれないのは、ご了承ください。ちょっと試したらありえそうで(笑)。
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使用したキャラクターは狙うべき装備がハッキリとしていたので、代わりにどこへ行くのかを考える余地がありました。先導が得意な人にオススメかも。

鉄の目:遠距離型なのにダメージの稼ぎ頭!

 上級者向けと言いつつも、初心者にもオススメできるのが、弓などの遠距離武器をメインに戦う“鉄の目”です。得意武器は弓で、弓の動作がほかのキャラクターよりも速いのが特徴。強攻撃では3本の矢を扇状に撃ち出します。
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 本作は、本編よりも弓が扱いやすくなっています。片手持ちでも撃てるため、左手に盾を装備して防御できるようになり、別の弓などを左手に持って性能の違う武器で撃ち分けて戦うことも可能です。また、弓でも“致命の一撃”を発動できるほか、“火脂”などの効果が乗ります。このあたりは、鉄の目に限らず共通した性能ですが。

 遠くから弓などの遠距離武器を撃っているだけでもよく、スタミナが続く限りは継続して攻撃できます。1発1発の威力はそこまで高くありませんが、ずっと攻撃をし続けられる点でダメージを稼ぎやすい印象です。
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 ただし、弓には適正距離があり、離れすぎると威力がガクっと下がってしまうため、ほどよく敵から離れた中距離あたりがいちばん火力を出せます。とはいえ、継続して攻撃できていればそれだけで火力担当になれるのが、鉄の目のいいところ。

 また、瀕死した味方を起こす際に弓はとても便利。射撃速度が速いので、味方が倒れてしまっても高確率で安全に蘇生を狙えます。アーツも、敵や倒れた味方をロックオンするだけでいいので、とても使いやすかったですね。
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弓はスキルやアーツなどを利用せずに、安定して蘇生できます。弓矢の発射が速い鉄の目ならば、蘇生する速度も速いのです。
 装備品はちょっと強い弓、左手に盾やほかの遠距離武器があれば十分かも。個人的には、付帯効果の“射撃攻撃力が上昇”を探しました。装備品への依存度が低く、初期装備の弓だけでも戦えました。

 基本的には接近戦の必要がないこともあり、防御や回避が重要な接近戦が苦手な人に向いているでしょう。ただし、狙われるときは狙われますし、鉄の目はHPが低く耐久力に欠けるので、いかに安全な位置で戦うのか、やや特殊な立ち回りが求められる部分がテクニカルとなります。
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敵を引き付けるのも得意ですが回避性能はふつうなので、プレイヤーの腕前が試されます。
 盾を持った敵に弱く、盾で矢を弾かれてしまうとダメージを稼ぎにくいので、正面ではなく背後などから攻撃する必要がありました。拠点によっては味方がいないと時間が掛かる場面もあったので、単独行動は少し苦手かも。
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弓があれば誰でもできますが、夜の雨(エリア範囲外)にいる敵をおびき出すなど、遠距離攻撃ならではの立ち回りが役立ちました。

アビリティ【目利き】

 敵からドロップするアイテムが増えるアビリティ。パーティー全体に効果があります。鉄の目がいるときはいつも以上に消費アイテムを使ってしまってもいいのではないでしょうか。

スキル【マーキング】

 突進しながらダガーで斬り付けるスキル。近距離攻撃なので、活用するにはある程度、敵に近づく必要があります。ヒットさせると、敵に“弱点”アイコンが一定時間表示されます。ロックオンマーカーの付近に付くことが多く、このアイコンは、味方にも表示されます。

 マークが付いた敵は一定時間ダメージがアップするので、パーティー全体の火力を上げることができます。また、弱点が付いた敵を攻撃し続けると、弱点が破壊されて敵の体勢を崩すことができます。しかし、強敵はそもそも体勢を崩しにくいので注意。
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ロックオンマーカーの周囲に×のような印が付きます。これが弱点付与中の印。
 ただ、マークの効果時間は再度スキルをヒットさせれば延ばせるので、たとえばスキルのクールダウンが終わるたびに当てていれば、強敵相手でも弱点破壊を狙えます。

 また、突進の方向はスティック入力で変更できます。敵に向かって突進するのが基本ですが、敵から距離を離したいときの離脱手段にも使えました。

アーツ【ワンショット】

 大きな弓矢で敵を射抜き、その後に衝撃波を発生させます。リーチは長く、衝撃波の攻撃範囲も広いです。ダメージは高く、敵の体勢を崩しやすいアーツでした。

 ロックオンした方向に撃ってくれるので、扱いはとてもカンタン。遠くからズバンと射抜けばいいだけなので、強敵の体勢を崩したいとき、複数の敵をまとめて攻撃したいときなど、活躍できるシーンも多数。アーツのモーション中は無敵状態なので、緊急回避にも使いやすい印象でした。

 味方の瀕死ゲージを1ゲージぶん回復できるので、瀕死状態になった味方を遠距離から蘇生するといった使いかたも可能。保険としてとっておきたいアーツですが、使い勝手もいいので使いどころが悩ましい。

 壁を貫通して撃てるので、うまく使えばノールック狙撃で敵集団を一網打尽なんてことも(壁越しには敵をロックオンできませんので、自分で狙いを付ける必要があります)。使いどころには深い研究の余地がありそうです。
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倒れた仲間に……。
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ズドンと一撃。ほとんどのキャラクターのアーツがそうですが、瀕死ゲージを1ゲージぶんを回復できます。障害物も貫通して遠距離から蘇生できるのが強み。

隠者:高難度の魔法で高火力を叩き出せ

 本作でもかなり特殊なキャラクターが隠者です。魔法使いタイプで、魔術・祈祷に特化した性能。武器を取れば接近戦もできますが、基礎ステータスは魔術の効果がアップする知力に長けています。得意武器はありませんが、初期武器の時点で杖(魔術が使える武器)を持っています。
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 本作はFP(戦技・魔術・祈祷などの発動に使うポイント)の回復手段が乏しく、とくに戦闘中は終わるまで回復できる方法は少ないのですが、隠者はアビリティによってFPを戦闘中でも回復できます。うまく扱えばFPを適宜保ちながら戦えるので、魔術・祈祷が得意になるというわけです。

 装備でも、杖をいかに揃えるのかが重要。しかし、どの魔術・祈祷が使えるのかは杖のドロップ次第です。魔術系が手に入りやすい“魔術師塔”など、各拠点の杖・聖印(祈祷が使える武器)の位置などを把握しておくといいでしょう。

 アビリティとスキルを絡めた“混成魔法”は、狙って作り出すことができれば強力なものが多いのもポイント。4つの“属性痕”を3つ組み合わせた中からどの属性を吸収するのか、そしてどの“混成魔法”がくり出せるのかを把握することで真価を発揮できます。
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混成魔法は組み合わせが複雑なものほど強力で、自分が氷の塊になって範囲攻撃を仕掛けることも。
 立ち位置としては後衛向きで、HPと耐久力は低め。回避はフンワリと長めに浮遊する特殊なものですが、無敵時間は長いので頼りになります。しかし、隙が大きいので、1発1発を見極めて回避しないと生き残るのは難しい。

 基本は受けに回らずに攻撃し続けたほうがよく、遠距離での立ち回りが多くなるため、弓を持っておくと蘇生役として活躍しやすいかも。
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 ネットワークテスト版は全体的に魔術の威力が高かったのですが、製品版では全体的な火力が抑えられた印象があり、とくに魔術での蘇生ゲージ回復量が低くなったように感じました。とはいえ、高火力のダメージを叩き出すことには長けていて、狙って3属性をミックスした混成魔法を撃てるようになると、かなり活躍できるでしょう。

 FPを管理しながら、属性痕を吸収しては混成魔法を考える必要があり、魔術・祈祷の効果を一瞬で判断しなければならない状況もあります。上級者向けのキャラクターと言えますが、使い込んでいくとその奥深さがわかってくるはずです。
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 よくも悪くも重要となるのが、パーティー間での属性痕の扱い。味方が属性武器などで属性攻撃をしても属性痕が付くので、FP回復を狙っているだけなら「ありがたい!」と思えるでしょう。ですが、狙った混成魔法を作りたい場合は、味方の属性が組み合わせの妨げになってしまう場合も。

 となれば、味方が与えた属性から混成魔法を考え、その組み合わせを臨機応変に変えなくてはなりません。ボイスチャットなどで属性のあれこれを伝えることはできますが、言葉のやり取りがない場合は隠者側で対応することになるかと。

アビリティ【元素制御】

 敵や味方に表示された属性痕を、スキルで吸い取ることでFPを回復できるアビリティです。隠者を使ううえで欠かせない存在で、根幹を担う能力になっています。隠者以外には属性痕は見えません。
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ロックオンマーカーの周囲に見える円が、属性痕。吸収すると、画面中央下の、3つの穴に属性がはめられていきます。

スキル【混成魔法】

 クールタイムが存在しないスキル。ふたつの性質があり、まず属性痕が3つ溜まっていない状態で使うと、ターゲットから属性痕を吸い取ってFPを回復します。

 属性痕が3つ溜まった状態で発動すると、溜めた属性に応じて効果の異なる混成魔法を放ちます。いずれも強力な効果で、隠者の鍵となるスキルです。FPは必要としないので即座に使ってもいいですし、FPが少なくなったときに使えば相手に属性痕を付与してFPを回復することもできます。

 これが非常に楽しくも難しい部分で、混成魔法のレシピや効果をしっかり覚えて該当属性の魔術・祈禱を入手する必要があります。とはいえ、慣れないうちでも、ひとつの属性を使うだけで十分に戦えるでしょう。

 混成魔法は全14種存在し、双属性は魔力×2、炎×1などの2属性で発動。属性の数が魔力×1、炎×2の場合でも効果は変わりません。レシピと効果はゲーム内の“指南書”でも確認できます。

アーツ【血魂の唄】

 自身の周囲の敵を攻撃しつつ、敵に一定時間“血の烙印”を付与します。血の烙印が付与された敵は被ダメージが上がるほか、攻撃するとHPとFPが回復します。敵に付与するものなので、味方が攻撃しても同じ回復効果が得られます。

 ほかのアーツと同様に、発動時は長めの無敵時間が存在。隠者は回避性能が特殊なので、見知らぬ連撃が来たときなどの緊急回避でも使えました。

 回復効果はそれなりに高いので、聖杯瓶が切れた味方の回復に使ったり、自身のFPが切れたときに使ったりするのもいいでしょう。攻撃範囲もそれなりに広く、瀕死ゲージを1ゲージ回復できる効果もあるので、瀕死の味方が少し離れた位置にいても蘇生しやすかったです。
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ネットワークテスト版でも感じましたが、回復効果自体をほかの人が知らないと活躍しにくく、かつ立ち位置が後ろになりがちなので、発動したのかわからないことも。味方がラッシュしているときに合わせてあげると「なんか知らないけど回復したわ」となるでしょう。

復讐者:霊体とともに戦う第2の蘇生役

 とある条件を満たすことで解放されるキャラクター。魂の宿った球体関節を持つ人形といった設定から、どこかあのタイトルを彷彿とさせます。
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 得意武器はありませんが、初期武器は信仰補正が付いた拳武器の“復讐者の呪爪”です。爪でひっかくようなモーションで斬撃をくり出すことができます。ただし、復讐者以外が使用するとただのパンチとなってしまうので、ほぼ復讐者専用武器と言えます。

 信仰以外の能力は低めで、HPもかなり低く、耐久力は隠者のつぎくらいという印象。信仰ということは、初期武器の片方が聖印であることからも「祈祷をメインに立ち回ればいいのだろうか?」と思いましたが、隠者と違って気軽にFP回復ができないため、基本性能も含めて上級者向けのテクニカルなキャラクターとなっています。
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 最大の特徴となるのが、アビリティで敵を味方として使役したり、スキルで霊体を呼び出したりして戦えること。本編の“遺灰”のように、味方を召喚しながら戦えるキャラクターになっています。本体性能はやや頼りないのですが、ほかの味方を使役することでさまざまな立ち回りが可能となる、かなり特殊な性能なのです。
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霊体を呼び出して……。
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さらに別の霊体で攻撃! さまざまな連携ができます。霊体を出したまま行動するのも可能です。
 昼の時間は、強敵相手でもプレイヤー3人で攻撃し続けていれば圧倒できることも少なくないのですが、そこにさらに霊体の攻撃が加わることで、より圧倒的な連携を作り出せました。ふたりで行動しても、一時的に霊体を含めれば3人で行動するようなものなので、離れて活動できるのもよかったポイント。

 とくに注目したいのは、霊体を使って敵のターゲットを引き付ける活用方法でした。昼の時間で利用しやすく、体力がある限り戦ってくれる霊体を囮にして戦うだけでかなり安全に立ち回れました。ただし、大ボスである“夜の王”は火力が高いので、霊体もすぐに倒されてしまいますが。

 ちなみに“復讐者の呪爪”は、専用の戦技“白い影の呪い”を持っています。白い影を目前に置くと、敵のターゲットが無敵の白い影に移るので、とても使いやすいデコイとして活用できます。そのおかげもあって、復讐者は味方との連携のみならず、単独行動も得意としている印象です。
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 武器の強みが信仰補正しかなく、かつしっかりと信仰補正がある武器は聖印以外だと数が少ない。しかも、信仰補正武器はレア度が高い傾向にあるので、入手できる機会も多くありません。そのため、初期武器を捨てずに持っておくのが大事でしょう。遠距離武器なども用意しておくと少し安心できました。

 アーツは味方を支援するのに最適な性能で、さらに守護者のように瀕死ゲージの量を問わずに蘇生できました。“敵のターゲットを変更しやすい”という唯一無二の性能で、パーティー全体をサポートしてくれるような性能と感じました。

アビリティ【死霊術】

 倒した敵が霊体となり、味方になるアビリティ。霊体になるかどうかはランダムのようで、味方が倒した敵が霊体になることもあります。また、味方になる敵はある程度の大きさまでに抑えられている印象で、強力な敵は霊体にならない模様。また、同時に出現できる霊体の最大数は絞られているようです。

 強敵との戦いではだいたい1発で倒されてしまうのですが、複数の敵と戦う拠点では知らぬうちに霊体が敵を倒していることも。
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敵が霊体の姿で登場するので、仲間がビックリしちゃうかも。

スキル【霊体召喚】

 クールタイムのないスキルで、リラを奏でて3体の“ファミリー”を個別に呼び出し、戦わせることができます。呼び出した後は自律行動するのですが、敵に倒されるか、ほかのファミリーを召喚、もしくは召喚を解除すると消えます。

 ファミリーのHPはそれぞれで個別に存在し、待機しているあいだに時間経過で回復。もし敵に倒されてしまっても、一定値まで体力回復すると再度呼び出せるので、復讐者が生きている限りは無限に呼び出せます。

 ファミリーを呼び出すと、ある程度決まった攻撃を、ロックオンした敵の近くからくり出してくれます。同じファミリーを何度も呼び出して召喚時の攻撃を連続で出させたり、ファミリー3体を交互に呼んで攻撃させたりと、さまざまな連携が使えました。この3体をいかに使うのか、そこに復讐者の真骨頂があると言えるでしょう。
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ファミリーその1・ヘレンは素早い身のこなしを得意とする小姓。攻撃の手数や移動速度に優れ、小回りが利きますが、耐久力はそこまでありません。
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ファミリーその2・フレデリックは、大きな身体の料理人。動きは遅めですが、範囲攻撃で敵を吹き飛ばしてくれます。耐久力がそこそこあるので使い勝手もよし。
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ファミリーその3・セバスチャンは巨大骸骨ですが執事とのこと。召喚した場所から動きませんが、相手の体勢を崩しやすい打撃などをくり出してくれるほか、耐久力も高い。

アーツ【不死の行進】

 周囲の味方とともに、一定時間不死状態になるので、いくらダメージを食らっても瀕死状態にならない時間を作り出せます。瀕死状態の味方に当てると、即座に蘇生ができます。範囲も広いので、守護者とはまた性質の異なるパーティーの蘇生役となるでしょう。

 さらに、ファミリーも不死の存在となり、強化状態になります。セバスチャンならば、巨大骸骨の代名詞とも言えるビームを撃つようになります。“夜の王”との戦いではアーツが役立つ場面も。とはいえ、不死&蘇生効果がかなり強力なので、こちらをメインに使っていくことになる予感です。

ゆるいつながりでそれぞれの活躍を楽しもう!

 遊んでいてとくに感じたのが、オンライン協力プレイにも関わらず、ゆるいつながりでプレイヤーを喜ばせることに長けたゲームだということ。

 たとえば、鉄の目のスキル“マーキング”は、ほかのプレイヤーから見るとよく発動タイミングもわからないので、戦っているうちに「あれ、敵の体勢がいつの間にか崩れた!」となるでしょう。それが鉄の目のおかげかどうかはわかりにくい。ですが、鉄の目のプレイヤーは「俺がずっとマーキングしていたおかげなんだぜ」と、心の中で自分の活躍を喜べます。それぞれが意識せずとも自然と連携できるバトルシステムになっているんです。

 そして、過酷な夜をともにした仲間たちと3日目のボスを倒せたときの達成感は格別なもの。高難度のマルチプレイアクションだとは思いますが、ぜひとも『エルデンリング』を遊んでいない人にもプレイしてほしいタイトルです。ほかにはない唯一無二の体験が待っていますよ!

本作のムック本が5月26日発売

 なお、本作のゲームプレイに役立つ知識を総まとめしたムック『ELDEN RING NIGHTREIGN Twilight Guide』(エルデンリング ナイトレイン トワイライトガイド)がゲーム発売に先駆け、5月26日(月)に発売されている。
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 『エルデンリング ナイトレイン』はアクションRPG『エルデンリング』の一部要素を引き継ぎつつも、まったく異なるゲームデザインとなっており、プレイヤーは新たなアプローチで難解なフィールドや強大なボスといった困難を攻略していくことになります。新たな脅威に挑むための足掛かりとして、ぜひ本誌を役立ててほしい。

ムック『エルデンリング ナイトレイン トワイライトガイド』概要

特集01:『ナイトレイン』サバイバルガイダンス
 ネットワークテストの情報を中心に、基本操作やゲームの流れなどを解説。
『エルデンリング』からゲームデザインを刷新した”協力型サバイバルアクション”の全貌に迫る。
特集02:武器種/戦技・魔術・祈祷一覧
 アイテムドロップがランダムとなる本作では、豊富な知識が勝利の鍵を握る。すべてを使いこなし夜明けを迎えるために、本作に登場する武器種および、戦技・魔術・祈祷を一覧で紹介する。
特別企画
 ディレクターインタビュー
付録
 『ELDEN RING NIGHTREIGN』B2ファブリックポスター

書誌情報

  • 書名…ELDEN RING NIGHTREIGN Twilight Guide
  • 発売日…5月26日(月)
  • 定価…3300円[税込]
  • 仕様…オールカラー、A4判、80ページ
  • 付録…B2ファブリックポスター
  • その他…BOOK☆WALKERを始め、各電子書籍ストアでも配信予定
※電子書籍版の価格は1650円[税込] ※電子書籍版に付録は同梱されません。
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