2024年5月23日に発売を迎えた『四角い地球に再びシカク現る!? デジボク地球防衛軍2 EARTH DEFENSE FORCE: WORLD BROTHERS』(以下、『デジボク2』)。苦戦していたスピンアウトシリーズの中で、なぜ『デジボク地球防衛軍』(以下、『デジボク』)は次回作が出るほど成功したのか?
どうしても気になった我々は、『地球防衛軍』シリーズを通してプロデューサーを務める岡島信幸氏に直撃インタビューを敢行。『デジボク』誕生秘話から本作の見どころ、まさかのDLCで参戦するあのキャラクターのことまで、根掘り葉掘りたっぷりお話を伺った。
※本記事にはネタバレが含まれているのでご注意ください。
※本インタビューは2024年5月7日に実施したものです。岡島信幸(おかじま のぶゆき)
ディースリー・パブリッシャーのエグゼクティブプロデューサー。『地球防衛軍』シリーズや『お姉チャンバラ』など、数多くのタイトルでプロデューサーを務める。(文中は岡島)
ユーザーの求めるものは何か。スピンアウト作品の“壁”を取り除いた『デジボク』制作秘話
――『デジボク』の開発の経緯はどういった形だったのでしょうか?
岡島
それにはまず前提となる話をする必要があるのですが、よろしいですか?
――むしろ、詳しくお話を伺えるとありがたいです!
岡島
以前より、『地球防衛軍』シリーズはいろいろとスピンアウト作品を何タイトルかリリースさせていただいておりました。それこそ『EARTH DEFENSE FORCE: INSECT ARMAGEDDON』(以下、『EDF:IA』)や、『EARTH DEFENSE FORCE: IRON RAIN』(以下、『EDF:IR』)などですね。
どちらもある一定の評価はいただいていたのですが、熱心なファンの皆様からは、きびしい評価をいただくことがありました。「スピンアウトだからこそ、あえてナンバリング作品とは異なるものを作ろう」、と考えてリリースをしてきましたが、どうしてもリアル路線のアクションシューティングとなりますと、『地球防衛軍』のナンバリングシリーズと同じ価値観で比較されてしまうみたいです。比較されること自体はスピンアウトの宿命ではあるのですが、コアなユーザー様ほど「似ているのに遊び心地が違っていて、こんなの『地球防衛軍』ではない!」や「まったく別物で残念!」といったご意見をいただく傾向がありました。
――なかなかにきびしい感想ですね。
岡島
こちらとしては、あくまでスピンアウト作品として作っているので、まったく同じものを作っても意味がない、と考えていました。コンセプトは同じだけど、遊び心地が異なるものを目指して制作していたということです。しかしこれが、先ほどのような評価につながってしまう要因にもなっていました。
これはちょっと古い話ですが。かつてSIMPLE2000シリーズで、『THE 地球防衛軍タクティクス』というシミュレーションゲームをリリースしたことがありました。その際にも「まったく別のゲームでがっかり」といったご意見を頂戴することがありましたね。
――そんなこと言われても「その通りです!」以外には言えませんね(笑)。根本のジャンルから違いますし。
岡島
難しい問題です。我々からお伝えする情報って、どうしても限界があると痛感しました。こちらとしても「また違った遊び心地の『地球防衛軍』を皆さんに楽しんでもらおう」という気持ちで制作するわけですが、それがどうしても受け入れてもらえない壁のようなものを感じていて。それを打ち破るにはどうすればいいかと考えていました。
――そこで、リアル路線じゃない『デジボク』が登場するわけですね。
岡島
そうなんですけど、そんなに簡単には登場しませんでした。改めて「シリーズのファンが求めているスピンアウトとはなんだろう」と考えるようになりました。またスピンアウト作品としては、もう何度目かでしたので「つぎの挑戦はないぞ」という圧もありましたし…。そんな覚悟をもって生まれたのが『デジボク』になります。
コンセプトとしては大きく分けて3つありました。まず『地球防衛軍』ナンバリングシリーズに対抗するのではなく寄り添うものです。シリーズに寄り添い、ファンの心情に寄り添う内容にしようということですね。つぎに、いままでのナンバリングシリーズ作品とは同軸上で比較対象にならないように差別化された独自の価値があるもの。そして最後は、なるべく多くのユーザーに楽しんでもらえるものを。といった感じです。
具体的で簡潔に言いますと、過去の『地球防衛軍』に出てくる隊員や敵がひとつの作品に登場することなんですが、まずはシリーズに対するリスペクトが不可欠であり、歴代ファンは懐かしくもお祭り感覚で楽しめるとか、作中にニヤリとできるメタネタなどを入れる、といった要素が必要ということです。グラフィックもリアル路線からボクセルにして、なんなら地球も四角くなりました。地球まで四角いとなれば、「これは違う商品で、別の世界での話なんだ」と、ひと目見た時点で理解してもらえると考えました。
こういったコンセプトで制作したことにより、差別化がわかりやすくなり、先ほど言ったような障壁というか、スピンアウト作品に対する先入観のようなものは、なるべく取り除けたのではと思います。実際に反響もよく、こちらの想像以上に幅広いユーザーから受け入れていただけたと感じました。
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テレビCMでも使われていた“地キューブ”こと四角い地球。せっかくなので岡島さんにも持っていただきました。じつは地味に重い。
――『EDF:IR』より『デジボク』がウケた要因は何だと思いますか? やはりグラフィックの影響が大きいのでしょうか。
岡島
スピンアウト作品への障壁を下げる、という意味ではボクセル風グラフィックにした効果はあったと思います。また結果論ですが、ボクセル化の副産物として、残酷描写や虫の表現がマイルドになり、よりたくさんのユーザーに遊んでいただけるようになったと思います。ゲーム自体の評価がよかったことに関しては、何よりも現場のクリエイターの皆さんががんばった部分が大きいですね。
比較対象として挙げていただいた『EDF:IR』では「動きが重い」とか「敵が少ない」というご意見が多かったと記憶しています。キャラクターの挙動については、そういったところからユーザーが求めるものは何かを見つけ出していきました。
――たしかにそういった意見はよく見た気がします。ちなみに、『EDF:IR』の動作がもっさりしていた原因って……?
岡島
ゲームシステムに深く関係する“PAギア”の設定によるものです。重量感のある動きはスピンアウト作品ならではの部分で、まさにナンバリングタイトルとの差別化を意図したものです。ふだんはちょっと遅いけど、“オーバードライブ”をすることで俊敏な動きが可能になる……というカタルシスを狙ったものなのですが、そんなにウケはよくありませんでした。いっそのことずっとオーバードライブしていたほうがよかったのかもしれませんね。
――緩急の“緩”の部分だけ見られてしまった感じですね。意図したものなのに受け売れられないというのはなかなか難しい話ですね。
岡島
ちなみに動きが重いという不満は、ほんの一例にしかすぎませんが、こちらが意図したこととユーザーの方が感じることは必ずしも同じではなく、多かれ少なかれギャップが存在するのが現実です。だからこそ、そのギャップをどう埋めていくのかというのが我々の仕事だと考えるようになりました。
ですから、このようにいたらなかった部分を逆に伸びしろポイントとしてポジティブに考えることにしました。素直に反省して改善点を探っていったことが前作『デジボク』のよい評価につながったのではないかと思います。なんならグラフィックはあんな感じなのに、『EDF:IR』より『デジボク』のほうが『地球防衛軍』らしいなんてコメントもいただいきましたから、うれしかったですね。もう一度いいますけど、何よりもこの考え方でクリエイターの皆さんががんばってくださったことがもっとも大きいですね。
――確かに、プレイしているときにも「あ、ちゃんと『地球防衛軍』だ」と思った記憶があります。ではそんな好評を博した『デジボク』ですが、第2作となる『デジボク2』はどのタイミングで企画が動き出していたのでしょうか。
岡島
正確に何年の何月か……というと難しいのですが、日本市場における『デジボク』の評価がある程度定まったタイミングで次回作を意識し始めました。欧米版やPC(Steam)版の開発が落ち着いた後で具体的なプランを進めていったはずですね。
ユーザーからも次回作を希望する声をたくさんいただいていましたし、「つぎはもっといいものにできる」という、自信ではないですが、予感もありましたので。
――そういえば『デジボク』の欧米版も決定されていましたね。シリーズ全体として、海外での売れ行きはどんな感じなのでしょう。
岡島
日本国内では、おかげさまでかなりメジャーなコンテンツとして育てていただきました。しかし、海外では国内ほどメジャーなゲームとは言えないと思います。私の感覚ではカルトゲームとメジャーゲームのちょうどあいだぐらいの認識ではないかと思います。販売数の地域比率は、ざっくり言いますと日本で半分、残りの半分はそれ以外の国々をすべて合わせた感じでしょうか。
――つまり、まだ伸びしろがあるということですね。
岡島
そうですね、まだまだ伸びしろしかないと信じています。世界的な販売数としては『地球防衛軍4.1』と『地球防衛軍5』がワンツーですが、7月には『地球防衛軍6』が欧米市場でもリリースされますので、ぜひとも塗り替えてほしいなと期待しています。
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『デジボク2』が20周年と噛み合ったのは偶然だった
――作中では“レンジャー(EDF6)”のアビリティに「20年たっても変わらない~」とあるなど、20周年を意識したようなテキストが散見されます。やはり意識されていたのでしょうか。『デジボク』はお祭り的なタイトルでもありますし。
岡島
まあそうですね。たまたまですけど、20周年のタイミングで出てくるということで……。
――えっ。発売時期が被ったのは、たまたまだったのですか?
岡島
別に計算はしていないです(笑)。「20周年に出したいから、ここまでに完成させるんだ!」みたいなことはとくになかったですね。ふつうにスケジュールを組んでいったら、ちょうど20周年の終わりぐらいのタイミングとなっただけです。
フレーバーテキストに関しても私からなにかお願いしたわけではなく、シリーズ20周年へのリスペクトとして、担当のクリエイターさんが気を遣ってくれたのだと思います。
――このタイミングで『デジボク2』が出るのって、なにか運命めいたものを感じてしまいます。
岡島
ぶっちゃければ、我々も「20周年だからなにかしなくちゃ!」と圧迫されて動いてるだけですからね(笑)。「このタイミングでサウンドトラックを出さないと、つぎいつになるんだよ!」みたいな。日々、いま何周年かなんてまったく気にしてないです。
――いろいろグッズが出たのは、いちファンとしてうれしかったです。そういえば、岡島さんのPCにも当時発売された20周年のステッカーが貼ってありますね。
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ステッカーがキラリと光るノートパソコン。
岡島
そうなんですよ。弊社のノートPCはみんな同じ機種を使用しているので自分のPCとわかるように貼りました。でもちょっと斜めに貼ってしまって……。もうはがせないんですよね。ちゃんとマスキングテープとか使って位置を決めてから貼ればよかったです。
――いっそ25周年のときにもステッカーを出して、上から貼っちゃいましょう。
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セルフオマージュから重厚なストーリーまで。『デジボク』のふざけた部分とマジメな部分
――今作も、過去作を知っているとついついニヤっとしてしまうようなテキストが満載でした。
岡島
ありがとうございます。わかる人だけわかるネタ……ではあるんですけど、ないよりあったほうがいいなと。真面目なストーリーを作ってもお祭り感はでないですし。「サンダー!(酸だー!)」みたいな空耳なんかもそうですが、『デジボク』というセルフオマージュな作品を作るにあたって、そのあたりはしっかりと触れていく必要があると思います。
初めてゲームをプレイされた方は「なんのこっちゃ」ということになるとは思いますけど、それによってストーリーが理解できなくなるほどに入れ込んでいるわけではなく、あくまで味付け程度ですね。こういった小ネタが入っていたほうが、往年のファンは喜んでいただけるのではないかと思います。
――実際、めちゃめちゃ笑いながらプレイできました。そういった過去作ネタにもつながる部分だとは思うのですが、今作には巨大な陸戦兵が敵として登場しますね。あれはストーリー上の設定としてあの見た目になったのか、それとも企画段階から「デカい陸戦兵を出したい」といった話があったのか気になります。
岡島
デカい陸戦兵を出したいというのが先だったと思います。たしか、いちばん最初の企画書の段階ですでに書いてありましたね。
ちょっと夢のない話ではありますが、やはりマテリアルはなるべく使い回したほうがいいですから(笑)。そもそも『地球防衛軍』にも黒いアリがいて、赤いアリがいて、金のアリもいるわけですし。THE王道仕様ですね。
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――なるほど(笑)。ゲームに限らず、どんなエンタメ作品でもそうですよね。
岡島
本作の宿命として最新ナンバリング『地球防衛軍6』に登場する敵は再現しなければいけないのですが、「ほかにも新作ならではのインパクトのある敵を」というテーマがあって生まれたのが「巨大な隊員が襲ってくる」というアイデアだったと思います。ちなみに私が考えたわけではありません。そこから“なぜこの敵はEDFを襲ってくるのだろう”というストーリーのディティールが決まっていったと思います。
――あの設定はおもしろいですよね。プレイしていても唸らされました。
岡島
ありがとうございます。考えたクリエイターさんが喜ぶと思います。地中から現れ、地球をバラバラにした“ガイアーク”の名前にもいろいろと意味がありますよ。発表当初は“害悪”という言葉から転じて“ガイアーク”とイメージされた方が多かったと思いますが、じつは“ガイア”の部分に真意が込められています。
――ガイアと言えば、大地の女神ですが、地球を表す意味もありますね。自分も害悪(ガイアク)という意味にしか捉えていませんでした。本作はミッションの数もかなり多くなりましたし、ストーリーもより重厚になりましたね。
岡島
ミッションも前作の60個から大幅に増えて、『デジボク2』では100個以上あります。ストーリーの内容も、前回よりギュっと詰まった濃密なものになっていると思います。『デジボク2』で新たにフィーチャーしたナンバリング最新作『地球防衛軍6』はストーリーの部分でも高い評価をいただきました。「ストーリーはとくに気にしない」というユーザーが一定数いるとは思うんですけど、ナンバリングを重ねるごとに充実するストーリーを期待し、考察してくださるユーザーもいます。これを無視するわけにはいかないですよね。『デジボク2』でも期待にお応えする必要があったと思います。
話はそれますが、私はナンバリングシリーズのシナリオが大好きです。開発を担っていただいているサンドロットの本間毅寛さん(初代『地球防衛軍』よりシナリオを担当しているクリエイター)の書くストーリーは素晴らしいですよね。ナンバリングシリーズは、ここ最近になってストーリーについて高い評価をいただくことが多くなりましたが、私に言わせれば「遅いよ」です。初代からずっと、『地球防衛軍』のストーリーはいいものだと思っていますよ。
――私も『地球防衛軍4.1』のストーリーが大好きなので、そういったお話を聞けてうれしいです。ストーリーといえば『デジボク2』で登場するネオンはかなり尖ったキャラクター性をしていますね。ヒロインっぽいポジションなのに。
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ダロガの見た目をしたシスター“ネオン”。
岡島
じつは推敲段階のシナリオを確認した時点では「これで愛されるキャラになるかな?」と、ちょっと不安視していました。わがままで言うこと聞かないし、すぐに突っ込むし。ボクっ娘だし。人気出にくいんじゃない?っと。
詳しくは言えませんが、でもプレイしていくうちにだんだんギャップが生まれて、愛着を持ってもらえるようになるんですよ、これが。結局シナリオは3周読みましたが「これは原案のまま、変にいじくりまわさないほうがいいのかな」という結論にいたりました。ユーザーがどう感じられるかはなんとも言えませんが……愛してもらえるとうれしいですね。
――もはや親の目線ですね。
岡島
すごくいいキャラですよ。後半の展開もいいと思うんですけど。
――怒涛の展開ですよね。ネオン含め、歴代の敵を模したドリームブラザーたちはみんな好きになりました。
岡島
彼らは、『デジボク2』のストーリーで“人間もある意味、地球を侵略する側になる”というメッセージを表してくれる重要な存在になっていますからね。
『デジボク』の場合はご両親が買い与えてあげれば小学生、中学生でも遊べますので、そういったテーマを考えるきっかけになってくれればと思います。
――社会的意義がある作品なわけですね。
岡島
はい。大きな社会的意義を持って制作させていただいています。
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ドリームブラザーはビジュアルも含めて大好き。全員いいキャラしてるんです。
前作よりさらに増えた“シスター&ブラザー”たち
――ご当地ブラザー&シスターの数も大幅に増えましたよね。
岡島
「ミッションを100は入れよう!」という目標を立てたときに、それならブラザー&シスターも100以上にしないといけないなと…。やはり “ワールドブラザーズ”と命名しているからには、より多くの国や地域をカバーする必要がありますので。
昨今の情勢から続投を悩む旧キャラもいましたが、この作品のテーマに救ってもらいました。地球に住む者が心をひとつにして侵略者と戦う団結の物語ですから、小学生のユーザーに「なんで〇〇ブラザーいなくなったの?」と聞かれて答えられないようなことをしなくてよかったと思っています。基本的には本編キャラは前作からすべて続投したうえで、新たにいろいろな国や地域からブラザー&シスターに登場してもらいました。
――それぞれに用意されている、設定テキストの量も膨大ですよね。ちょこちょこ強引な感じのもありますけど。
岡島
いわゆる“海外から見た間違った日本像”みたいな、あれと同じようなこと我々もしているのだろうとは、薄々思っています。わかりやすさを重視してアイコン化する場合はどうしてもそういったステレオタイプなキャラクターを作っていくことにはなります。あくまでボクセルのキャラクターですし、実在しないものとしてご理解ください。
――ステレオタイプにしては、随分尖ったブラザーも多いと思いますね。たとえばワッフルシスターとか、なんで見た目が猫なんでしょう。妙にファンシーな口調も気になりますが。
岡島
ワッフルにゃんは、ベルギーの猫祭りがモチーフになっています。ウィキペディアによると1955年から続く伝統あるお祭りのようです。つまり適当に猫を出しているわけではない、ということですよ!
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ワッフルシスター。すごくメルヘンな口調でしゃべり、自身のことをKitty(子猫)とは呼ぶなと叱ってくる。
――なるほど、そこからの着想だったんですね。では、チリ出身のペンギンブラザーについてなんですが、なぜモアイから弾が?
岡島
大きな声では言えませんが、このゲームは、だいたいご当地にちなんだ何かを設置して攻撃しがちなんですよ……。まさに『デジボク』あるあるですね。だめですか?
――あ、いえ。
岡島
チリの有名な名所と言えば、イースター島。イースター島と言えばモアイですし、設置するのがモアイならビームぐらいは出さざるを得ないです。チリ出身のペンギンブラーがモアイを置いて攻撃するのは、シンガポール出身のマーライオンブラザーがマーライオン砲台になったり、オランダのチューリップシスターが風車砲台を置いたりすることと同じシステムです。これはTHE システムなんですよ。
――口から輪っか状の弾を出すモアイも出てきますが。
岡島
『デジボク』オリジナルですね。口から発射されているのではありませんよ。
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デジボクオリジナルです。
――な、なるほど。ちなみに前作からいるヨーデルシスターも、黒い音符マークが入った白いブロックを出したりしていますが。
岡島
ヨーデルと言えば音楽ですから、音楽が鳴る機器を設置します。これも『デジボク』あるあるですね。THE システムです。“デジボクあるあるTHEシステム”です。
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『デジボク』オリジナルでした。
――失礼しました。記事化の暁にはしっかりと太字で書いておきます。ちなみに岡島さんのお気に入りブラザーは誰でしょう。
岡島
フォレストブラザーですかね。説明がふざけてるなと(笑)。しかも、持っている武器やアビリティ、スペシャルがめちゃくちゃ強いんですよね。
――私もプレイしていて「おい!」と思いました。強いんだからちゃんと説明しろよと。
岡島
まあでもそこは“試し撃ち”の機能がついてますから。ユーザーの皆さんにはそこで試していただければと思います。
あと、フランクフルトシスターもお気に入りです。スペシャルの“時計仕掛けのソーセージ”が強いんですよね。
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これがそのテキストである。うーん、ふざけてる。
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ディアンドルっぽい衣装がかわいいフランクフルトシスター。
――ちょっと個人的な感想ではありますが、今作のシスターは前作よりもかわいいような気がします。
岡島
それはですね、デザイナーの方々が重ねてきた技術力の賜物です。初代『デジボク』でもそうでしたが。開発が進むなかで、デザイナーさんやモデラ―さんたちがボクセルで表現することにどんどん熟練していったんだと思います。それが証拠に後で作られたもののほうが素敵なクオリティになっています。
――ああ、なるほど! たしかに『デジボク』でも、DLCで後ほど登場した“歩行要塞バラム”はすごいクオリティでした。
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岡島
ありがとうございます。バラムは集大成と言えるようないい感じに再現されていましたよね。ほかには『デジボク2』でいくと……魚人、“スキュラ”とかもすごい再現度だなと思いました。あとはアーケルスでしょうか。前作から登場しているエルギヌスやダロガと比べても明らかにクオリティが上がっていますね。
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左がアーケルス。右が魚人(スキュラ)。
――アーケルスもスキュラも、ちょっと丸みを帯びたデザインですよね。四角であそこまで表現できるのはすごいと思います。
岡島
かと思えば、リングの手抜き感のすごさですよ。
――作中でも「どう見ても四角じゃん! どこがリングだよ!」と言われてましたね(笑)。
岡島
『地球防衛軍3』や『地球防衛軍4』のマザーシップは、ちゃんと違和感なく球体で作られているわけじゃないですか。そこであの枠リングですから、いい意味で手の抜きかたと入れかたがすごいなと思いました(笑)。実際に手を抜いているのではなく、世界観と演出を兼ねた手抜き風の遊び心です。
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――デザイン面でいえば、フィールドもかなり綺麗になりましたよね。
岡島
今作からテクスチャによる表現に磨きがかかりましたね。中でも地下が綺麗でいい雰囲気です。光るキノコとかもあって。ミッションによってはそれらを弾避けに使えたりもします。
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よかったところをさらに伸ばす。さらに進化したシステム面
――『デジボク2』では、アビリティが“ムーブアビリティ”と“サポートアビリティ”のふたつに増えましたね。これはどういった理由があるのでしょうか。
岡島
ユーザーの要望もあり、開発の初期段階から、前作にあったアビリティの格差を減らそうという取り組みがありました。『デジボク』では持っているアビリティの数に差があったり、スペシャルもアビリティも強力だったりと、かなりキャラクター間で性能の違いが大きかったんですね。
――確かに、プレイしていても前作よりキャラクター格差は減っているように感じました。アクセサリの装備枠が増えたことも影響しているのでしょうか。
岡島
そのあたりは強さの均一化が目的というより、キャラクターの拡張性の強化ですね。火力に特化したブラザーにより火力を伸ばせるアクセサリをつけることが可能ですし、逆に弱点を補うようなアクセサリをつけることも可能です。武器の装備を含めて、そういった部分はユーザーごとに自由に変えていただくのがデジボクに求められる方向性だと思います。
――ユーザーのプレイ体験を優先したわけですね。
岡島
組み合わせによっては我々が想定していない攻略や、すごい速度でクリアーしていく方とかが現れると思います。やや複雑な思いもありますが、それはそれで、そういった遊びかたを肯定していきたい気持ちもあります。どんな裏技を見せてくれるのか楽しみですね。
――ブラザーチェンジなどの要素もありますし、本当にカスタマイズ性の高いゲームですよね。
岡島
『デジボク2』で、より一層そういうゲームになりましたよね。前作で好評だった要素のひとつは間違いなくカスタマイズ性だったと思います。その長所をより伸ばすことができたと感じてもらえたらうれしいですね。開発を担っていただいたユークスの開発チームの皆さんは、求められるものを理解した上で取り組まれているので安心感がありました。私ごときはとくに何もすることがないので、ただ鼻くそをほじりながら、仕上がってくるもの待つというだけでしたね(笑)。
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そういって朗らかに笑ってらっしゃったが、絶対にそんなことないだろうな……と筆者は静かに思っていた。
DLCではあのキャラが登場? 『地球防衛軍』ナンバリングも合わせて、今後の展望を聞いた
――購入特典として、本田広報官や姫川広報官がラインアップされています。これは岡島さんのアイデアでしょうか。
岡島
はい。これは数少ないこちらからのリクエストですね。あのふたりにゲームへ登場してもらうには「いましかない!」と考えました。意外と歴史も長くて、2013年の『地球防衛軍4』のトレーラーから始まって、足掛け11年間も常に真実をお伝えしつつ、隊員募集をし続けてくれてますので。
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おなじみ広報官のおふたりも早期購入特典で参戦。左が本田広報官。右が姫川広報官だ。
――今後発売予定のDLCでは、すでに追加のミッションパックやブラザー、シスターの追加が予定されていますね。どんなキャラクターが追加予定なのでしょうか。
岡島
『地球防衛軍6』から、あのキャラクターたちの登場を予定しています。まだ内緒なので、名前は公開できませんが!
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と言いつつ、後ほどD3Pの広報より画像を提供していただいた。これは……プロフェッサーに大尉!
――おお! 『地球防衛軍6』ファンとしてはすごく気になってしまう……!
岡島
それより、DLCではありませんが、ふだんは戦闘しない総司令と戦術士官、オペレーターも条件をクリアーするとプレイアブルキャラとして参戦しますよ。
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総司令がプレイアブルキャラに。どんな武器を使って戦うのか、まったく想像がつかない。
――ワクワクがいっぱいですね。今後どうなるか、たいへん楽しみにしております。ところで、『地球防衛軍7』などについては……。
岡島
出ましたね、この類の質問。残念ですが具体的な予定はありませんよ。
――聞いておかねばならないかなと! 律儀にお答えいただき、ありがとうございます。それと、『地球防衛軍5』→『デジボク』→『地球防衛軍6』→『デジボク2』と順番に発売していますよね。これはつまり、もし『地球防衛軍7』があれば『デジボク3』もあると見ていいんでしょうか。
岡島
どうでしょうね……。とは言えナンバリングシリーズの新作が出なかったとしても、まだフォローできていない敵はたくさんいます。そういった意味でしたら制作すること自体は不可能ではないのかなと。でも……。
――でも……?
岡島
こればっかりは、『デジボク2』が売れてくれないとどうしようもないですね(笑)。
――それではいろんな方に本作を手に取ってもらうためにも、アピールをお願いします!
岡島
『デジボク地球防衛軍2』は、地球とアクションシューティングを愛する人なら誰でも楽しめるものになっていると思います。地球の平和を守りたいと考えるすべての方々の入隊をお待ちしています。また、全世界100万人以上のEDF隊員の皆様、丸い地球を守るついでに四角い地球も守っていただけるとうれしいです。お知り合いをお誘いいただき、団体様でのご入隊を大歓迎いたします。みんなで地球を守ると楽しいですよ。ただいま四角い地球を防衛中の皆様には感謝の言葉もございません。ぜひ、本作を遊び尽くしていってください。ありがとうございました。